ベンノはその状況が飲み込めず、呆然と呟きます。
「おい。白鳥のお姫様って、彼女のことかい? じゃあ、オオカミのそばにいる、もう一人の彼女は」
ロートバルトは驚くベンノの声と、ジーク達の危機迫る表情に、高笑いを見せました。
「フッハッハッハ。運命は……もはや、誰にも変えられぬのだよ、ジーク」
ジークはベンノに一言残すと、ロートバルトの元へ走り寄ります。
「彼女とオオカミを頼む」
「えっ! ちょっと待てよ。そんなこと急に言われても」
ジークが白銀の剣を打ち振るい魔王と刃を交える中、ベンノは血を流すオニキスに触れるのを怖がりながらも、必死でその巨体を担ぎ上げ、オディールをかばうようにして間一髪その場を離れるのでした。
魔王の猛烈な刃の猛攻に、ジークは苦戦を強いられていました。
荒れ狂うように繰り出される剣撃を受け止めるだけでも、精一杯の状態です。
激しい打ち合いの最中にあっても、ジークの視界にはベンノによって安全な場所へと救い出されたオディールの姿がありました。
彼女の無事を確認したジークの胸に、ささやかな安らぎが広がっていきます。
力で圧倒し、じわじわと追い詰めてくるロートバルト。
相手の重い一撃を受け止めながら、(よかった……)と胸を撫で下ろしたその矢先、ジークの視界に静まり返った水面にぽつりと佇むオデットの姿が飛び込んできました。
彼女は華奢な手を胸の前で重ね、祈るような視線をこちらへ送っています。
(私の心の行き先は、一体どこに――)
「おい。白鳥のお姫様って、彼女のことかい? じゃあ、オオカミのそばにいる、もう一人の彼女は」
ロートバルトは驚くベンノの声と、ジーク達の危機迫る表情に、高笑いを見せました。
「フッハッハッハ。運命は……もはや、誰にも変えられぬのだよ、ジーク」
ジークはベンノに一言残すと、ロートバルトの元へ走り寄ります。
「彼女とオオカミを頼む」
「えっ! ちょっと待てよ。そんなこと急に言われても」
ジークが白銀の剣を打ち振るい魔王と刃を交える中、ベンノは血を流すオニキスに触れるのを怖がりながらも、必死でその巨体を担ぎ上げ、オディールをかばうようにして間一髪その場を離れるのでした。
魔王の猛烈な刃の猛攻に、ジークは苦戦を強いられていました。
荒れ狂うように繰り出される剣撃を受け止めるだけでも、精一杯の状態です。
激しい打ち合いの最中にあっても、ジークの視界にはベンノによって安全な場所へと救い出されたオディールの姿がありました。
彼女の無事を確認したジークの胸に、ささやかな安らぎが広がっていきます。
力で圧倒し、じわじわと追い詰めてくるロートバルト。
相手の重い一撃を受け止めながら、(よかった……)と胸を撫で下ろしたその矢先、ジークの視界に静まり返った水面にぽつりと佇むオデットの姿が飛び込んできました。
彼女は華奢な手を胸の前で重ね、祈るような視線をこちらへ送っています。
(私の心の行き先は、一体どこに――)



