クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った

『転移者サイトウ・タカシ及びフジワラ・アヤノについての経過報告……サイトウは空間収納能力を持っており、それを使って運搬の依頼を受けることにより一定の金額を得ることができ、パーティーは金銭的に安定。更に田舎から出てきたマリーという少女が加入。年齢は15歳。常識に疎く、転移者達の好意により、パーティーに加入することになったが、戦闘能力は筆者であるフレック・ミンナを凌ぐ』

『大きな問題も起きておらず、引き続き月風亭に滞在。他の転移者について調べる様子も無く、協力するような動きは無し。生活が安定次第本人達の方針で拠点を移動する可能性あり』

『王都から離れた場合、王都に戻る時を除き、転移者の報告は停止する予定。継続的な監視を続けることにする』

 私ことミンナは部屋に置かれたテーブルで報告書を作成する。

「ミンナあなた……」

「サイトウとフジワラには黙っていてください。転移者に監視役を付けるのは王女であったマリーは知っているはずですよ」

「……」

 一応嘘は言ってないが、非戦闘職ということでサイトウとフジワラの警戒心は薄い。

 一応3日に1度報告書を作成し、女将であるマーヤに報告書を上に上げてもらって、上層部からの指示を受け取っていたが、マーヤも転移者に好意的な存在で、ステータスの種を庭で栽培していることを気がついても特に報告しないでくれている。

 マーヤもサイトウのステータスが異質な事は知っているけど、成長していることは知らない。

「私が職務に真面目だったら報告書に真っ先に書かなければいけないのはあなたのことですよマリー……」

「ええ、死んだはずの王女が復活したなんて、私のことを恐れていた兄がどう動くか分かりませんからね。よかった……もし職務に忠実な監視役だったら、私ミンナの事を眷属にしないといけなかったかもしれませんから」

「ヴァンパイアの能力ですよね。眷属の作成……魔人の血がうすまった現代に生きるヴァンパイアはできなくなったと記憶しているけど?」

「ええ、でも私はモンスターの質を合成によって高めた真祖のヴァンパイアというべき存在よ。それにヴァンパイアが本来苦手にしている日光についても克服しているからね……王国に歯向かうってなったら勇者が差し向けられるような化け物が私よ」

「本当……恨み辛みを自制できる人物で助かりました」

 心の底からそう思う。

「ふふ、今の自由な生活の方が王族の頃より楽しいからね。それにサイトウって魔人である私を1人の少女として見てくれて……生前の頃から化け物扱いだった私にとって初めて好意を抱けた男性だもの。彼が困ることはしたくないわ」

「あー、なるほど……フジワラも大変だな……」

「ミンナは好意を抱いてないの?」

「いや~、どうなんでしょうね? 良い男だとは思うけど、男友達のような距離感が心地よくて……」

「そんなんじゃ婚期を逃すわよ」

「恋愛したことないマリーに言われたくないんですけど」

「ふふ、それもそうね」

 報告書を書き終わって、封筒に入れて指を押しつけて魔法の封をする。

「監視役も大変ね」

「まぁ私は上層部より今のほうがいい生活ができているから不満はないし、宮廷魔道士としてのキャリアも元々遅れていたからこのままサイトウの旅路についていこうかな」

 そんな事を話した後に私も眠りに就くのだった。







 翌朝、俺は起きてからの日課をこなす。

 ステータスの花を回収し、ランニングをして、朝風呂に入って、朝食に皆を誘って……。

「んん~美味しい!」

 マリーは朝食を美味しそうに食べていた。

 ヴァンパイアだからか、それともゴーストの時に夜行性だったから眠るという行為が久しぶりでなかなか眠りに就くことができなかったらしいが、マリーが自身にスリープの魔法をかけることで無理やり眠ったらしい。

 朝起きれるか不安だったらしいが、ちゃんと起きれて偉い。

「じゃあ今日は1日金稼ぎとレベリング俺したいと思うんだけど」

「そうだね、私達も一緒に行動しようか。魔法の練習も続けたいし」

「そうねー」

「うん!」

 というわけで、今日は昨日の午前中と引き続きキングスライムの数を増やすことに注力しつつ、今までやってこなかった角うさぎとかデブスズメ等の他のモンスターの合成にも手を出してみてもいいかもしれない。

 合成重ねて大型化するようであれば、当分ボックスの肥しになってもらうかもしれないけど。

 捕獲状態であれば空腹状態にならないってクイーンスライム娘のクラリンが言っていたので大丈夫だろう。

 朝食を食べ終えて、郊外に出ると、キングスライムに乗って移動していく。

 今日の女性陣の格好は、昨日俺が作った服を早速着てくれていて、ちょっと嬉しい。

 だいたい7時半くらいにいつもの薬草の群生地に到着。

「そうそう今日の分のステータスの種」

「ありがとう!」

「悪いね」

 藤原さんとミンナに各種ステータスの種を渡しておき、各々作業を開始するのだった。







『そろそろ薬草の数も少なくなってきたねー』

「また大豊作で増やさないといけないな」

 クイーンスライム娘のクラリンに薬草の採取を手伝ってもらっていたが、毎日200から300束を採取していたためか、生えている薬草の数も減り始めていた。

 また今度大豊作をかけ直さないといけないなって思いながらも、俺は昨日から増やしたキングスライムのおかげで、スライムだったりモンスターを狩る、捕獲する速度が向上。

 午前中だけでもキングスライムの数は20体を超えて、上限の30体までもう少し。

 メタルスライムだったりポーションスライムは別種扱いなのでこの数にはカウントされないが、動きが少し遅いので狩りには向かないけど、クラリンと一緒に薬草採取では活躍していたり、強靭な防御力で女性陣の魔法の練習の的役として頑張ってくれたりしていた。

