――俺は、今、本気でまずい状況に居る。
薄暗くてほぼ真っ暗な石畳の部屋に一人寂しく寝ていた。
床の冷たさと寝心地の悪さに目を覚まして、この部屋の状況を確認しようと、起き上がる。
何か持っていないか、自分自身の衣服のポケットの中を探すが、一文無し。
札どころか、小銭すら無いのだ。財布入れも無い。
「あれ?――ここは?」
薄暗い部屋の中で、自分の居場所を知らせるかのように、わざとらしく声を出す。
仄かに見える視界に入ったのは、何も無い薄暗い石の部屋と、数十人の顔も知らない男女だった。
俺より先に目を覚ましたのか、何人かがこちらを見たり、辺りの状況を確認している。
「さあ?気が付いたらここに寝ていたみたいだね?」
俺の声に数人が反応して、返事を返したのは、メガネを掛けた男。
『ガリ勉』仮名、名前が分からないから、この呼び名にしよう。
ああ、勉強は出来るけど――友達付き合いとかしなさそうだしな?
そわそわしている女の子や、にこにこ微笑む女の子、体格の良さそうな男が数人や、運動神経良さそうな奴まで居るな。
「そ、そうか――はぁ」
適当に返事を返して、床に体育座りをしながら、少年は溜め息を付いた。
それに比べて、これといった特長が無い人間だ。
短い黒髪に、高くも低くもない平均的な身長。体格は鍛えているのかやや筋肉質で、安物のグレーのパーカーと、青いズボン。
――あれ?なんで、俺、今の自分の衣服や特長を知っているんだ?こんなに暗いところなのに?
俺には、記憶が無い。とは言っても――必要最低限の知識や認識は、あるみたいだ。
ちなみに俺の名前は『シン』なんで、この名前なのかも分からない。ただ、名前だけは分かる。
文字の読み書き、コミュニケーション、最低限の体力や筋力とスタミナ。
なんで分かるかって?――既に、周りの奴らが試しているのを見ているからだよ?
恐らく俺以外の奴らも、自分自身の名前以外は思い出せないんだろうな?
んで、さっきの違和感についてだが、
たまに、自分自身の事について、めちゃくちゃ詳しく、容姿や服装を、ほぼ真っ暗な部屋で、言い当てられる事がよくある。
記憶を失くす前から、自分自身の格好を気にする人間だった、のかもしれない。
つっても、あくまでも『勘』だ。そうなのかもしれない、ってだけだな。
お金についてもだ。『お金』という単語や意味は、分かるのに、何故か出て来た『お札』や『銭』という言葉。
『お札』や『銭』っていう言葉の意味が分からない。
他の奴らも、似たような単語や言葉を出し合っている。
立ち上がり、腕を組みながら、彼は納得した。
「つまり、あれだよ?」
指を鳴らし、自分の方を見る彼らに鳴らした指を向けながら、
「――異世界召喚もの、ということらしい」
この言葉の意味は、何故かしっくり来る。
他の人達も「なるほど」という言葉を発しながらも『ゲーム』や『ラノベ』という単語を発して来た。
しかし、その言葉の意味を理解する事が出来る人は、ここには居なかった。
---
今気が付いたのか、気が付かなかっただけなのかは分からないが、目の前に明かりが見えたので、俺達は、そのままその明かりの付いた、扉を開く。
そこに居たのは、体格の良い男が、バーカウンターに座るように、俺達を待ち構えていたのだ。
「ようこそ、アメンズの世界へ、ここはビギナーの町よ?」
優しく語りかけるその男は、ただ者じゃないのは、素人の俺でも分かる。
俺の『勘』がアイツは強いと言っている。
黄色とピンク色の短髪、がっしりとした体格と、奇抜な服装、どう見ても『オネェ』感がある。
「歓迎するわよ?私の名前はエクシー、このビギナーの町の【冒険者ギルド】の所長兼ギルドマスターよ?別名で【案内人】とも呼ばれているわ」
『冒険者』という単語が出て来た瞬間、俺は、異世界に来た事を自覚した。
冒険者ギルドの所長兼ギルドマスター!――この男、ただ者じゃないと思っていたら、やっぱり偉い人だったんだな。
『案内人』って、一体何の事だろうか?
