『デートしませんか』
夜、メッセージが届いた時、俺はベッドに寝転んでおすすめから流れてくる犬の動画をぼんやりと観ていた。
それを見た瞬間、俺はスマホを落としそうになり、ベッドから半分転げ落ちながら、何とか床に当たるぎりぎりで受け止めた。
俺とまめが両想いになったのは、卒業式の日だった。
学校近くの公園でお互いの気持ちを伝え合い、キスをした。余韻でその場から動けなくなり、ベンチに身体を預けてしばらく呆けていた。真昼の空にうっすらと浮かんだ月を眺めながら、「すげえな」「すごいね」「両想いやばいね」「な……」などと言い合っていたような気がするが、初めてしたキスの威力が凄すぎて、実のところあまりよく覚えていない。身体の中で一番柔らかい場所に触れたような驚きと、触れることを許された喜びで、それ以上何も考える隙がなかった。
そのふわふわした頭のまま公園を出ようとした時、あれ?待てよ、と思い直した。
ーー大事なことを忘れてないか。そう思った途端、唐突に不安が過った。
「なぁ。これって、付き合うってことでいいんだよな?」
まめを捕まえ、慌てて尋ねた。俺だけが付き合う気満々だったらどうしようと焦った。
「あっ」
まめは、「忘れてた」とその丸い目をますますまん丸にして、俺の方を見た。そしてぺこりと頭を90度に下げ、「よろしくお願いします」と恥ずかしそうに笑ったのだった。
その時のまめの顔がトレーディングカードになったら、俺は出るまで何万枚でも買う。絶対に、買う。
夜、メッセージが届いた時、俺はベッドに寝転んでおすすめから流れてくる犬の動画をぼんやりと観ていた。
それを見た瞬間、俺はスマホを落としそうになり、ベッドから半分転げ落ちながら、何とか床に当たるぎりぎりで受け止めた。
俺とまめが両想いになったのは、卒業式の日だった。
学校近くの公園でお互いの気持ちを伝え合い、キスをした。余韻でその場から動けなくなり、ベンチに身体を預けてしばらく呆けていた。真昼の空にうっすらと浮かんだ月を眺めながら、「すげえな」「すごいね」「両想いやばいね」「な……」などと言い合っていたような気がするが、初めてしたキスの威力が凄すぎて、実のところあまりよく覚えていない。身体の中で一番柔らかい場所に触れたような驚きと、触れることを許された喜びで、それ以上何も考える隙がなかった。
そのふわふわした頭のまま公園を出ようとした時、あれ?待てよ、と思い直した。
ーー大事なことを忘れてないか。そう思った途端、唐突に不安が過った。
「なぁ。これって、付き合うってことでいいんだよな?」
まめを捕まえ、慌てて尋ねた。俺だけが付き合う気満々だったらどうしようと焦った。
「あっ」
まめは、「忘れてた」とその丸い目をますますまん丸にして、俺の方を見た。そしてぺこりと頭を90度に下げ、「よろしくお願いします」と恥ずかしそうに笑ったのだった。
その時のまめの顔がトレーディングカードになったら、俺は出るまで何万枚でも買う。絶対に、買う。

