多音に引きずられて、校内を巡った。入学して少し経った後、友達と校内を一周してどんな教室があるのか見に行ったはずなのに、全く知らない廊下に連れていかれる。途中までは、まだクラスに残った生徒たちの話し声、笑い声が聞こえていたが、深淵に進めば進むほど足音だけになっていく。コツ、コツ、と陽の光も入らないような薄暗いところを歩いていく。
「もうすぐ着くよ」
廊下の先にぼんやりと紫色に光っている部屋があるのに気付いた。近づいていくほどデパートの化粧品コーナーのような香水の匂いがぷうんと鼻を刺激する。そして、ドアの前に着くと、ぼろぼろとしわくちゃの紙に「占い部」とだけ書かれた埃まみれの案内が書かれていた。
「こ、ここ?本当に学校にこんなところに!?」
「はいはい静かに。入学した高校にこんな怪しい部屋があったなんてね。私も最初はびっくりした。でもね、結構部員は多いんだよ」
そう言いながら、多音は勢いよくドアを開けた。がらがらと軋む音とともに薄暗い紫の部屋の中に魔法使いのようなローブに身を包んで傷の一つもない水晶を撫でている女の子が座っていた。僕と目が逢うと、にやりと口角をあげた。
「いらっしゃい。あなたが来るのを待っていましたよ。高浜歩さん。あなたが来ることは、この水晶の中から見えていました。きっとこの占い部に来てくれると。多音、ご苦労だった。ここからは私の仕事だ」
「ひ、ひぇっ」
僕は、この目の前の占い師の雰囲気に飲み込まれていた。ここが、校舎の深淵で学校内の未来を占っているのか本気で思わせるような雰囲気だった。そして、この方こそが例の先輩なのだろう。僕は、一歩踏み出して席に座ろうとしたが、多音は目を細めて言った。
「芽有梨ちゃん、何やってるの?そんなところで」
「え?」
芽有梨と呼ばれたその女の子は驚いた様子でその場で立ち上がった。先ほどまでのオーラ、雰囲気は完全に消え去ってしまった。きれいな長い髪の毛を垂らしたメガネっ子が顔を真っ赤にしていた。
「多音ちゃん、何言ってるの?体験入部者が来るからせっかく雰囲気作ってたのに」
「いや、そんなことしたって怖がるだけでしょ。それに芽有梨ちゃん別に占い出来ないでしょ」
「そ、そんなことないもん。私だって、、、いや、その前に体験入部の高浜歩くん、だよね?」
「ああ、はい。そうですけど」
「私、佃芽有梨。よろしくね!覚え方は、壁に耳あり障子に芽有梨だよ。ふふん」
「ははは。なんというか、かなり明るい部活なんだね」
「芽有梨ちゃんだけだよ、こんなに明るいのは。なんならうるさいくらいまである」
「ちょっと多音ちゃん、体験入部くんの前でその言い方はひどいでしょ。私は、おしとやかなお姫様、はかない妖精なんだから」
そう言いながら踊る芽有梨の後ろから一回り大きな女子生徒が歩いてやってきた。そのまま頭をぽんぽんと叩いた。
「こら、初めてのお客さんを怖がらせたらダメでしょ。もう」
「あ、光先輩、ごめんなさーい」
「うん、よろしい。で、あなたが多音の紹介の高浜くんだね。私は、増毛光、2年生。一応この部の会長もやっているの。よろしくね」
ほんのり金色に見える髪色にすべてを包み込む聖母のような笑顔で迎え入れてくれた。会長と言っていた、間違いなくこの人が例の先輩なのだ。
「もうすぐ着くよ」
廊下の先にぼんやりと紫色に光っている部屋があるのに気付いた。近づいていくほどデパートの化粧品コーナーのような香水の匂いがぷうんと鼻を刺激する。そして、ドアの前に着くと、ぼろぼろとしわくちゃの紙に「占い部」とだけ書かれた埃まみれの案内が書かれていた。
「こ、ここ?本当に学校にこんなところに!?」
「はいはい静かに。入学した高校にこんな怪しい部屋があったなんてね。私も最初はびっくりした。でもね、結構部員は多いんだよ」
そう言いながら、多音は勢いよくドアを開けた。がらがらと軋む音とともに薄暗い紫の部屋の中に魔法使いのようなローブに身を包んで傷の一つもない水晶を撫でている女の子が座っていた。僕と目が逢うと、にやりと口角をあげた。
「いらっしゃい。あなたが来るのを待っていましたよ。高浜歩さん。あなたが来ることは、この水晶の中から見えていました。きっとこの占い部に来てくれると。多音、ご苦労だった。ここからは私の仕事だ」
「ひ、ひぇっ」
僕は、この目の前の占い師の雰囲気に飲み込まれていた。ここが、校舎の深淵で学校内の未来を占っているのか本気で思わせるような雰囲気だった。そして、この方こそが例の先輩なのだろう。僕は、一歩踏み出して席に座ろうとしたが、多音は目を細めて言った。
「芽有梨ちゃん、何やってるの?そんなところで」
「え?」
芽有梨と呼ばれたその女の子は驚いた様子でその場で立ち上がった。先ほどまでのオーラ、雰囲気は完全に消え去ってしまった。きれいな長い髪の毛を垂らしたメガネっ子が顔を真っ赤にしていた。
「多音ちゃん、何言ってるの?体験入部者が来るからせっかく雰囲気作ってたのに」
「いや、そんなことしたって怖がるだけでしょ。それに芽有梨ちゃん別に占い出来ないでしょ」
「そ、そんなことないもん。私だって、、、いや、その前に体験入部の高浜歩くん、だよね?」
「ああ、はい。そうですけど」
「私、佃芽有梨。よろしくね!覚え方は、壁に耳あり障子に芽有梨だよ。ふふん」
「ははは。なんというか、かなり明るい部活なんだね」
「芽有梨ちゃんだけだよ、こんなに明るいのは。なんならうるさいくらいまである」
「ちょっと多音ちゃん、体験入部くんの前でその言い方はひどいでしょ。私は、おしとやかなお姫様、はかない妖精なんだから」
そう言いながら踊る芽有梨の後ろから一回り大きな女子生徒が歩いてやってきた。そのまま頭をぽんぽんと叩いた。
「こら、初めてのお客さんを怖がらせたらダメでしょ。もう」
「あ、光先輩、ごめんなさーい」
「うん、よろしい。で、あなたが多音の紹介の高浜くんだね。私は、増毛光、2年生。一応この部の会長もやっているの。よろしくね」
ほんのり金色に見える髪色にすべてを包み込む聖母のような笑顔で迎え入れてくれた。会長と言っていた、間違いなくこの人が例の先輩なのだ。