ギルドマスターのエクシーがまだ話している最中にも関わらず、割って入るように、体格の良い男が話し掛ける。
「質問に答えて貰う!」
ギルドマスターのエクシーが話すのを止めて、体格の良い男を見ている。
「冒険者やギルドっていうのは何だ?俺は何故ここに居る?」
そのまま、ギルドマスターのエクシーを指差しながら、質問を問い掛ける。
「威勢が良い男ね?嫌いじゃないわよ?」
「エイジだ、俺は、てめぇみたいな変態には、興味無……」
「ッ!?」
一瞬だった。ギルドマスターのエクシーが、目にも止まらぬ早さで、エイジという男の首元に、ナイフを突き立てたのだ。
殺気も攻撃する意思も、感じも、し無かった。
ギルドマスターの名前は、伊達じゃないんだな。あと怖い。
「エイジ?いい事を教えてあげるわ?私を変態呼ばわりした奴は、漏れ無く長生き出来ないのよ?」
ギルドマスターのエクシーが、ほぼ無言と無表情で微笑みながら、そう話す。
静かに殺気を込めながら。
「ハッ、やれるもんならやってみろよ?変態ギルドマスターさんよ?」
一方のエイジも、負けず劣らず、むしろ堂々としている。
相当肝が据わっている、というか、元々そういう役職の人だったのかもしれないな?エイジは。
要は、傭兵や軍人なんかだろうか?
当人の記憶は無いんだろうからな?
いきなりの一触即発に、さすがの俺もびっくりしたよ。
「そのうちやってあげるわ?」
エイジにそのまま、ナイフを手渡し、狙いを定めるかのように、微笑みながらギルドマスターのエクシーも下がる。
いきなり戦闘になるかと、俺もヒヤヒヤしたぜ。
――エイジっていう奴、好戦的なのか?
ギルドマスターのエクシーが、バーカウンターの席に戻って、袋を取り出した。
「銀貨で30枚、一人あたり30銀貨入っている袋よ?――【冒険者ギルド】に登録して入る子には、これをあげる――当分の間は生活出来る筈よ?」
「は、そうか!お金も必要か」
イケメンで人当たりの良さそうな茶髪の男が、気が付いたように言っている間、
シンは、不意に思い出したかのように、ポケットの中を探しながら、
「あれ?スマホが無いな?」
――ん?俺が言ったのか?『スマホ』?何の事だろう?思い出せないというか、分からないというか。
シンだけじゃなく、他の人達も同様に『スマホ』という単語の意味と言葉に違和感を覚えながら、シンと同じ反応をしている。
ギルドマスターのエクシーは、さらに、紐付きの皮製の戦士の絵のエンブレムが入った紋章のような物を取り出した。
紋章を持ち上げながら、説明を始める。
「よく見て頂戴ね?――これが【見習い冒険者】としての証ね?【冒険者ランク】は『G』よ?――これがあれば、【冒険者ギルド】の依頼を受けたり報酬を貰う事が可能になるわ――これは無料配布だけど、あくまでも【見習い冒険者】としての扱いとなるわ」
「【見習い冒険者】?」
「そう――さらに銀貨で50枚と、それに似合うだけの実績を積めば、正式な冒険者としての【冒険者ランク】『F』をあげるわ」
「金取るのかよ?」
強面というか、見るからに不良のような男が、そう言いながら反応する。
仮名『不良』、シンは静かにそう呼ぶ事にした。
ギルドマスターのエクシーは話を続ける。
「どのみち、《《それ》》に《《似合う》》だけの実力が無ければ、死ぬだけよ?」
――死ぬ!?そんなに深刻な仕事なの?【冒険者】って?
