親友からのステップアップ

進路の話をしてから二週間が経った。相変わらず、オレはあやと共に行動している。時々、あきも混ざって。だけど、一つだけ変わっていることがある。それは、オレのあやに対する気持ちだ。この前のモヤモヤの正体はまだわからない。誰に相談すればいいのかもわからず、一人で悶々としている。
「――。…な、かな」
「へあ!?な、なに!?」
「いや…なんか、上の空で、話聞いてないような感じだったから」
「奏人が上の空って珍しい。何かあった?」
「い、いや、何もない!大丈夫、ごめん!」
「なら、いいけど。何か悩んでるなら、俺たちにいつでも相談してね」
「そうそう!僕たち友達でしょ?」
「あや、あき、ありがとな!」

放課後。今日もあやと帰ろうと一緒に下駄箱へ向かっていると、突然女の子が話しかけてくる。
「あ、あの!柿原綾斗くん、ですよね?」
「…そうだけど」
「と、突然すみません…!少し、お時間よろしいですか…?」
オレはその子の表情を見て確信した。あぁ、これは告白だ、って。今までもあやは急に呼び出されること多かったけど、オレといるときは初めてだった。なんだか、モヤモヤする。なんなんだ、この間から。声をかけられたあやがオレのことを気にしているようで、こちらに視線を向けている。
「…あー!そういえば、今日は早く帰らないとだった!あや、ごめん!オレ先に帰るな!それじゃ!」
我ながら苦しい言い訳だと思いながらも、一刻も早くあの場から離れたくて校門めがけて全力疾走する。後ろからオレを呼ぶあやの声が聞こえたけど、気づかないフリして走り続ける。

気付けばオレは家と反対方向の道を進んで、近くに見つけた公園のベンチに座っていた。
「あれ?奏人?」
「ぇ、あ、あき?なんでここに…」
「僕の家、この近くだから。って、なんでここに、は僕のセリフだよ」
「あ、そっか。あき、自転車通学だもんな」
「うん。それより、奏人一人?綾斗は?」
「…女子に、呼び出されてたから、置いてきた」
「そっか。隣、いい?」
「ん」
隣に座ったあきに突然頭を撫でられる。オレは驚いて俯いていた顔を上げあきを見る。
「ごめんごめん。弟にやる癖出ちゃった」
「…オレは小学生じゃない」
「うん、そうだね。ところで、奏人。何か悩んでるでしょ?」
「…別に」
「嘘。最近の奏人、元気ないもん。僕には話せないこと?」
「そういうわけじゃ、ないけど…自分でも、わかってないから、どう話せばいいか、わからない」
「よし、奏人。僕の家おいでよ」