入学式が始まる時間が近づいてくると、皆、体育館前に集まって来た。そして、大きなホワイトボードに黒い布がかけられていた。9時になると、新しいクラスの発表だ。現在の時刻は8時50分。周りのみんなもまだかまだかとその時をワクワクしていた。僕も楽しみにしていた。清や明日香、それに今横にいるこのちょっと変わった少女、多音。
「みんな一緒のクラスになれたらいいなあ」
僕は両手を合わせてホワイトボードの前でお祈りをした。すると、多音が小さく首を傾げた。
「なんで手を合わせてるの?」
「なんでって、ほら、やっぱり中学時代からの友達とは一緒のクラスになりたいじゃん」
「なれるよ」
「え」
「だから、なれるよ。歩と私、一緒だよ。あと、歩が話していたあの夫婦漫才やっている人たちも同じクラスだったよ」
「………なんでしってるの?」
「さっき見たから。先生たちが監視していないうちに中に書いてあるのをのぞいてきたの。まあ、今の私の格好を見たらとても新入生にはみえないだろうから、先生たちも何も言わないでしょ」
「え?本当?じゃあネタバレってこと?」
「うん」
この子は何でこう一歩だけみんなの先を進んでいるんだろうか。偶然なのか、故意なのか。
「まあ、いいじゃん。私、歩とクラス一緒になれてうれしいよ。だって、久しぶりに面白そうな人を見つけたんだもん」
「いや、まあ、僕もうれしいけど。多音ちゃんは、みんなより一歩先に進んでるよね」
「ちがうよ。私が進んでいるんじゃない。みんなが遅れているんだよ」
みんなが遅れている?その意味が僕には理解できなかった。やっぱりこの子は変だ。
そうして、9時になると、肩幅がゴリラ並みに大きいいかにも「体育会系」な先生がホワイトボードの前に現れた。
「入学おめでとう新入生諸君!今からクラス発表を行う。クラスを確認したらそのまま体育館に行って案内を受けてくれ。クラスでまとまって座るからしっかりと聞いておくように」
そう言うと、バサッとホワイトボードを隠していた布を剥ぎ取り、その下に新しいクラス名簿が載っていた。僕は、自分の名前がどこにあるかを探した。
「た、た、た、っと。あった。高浜歩。えっと、1年A組だ」
「歩、よく見てみて。ほら、みんな一緒のクラスでしょ?」
よく見ると、A組のリストには二宮多音、山井清、新宮明日香の名前もあった。ちらっと多音の顔をのぞくと悪魔的な瞳で吸い込まれそうになってしまった。
「ふふふ。私はうれしいよ、歩と一緒のクラスで」
「あー、僕もうれしいー。あはは」
可愛いけど、なんか変なやつに気に入られてしまったと今悟った。クラスが一緒ということは、最低でも一年間はつきまとえあれてしまうのかな。
「じゃあ、体育館行こう。入学式、始まるよ」
「お、おう!」
「みんな一緒のクラスになれたらいいなあ」
僕は両手を合わせてホワイトボードの前でお祈りをした。すると、多音が小さく首を傾げた。
「なんで手を合わせてるの?」
「なんでって、ほら、やっぱり中学時代からの友達とは一緒のクラスになりたいじゃん」
「なれるよ」
「え」
「だから、なれるよ。歩と私、一緒だよ。あと、歩が話していたあの夫婦漫才やっている人たちも同じクラスだったよ」
「………なんでしってるの?」
「さっき見たから。先生たちが監視していないうちに中に書いてあるのをのぞいてきたの。まあ、今の私の格好を見たらとても新入生にはみえないだろうから、先生たちも何も言わないでしょ」
「え?本当?じゃあネタバレってこと?」
「うん」
この子は何でこう一歩だけみんなの先を進んでいるんだろうか。偶然なのか、故意なのか。
「まあ、いいじゃん。私、歩とクラス一緒になれてうれしいよ。だって、久しぶりに面白そうな人を見つけたんだもん」
「いや、まあ、僕もうれしいけど。多音ちゃんは、みんなより一歩先に進んでるよね」
「ちがうよ。私が進んでいるんじゃない。みんなが遅れているんだよ」
みんなが遅れている?その意味が僕には理解できなかった。やっぱりこの子は変だ。
そうして、9時になると、肩幅がゴリラ並みに大きいいかにも「体育会系」な先生がホワイトボードの前に現れた。
「入学おめでとう新入生諸君!今からクラス発表を行う。クラスを確認したらそのまま体育館に行って案内を受けてくれ。クラスでまとまって座るからしっかりと聞いておくように」
そう言うと、バサッとホワイトボードを隠していた布を剥ぎ取り、その下に新しいクラス名簿が載っていた。僕は、自分の名前がどこにあるかを探した。
「た、た、た、っと。あった。高浜歩。えっと、1年A組だ」
「歩、よく見てみて。ほら、みんな一緒のクラスでしょ?」
よく見ると、A組のリストには二宮多音、山井清、新宮明日香の名前もあった。ちらっと多音の顔をのぞくと悪魔的な瞳で吸い込まれそうになってしまった。
「ふふふ。私はうれしいよ、歩と一緒のクラスで」
「あー、僕もうれしいー。あはは」
可愛いけど、なんか変なやつに気に入られてしまったと今悟った。クラスが一緒ということは、最低でも一年間はつきまとえあれてしまうのかな。
「じゃあ、体育館行こう。入学式、始まるよ」
「お、おう!」