「具体的には、何をすればいい?」
「エイジ?あたしをがっかりさせないで?――己の才覚と判断で、情報収集と戦闘と依頼をこなす、それが【冒険者】の流儀よ」
「何をするにも、自分で調べて、自分の頭で考えろって事か?」
「そういう事よ?」
ギルドマスターのエクシーが、紋章を軽々と振り回しながら、片手で掴み上げる。
「魔物を討伐して、素材や身包みを売りなさい!――それが【冒険者】の基本よ?――他にも雑用とかの仕事も無くもないけど、魔物を討伐する方が効率的ね?――雑用の仕事って言っても楽な仕事は無いから、期待しない事」
――魔物討伐、雑用の仕事。
具体的には、恐らく自分自身で調べろって言うんだろうな?この人。
魔物討伐が難しいなら、雑用の仕事をやるのもあり、という訳だな。
「生きて行くのって、それなりに大変なのよ?」
死ぬとか言ってたしな?――まさかだとは思うけど。
俺は、雑用の仕事にしようかな?
「2つだけ、アドバイスしてあげる――1つ、諦めない事、死ぬ時は死ぬ訳だけど、諦めたら確実に死ぬわよ?――2つ、あなた達がここに来た理由を1つだけ教えてあげる、あなた達はかつて『罪』を犯したの、あなた達の別名は『罪人』とも呼ばれているわ、何の『罪』を犯したのか、知りたい場合も、自力で調べなさい」
「…………」
沈黙する一同を横目に、チャラそうな男が、帽子をくるくる指先で回して、遊んでいる。
仮名『チャラ』沈黙しながらも、そう呼ぶシン。
ギルドマスターのエクシーが、顔の口元に手を組みながら、
「おめでとう、今日からあなた達は【見習い冒険者】よ」
そう、シンを含めた彼らをそう呼ぶ。
『罪人』という意味深な言葉と共に、
――こうして、俺達は【見習い冒険者】になったのだった。
薄暗くてほぼ真っ暗な石畳の部屋に一人寂しく寝ていた。
床の冷たさと寝心地の悪さに目を覚まして、この部屋の状況を確認しようと、起き上がる。
何か持っていないか、自分自身の衣服のポケットの中を探すが、一文無し。
札どころか、小銭すら無いのだ。財布入れも無い。
「あれ?――ここは?」
薄暗い部屋の中で、自分の居場所を知らせるかのように、わざとらしく声を出す。
仄かに見える視界に入ったのは、何も無い薄暗い石の部屋と、数十人の顔も知らない男女だった。
俺より先に目を覚ましたのか、何人かがこちらを見たり、辺りの状況を確認している。
「さあ?気が付いたらここに寝ていたみたいだね?」
俺の声に数人が反応して、返事を返したのは、メガネを掛けた男。
『ガリ勉』仮名、名前が分からないから、この呼び名にしよう。
ああ、勉強は出来るけど――友達付き合いとかしなさそうだしな?
そわそわしている女の子や、にこにこ微笑む女の子、体格の良さそうな男が数人や、運動神経良さそうな奴まで居るな。
「そ、そうか――はぁ」
適当に返事を返して、床に体育座りをしながら、少年は溜め息を付いた。
それに比べて、これといった特長が無い人間だ。
短い黒髪に、高くも低くもない平均的な身長。体格は鍛えているのかやや筋肉質で、安物のグレーのパーカーと、青いズボン。
――あれ?なんで、俺、今の自分の衣服や特長を知っているんだ?こんなに暗いところなのに?
俺には、記憶が無い。とは言っても――必要最低限の知識や認識は、あるみたいだ。
ちなみに俺の名前は『シン』なんで、この名前なのかも分からない。ただ、名前だけは分かる。
文字の読み書き、コミュニケーション、最低限の体力や筋力とスタミナ。
なんで分かるかって?――既に、周りの奴らが試しているのを見ているからだよ?
