どこがリアルなんだよ

水橋美鈴。

『み』から始まるわたしの名前。

席はやっぱり後半の方だった。

サッと頭を上げずに一瞬でクラスに視線を向ける。

分かり切っていたことだけど……誰も知っている人がいない。

(どうしよう)

ホームルームが迫った時間。すでに教室にはほとんど人が集まっていた。

数人のグループがいくつもできていて、何やら楽しげに話をしている。

「うちには入って来ないでね」と言わんばかりの雰囲気を、それぞれのグループが醸し出しているように感じた。

(……あ)

……たった1人。たった1人だけ、誰ともしゃべることなく、1人で席に座っている女子がいた。

しかも、わたしの右隣。

「よーし、集まってるか? ホームルーム始めるぞ」

(あ、……体育の榊先生)

どうやらB組の担任は榊先生らしい。

きっと掲示板に書いてあったんだろうけど、一切目に入っていなかった。

廊下も近くない。

窓も近くない。

『み』から始まる名前は、いつだって損することばかりだ。