冬の魔物

「うん……そうなの。結構大きな手術なんだ。これで、完全に治るかもしれない。その手術が終わったら、数ヶ月は入院。だから、検査で早めにこっちに来てて……成功率は、低いんだけどね」

「……低くてもあるよ」

 ああ。なんと、味気ないのない慰めでしょうか。できれば日本が誇る文豪の一人でも、いまだけ俺に取り憑いてくれないですかね。

 目の前の女の子を、少しでも慰めたいだけなんですけど。

「そうだよね……! はああ。変にしんみりしてしまってごめん。けど、一度はこの話しないとね。嫌だけど事情を知ってもらったら、ああそうなんだなで済むでしょ」

「うん……」

「とにかく……図書館で私が倒れたことは、秘密にしておいてくれる? 本当にこれは、大したことないないんだ。いつものことなんだけど、親には家で大人しくしているように言われてて……無理を言って、学校には通わせてもらっているんだ」

「学校に? ……そっか」

 学校に無理してでも、通いたい……?

 なんだか宇宙語でも聞いているような、不思議な気持ちになった。