恐らく俺以外の奴らも、自分自身の名前以外は思い出せないんだろうな?
んで、さっきの違和感についてだが、
たまに、自分自身の事について、めちゃくちゃ詳しく、容姿や服装を、ほぼ真っ暗な部屋で、言い当てられる事がよくある。
記憶を失くす前から、自分自身の格好を気にする人間だった、のかもしれない。
つっても、あくまでも『勘』だ。そうなのかもしれない、ってだけだな。
お金についてもだ。『お金』という単語や意味は、分かるのに、何故か出て来た『お札』や『銭』という言葉。
『お札』や『銭』っていう言葉の意味が分からない。
他の奴らも、似たような単語や言葉を出し合っている。
立ち上がり、腕を組みながら、彼は納得した。
「つまり、あれだよ?」
指を鳴らし、自分の方を見る彼らに鳴らした指を向けながら、
「――異世界召喚もの、ということらしい」
この言葉の意味は、何故かしっくり来る。
他の人達も「なるほど」という言葉を発しながらも『ゲーム』や『ラノベ』という単語を発して来た。
しかし、その言葉の意味を理解する事が出来る人は、ここには居なかった。
---
今気が付いたのか、気が付かなかっただけなのかは分からないが、目の前に明かりが見えたので、俺達は、そのままその明かりの付いた、扉を開く。
そこに居たのは、体格の良い男が、バーカウンターに座るように、俺達を待ち構えていたのだ。
「ようこそ、アメンズの世界へ、ここはビギナーの町よ?」
優しく語りかけるその男は、ただ者じゃないのは、素人の俺でも分かる。
俺の『勘』がアイツは強いと言っている。
黄色とピンク色の短髪、がっしりとした体格と、奇抜な服装、どう見ても『オネェ』感がある。
「歓迎するわよ?私の名前はエクシー、このビギナーの町の【冒険者ギルド】の所長兼ギルドマスターよ?別名で【案内人】とも呼ばれているわ」
『冒険者』という単語が出て来た瞬間、俺は、異世界に来た事を自覚した。
冒険者ギルドの所長兼ギルドマスター!――この男、ただ者じゃないと思っていたら、やっぱり偉い人だったんだな。
『案内人』って、一体何の事だろうか?
ギルドマスターのエクシーがまだ話している最中にも関わらず、割って入るように、体格の良い男が話し掛ける。
「質問に答えて貰う!」
ギルドマスターのエクシーが話すのを止めて、体格の良い男を見ている。
「冒険者やギルドっていうのは何だ?俺は何故ここに居る?」
そのまま、ギルドマスターのエクシーを指差しながら、質問を問い掛ける。
「威勢が良い男ね?嫌いじゃないわよ?」
「エイジだ、俺は、てめぇみたいな変態には、興味無……」
「ッ!?」
一瞬だった。ギルドマスターのエクシーが、目にも止まらぬ早さで、エイジという男の首元に、ナイフを突き立てたのだ。
殺気も攻撃する意思も、感じも、し無かった。
ギルドマスターの名前は、伊達じゃないんだな。あと怖い。
「エイジ?いい事を教えてあげるわ?私を変態呼ばわりした奴は、漏れ無く長生き出来ないのよ?」
ギルドマスターのエクシーが、ほぼ無言と無表情で微笑みながら、そう話す。
静かに殺気を込めながら。
「ハッ、やれるもんならやってみろよ?変態ギルドマスターさんよ?」
一方のエイジも、負けず劣らず、むしろ堂々としている。
相当肝が据わっている、というか、元々そういう役職の人だったのかもしれないな?エイジは。
要は、傭兵や軍人なんかだろうか?
当人の記憶は無いんだろうからな?
いきなりの一触即発に、さすがの俺もびっくりしたよ。
「そのうちやってあげるわ?」
エイジにそのまま、ナイフを手渡し、狙いを定めるかのように、微笑みながらギルドマスターのエクシーも下がる。
いきなり戦闘になるかと、俺もヒヤヒヤしたぜ。
――エイジっていう奴、好戦的なのか?
