その後、登山は無事終了し、僕たちは通常授業がはじまった。4月、5月は特にイベントはなく、変わり映えのない日常だった。しかし、そんな日々の中で僕は少しだけ焦っていた。部活をどこにするのか、ということである。机の上には白紙の入部届がぽつりと置かれている自分が情けなかった。昼休みに頬杖をついて考えていたら、多音が目線を合わせて見つめてきた。
「歩、まだ悩んでるの?」
「うん。部活、早く決めなきゃなって」
「もう5月の半ばになるよ。まだ決まってなかったの」
「特にめっちゃやりたいこともないし、どうしようかね」
「運動部は嫌なの?」
「うーん、中学では特にやりたいこともなくて、小学校からの友達とソフトテニスしてた」
「そっか。この高校硬式テニスしかないからね」
「別にテニスをガチで極めたいとも思わないんだよな。もう上には上がいるじゃん。そんなにめっちゃ部活ガチでやるぞって、うーん」
そんなこと言っているが、僕は、ただ自信がないだけだ。中学のソフトテニスはそこそこいい成績を取っていた。そんなにテニスは嫌いじゃないけど、だからこそいい思い出のままにしておきたいのだ。その話を聞いていた多音は、僕の背中に回って肩をポンポンと叩いた。
「そこで、迷っているあなたにいいところを紹介しましょうか?」
「おっ、今度は何を見せてくれるんですかお姉さん」
「私が入ってる部活なんだけど、占い部」
「う、うらないぶ?」
「そう。迷える子羊を集めて占ってあげるの。もちろん、この高校の人はお代はあいらないよ」
「あはは、多音のやりそうなことだね。自分で作ったんだろ?」
僕はこんなスピリチュアルなこと始めるのは目の前の少女ただ一人と思っていた。
「違う。もともとあったから入った」
「え?」
そんなはずはない。高校入学した時のパンフレットには占い部なんて文字はなかったはずだ。まず、そんな怪しい部活は本当にあるのかと耳を疑った。
「すごい先輩がいるの。呪術の道に精通している先輩。その人が高校の許可を得ずに隠れて始めたらしいの。でも「占い部」のインパクトが強すぎて校内でも結構知名度上がったみたい。私も噂を聞いてからすぐに探しに行った」
「なんか、すごーく怪しいんだけど。その先輩」
「いや、会ったら分かる。すごくいい先輩だった。私もその先輩に占ってもらったよ」
「え、どんな感じだったんだ?」
「あんまり詳しく言ったらいけないんだけど、まあまあ良かったよ。ただ、詳細は伏せないといけない。誰でも彼でもべらべら喋っていたらいい効果も薄れちゃうって」
「ははは。その自分理論展開している人さらに恐怖が増すんですけど」
「そんな感じで信じてない人こそ会ってみてほしい。100%見方が変わるから。絶対、約束する。入る部活決めてないんだったら来てほしい、いや、連れて行く。今日の放課後活動あるから待ってて。連れて行くから」
「あ、はあ」
僕は、正直全く信じていないし、占い部に入るつもりなど全くなかった。それでもこんなに夢中になって勧誘してくれる多音に押されて、放課後に引きずられてしまった。
「歩、まだ悩んでるの?」
「うん。部活、早く決めなきゃなって」
「もう5月の半ばになるよ。まだ決まってなかったの」
「特にめっちゃやりたいこともないし、どうしようかね」
「運動部は嫌なの?」
「うーん、中学では特にやりたいこともなくて、小学校からの友達とソフトテニスしてた」
「そっか。この高校硬式テニスしかないからね」
「別にテニスをガチで極めたいとも思わないんだよな。もう上には上がいるじゃん。そんなにめっちゃ部活ガチでやるぞって、うーん」
そんなこと言っているが、僕は、ただ自信がないだけだ。中学のソフトテニスはそこそこいい成績を取っていた。そんなにテニスは嫌いじゃないけど、だからこそいい思い出のままにしておきたいのだ。その話を聞いていた多音は、僕の背中に回って肩をポンポンと叩いた。
「そこで、迷っているあなたにいいところを紹介しましょうか?」
「おっ、今度は何を見せてくれるんですかお姉さん」
「私が入ってる部活なんだけど、占い部」
「う、うらないぶ?」
「そう。迷える子羊を集めて占ってあげるの。もちろん、この高校の人はお代はあいらないよ」
「あはは、多音のやりそうなことだね。自分で作ったんだろ?」
僕はこんなスピリチュアルなこと始めるのは目の前の少女ただ一人と思っていた。
「違う。もともとあったから入った」
「え?」
そんなはずはない。高校入学した時のパンフレットには占い部なんて文字はなかったはずだ。まず、そんな怪しい部活は本当にあるのかと耳を疑った。
「すごい先輩がいるの。呪術の道に精通している先輩。その人が高校の許可を得ずに隠れて始めたらしいの。でも「占い部」のインパクトが強すぎて校内でも結構知名度上がったみたい。私も噂を聞いてからすぐに探しに行った」
「なんか、すごーく怪しいんだけど。その先輩」
「いや、会ったら分かる。すごくいい先輩だった。私もその先輩に占ってもらったよ」
「え、どんな感じだったんだ?」
「あんまり詳しく言ったらいけないんだけど、まあまあ良かったよ。ただ、詳細は伏せないといけない。誰でも彼でもべらべら喋っていたらいい効果も薄れちゃうって」
「ははは。その自分理論展開している人さらに恐怖が増すんですけど」
「そんな感じで信じてない人こそ会ってみてほしい。100%見方が変わるから。絶対、約束する。入る部活決めてないんだったら来てほしい、いや、連れて行く。今日の放課後活動あるから待ってて。連れて行くから」
「あ、はあ」
僕は、正直全く信じていないし、占い部に入るつもりなど全くなかった。それでもこんなに夢中になって勧誘してくれる多音に押されて、放課後に引きずられてしまった。