「ごめんなメタリン。魔法の的役をやってもらって……お前にしか今は頼めないから」

 メタリンはクルンと回転した。

『別に……だって』

「そう思ってくれると助かるよ本当」

 キングメタルスライムにはメタリンと固有の名前をつけてあげた。

 ちょっとクラリンの通訳で感じていたが、ちょっとクールな性格をしているっぽい。

 そのうちこの子もスライム娘に合成してやろう。

 さてさて、スライム達が角うさぎやデブスズメをいい感じに弱らせて持ってきてくれるので、ガンガン合成していく。

 角うさぎは合成するとホーンラビットと角がより大きくなったうさぎに進化し、次にビッグホーンラビット、ビッグホーンラビット同士の合成で首切りうさぎ。

 首切りうさぎで角うさぎ同士の進化は終了っぽい。

 首切りうさぎを外に出してみると、一見普通のうさぎにしか見えないが、後ろ足の腱に鋭利な刃が付いていて、高速で飛び跳ねて、首を切断する様な凶悪なモンスターに成長していた。

 一方で、デブスズメは合成するとデブハト、デブカラス、詐欺サギ、サンタツル、最後にドデカオオワシになるって感じだった。

 5回の合成なのでスライムと同じデブスズメが32体必要な計算になる。

 面白いのがサンタツルで、一見普通のツルにサンタの帽子を被っている様にしか見えない。

 なんかプレゼント渡してくる。

 で、ドデカオオワシになると、サイズが怪鳥レベルで、人を背中に乗せても飛べそうなほどデカい。

 ただデブスズメの系統のモンスターは魔法が使えるようになるわけでは無いので、モンスターとしては最終形態のドデカオオワシも力が強いだけで、そんなに強くない。

 スライムや角うさぎが強力なモンスターに進化したのに比べるとちょっと控えめな進化かな? 

「コイツらもホムンクルスを与えれば魔人になるのかな? ……今度余裕ができたら試してみるか」








 1日スライムを合成しまくって、今日でキングスライムの数はマックスの30体に到達した。

 これで最高効率で狩りを行うことができる。

 俺のレベルも39まで上がったので、明日には新しい技を覚えられそうである。

「今日はスライムの捕獲と合成を優先したからあんまり稼げなかったけど、2万シンクか……」

 冒険者ギルドで換金をし終わり、宿で夕食を食べながら今日の振り返りを行なっていた。

「フジワラのステータスが1000を超えるのが、明後日だから、それまでは今日と同じようにレベリングかな?」

「うん、俺はそうするんだけど、ミンナはマリーと藤原さんに町のオススメスポットを紹介してやってほしい」

「というと?」

「明日はお休み。各々自由行動ってこと」

「あ、了解。マリーとフジワラも明日はじゃあ町の散策をしようか」

「うん!」

「楽しみ!」

「でもサイトウは良いの? 休まないで」

 ミンナが気を使って俺に聞いていたが、

「俺も休むぞ。スライム達に頑張ってもらって、俺は俺で覚えている技を色々試してみたいからな。無茶はしないから安心してくれ」

「了解」

 と、特に問題ないと返答する。

 食後に風呂に入った俺は、風呂の中で魔人について考察する。

(ホムンクルスと合成することでモンスターを魔人にすることができるとわかった。たぶん俺の予想が正しければ、今日合成した首切りうさぎやドデカオオワシもホムンクルスとの合成で人っぽい見た目と一定以上の知能を得ることができるだろう)

 ずり落ちそうになった頭に乗せているタオルを乗せ直し、壁際に移動して、浴槽の縁にもたれかかりながら上を向く。

(異世界に来て明日で14日……2週間。レベルは順調に上がっているし、金はあんまり貯まってないけど、各自3万シンクの貯蓄はある。藤原さんの上位職への転職を確認して、慣れたら、次は森に挑んでみるかな? キングスライムも数居れば熊に完勝できるってミンナ言っていたし、クラリンとマリーが居るから過剰戦力かもしれないけど……)

 でもモンスターを捕まえて合成するのは楽しいな……。

 俺はそう思いながら、風呂に浸かった後にマリーを部屋に呼んで、レベルを上げる為に鍛えるを選択するのだった。

 39レベルまで一気に上げるとなると7時間半も時間を有するのだった。






 名前 サイトウ・タカシ
 年齢 17
 性別 男
 職業 農家/ファーマー
 レベル 39
 体力 A
 気力 D
 知力 D
 器用 D
 筋力 C

 技
 ・捕まえる
 ・合成する
 ・鍛える
 ・道具を作る
 ・収納する
 ・大豊作
 ・図鑑
 ・名付ける
 ・範囲を拡大する(レベル1)
 ・穴を掘る
 ・鍬ワープ