ギルドマスターのエクシーが、バーカウンターの席に戻って、袋を取り出した。
「銀貨で30枚、一人あたり30銀貨入っている袋よ?――【冒険者ギルド】に登録して入る子には、これをあげる――当分の間は生活出来る筈よ?」
「は、そうか!お金も必要か」
イケメンで人当たりの良さそうな茶髪の男が、気が付いたように言っている間、
シンは、不意に思い出したかのように、ポケットの中を探しながら、
「あれ?スマホが無いな?」
――ん?俺が言ったのか?『スマホ』?何の事だろう?思い出せないというか、分からないというか。
シンだけじゃなく、他の人達も同様に『スマホ』という単語の意味と言葉に違和感を覚えながら、シンと同じ反応をしている。
ギルドマスターのエクシーは、さらに、紐付きの皮製の戦士の絵のエンブレムが入った紋章のような物を取り出した。
紋章を持ち上げながら、説明を始める。
「よく見て頂戴ね?――これが【見習い冒険者】としての証ね?【冒険者ランク】は『G』よ?――これがあれば、【冒険者ギルド】の依頼を受けたり報酬を貰う事が可能になるわ――これは無料配布だけど、あくまでも【見習い冒険者】としての扱いとなるわ」
「【見習い冒険者】?」
「そう――さらに銀貨で50枚と、それに似合うだけの実績を積めば、正式な冒険者としての【冒険者ランク】『F』をあげるわ」
「金取るのかよ?」
強面というか、見るからに不良のような男が、そう言いながら反応する。
仮名『不良』、シンは静かにそう呼ぶ事にした。
ギルドマスターのエクシーは話を続ける。
「どのみち、《《それ》》に《《似合う》》だけの実力が無ければ、死ぬだけよ?」
――死ぬ!?そんなに深刻な仕事なの?【冒険者】って?
「具体的には、何をすればいい?」
「エイジ?あたしをがっかりさせないで?――己の才覚と判断で、情報収集と戦闘と依頼をこなす、それが【冒険者】の流儀よ」
「何をするにも、自分で調べて、自分の頭で考えろって事か?」
「そういう事よ?」
ギルドマスターのエクシーが、紋章を軽々と振り回しながら、片手で掴み上げる。
「魔物を討伐して、素材や身包みを売りなさい!――それが【冒険者】の基本よ?――他にも雑用とかの仕事も無くもないけど、魔物を討伐する方が効率的ね?――雑用の仕事って言っても楽な仕事は無いから、期待しない事」
――魔物討伐、雑用の仕事。
具体的には、恐らく自分自身で調べろって言うんだろうな?この人。
魔物討伐が難しいなら、雑用の仕事をやるのもあり、という訳だな。
「生きて行くのって、それなりに大変なのよ?」
死ぬとか言ってたしな?――まさかだとは思うけど。
俺は、雑用の仕事にしようかな?
「2つだけ、アドバイスしてあげる――1つ、諦めない事、死ぬ時は死ぬ訳だけど、諦めたら確実に死ぬわよ?――2つ、あなた達がここに来た理由を1つだけ教えてあげる、あなた達はかつて『罪』を犯したの、あなた達の別名は『罪人』とも呼ばれているわ、何の『罪』を犯したのか、知りたい場合も、自力で調べなさい」
「…………」
沈黙する一同を横目に、チャラそうな男が、帽子をくるくる指先で回して、遊んでいる。
仮名『チャラ』沈黙しながらも、そう呼ぶシン。
ギルドマスターのエクシーが、顔の口元に手を組みながら、
「おめでとう、今日からあなた達は【見習い冒険者】よ」
そう、シンを含めた彼らをそう呼ぶ。
『罪人』という意味深な言葉と共に、
――こうして、俺達は【見習い冒険者】になったのだった。


