どこがリアルなんだよ

「え! 早苗ちゃんて一中なんだ!」
「そうだよ。美鈴ちゃんは? 二中?」
「いや、わたしは柳中だよ」

真実ちゃんとわたしは、同じ柳ケ丘中学校。高校1年生までずっと一緒だった。

この校区には他に2つの中学校がある。

早苗ちゃんはその中の1つ。柳ケ丘第一中学校だった。

「そっか。美鈴ちゃんは柳中なんだ。このクラス、いなくない?」
「そうなんだよね……わたしこのクラスに同中の人、いなくて」

昨日出会った早苗ちゃんと、1つひとつパズルを完成させるように、わたしは早苗ちゃんのカコをチェックをしていく。これからの2人のために。

「裕子と美奈も。私と同じ、一中だよ」

そう言って早苗ちゃんは、窓際の席でゲラゲラと手を叩いて笑う、2人を指さした。

(うわ……ニガテなんだよな、あの2人)

松本裕子。
山本美奈。

陽キャの集まり、女子バレー部。

わたしは極力関わらないようにしていた。気配を消して、空気のようにどれだけ透明でいることができるか……。

それが静かに生きる『コツ』だ。

新学期になってから、できるだけ目を付けられないようにしている2人だった。

「ね! 私たち、一中だよね!」

早苗ちゃんが大きな声で、2人に呼びかけると、「おお!」と2人が手を振って返した。

「でしょ」
「……う、うん」

危なかった。ちょっとしたことでも避けなきゃいけないのに。