どこがリアルなんだよ

早苗ちゃんとの間に、大きな壁ができてしまった気がした。溝じゃない。壁が。

(何を考えてるのか、もう分からないよ……)

宿泊場所へ向かうバスの中。早苗ちゃんは笑顔でたくさん話かけてくれていた。緑が綺麗だとか、ご飯が楽しみだとか。

「もう、美鈴ちゃん、聞いてる?」
「え? あ……ゴメン、ボーっとしてたかも」

愛想笑いを浮かべて、「何だっけ」と何回言ったろう。

(早苗ちゃん、本当はわたしのことキライなのかな……)

ため息をつくことができない、狭いマイクロバス。涙がじんわりとこぼれそうになる。もしかしたら、後の席に松中さんと山本さんがいたからなのかも知れない。