秘密を隠した僕たちは、極端な世界を壊す

 僕は、散々ため息を吐いた後、あの感じのお母さんと一緒にいたら自分が壊れると思ったので、家に帰らずにUターンをしてゆっくりと公園へ戻る。
 さすがに悠せんぱい、帰ってるよね……?
 恐る恐る葉っぱの隙間から覗いて公園を確認してみた。姿が見えなかったので、安心しながら真ん中にあるベンチに横になった。

「ふぅー……」

 深くため息をつく。
 これから僕は、どうすればいいんだろう……。お先真っ暗だなぁ〜……。
 静かにどんよりしている空をにらめっこをした。数秒見ていると僕が勝ったのか、雨粒が降り落ちてきた。徐々に雨足が強くなってくる。







 あー。このまま ここに居たら風邪引くんだろうなー。







 でも別に、風邪引いたって心配する人なんて——。


「いっちー!」

 元気良く僕の名前を笑顔で呼ぶ悠せんぱいの顔が浮かんだ。






「っ……」







 もう悠せんぱいに合わせる顔がないよ……。













「どうすればいいのっ……」












 顔を拭いながら重い足取りで家に帰った。




「あなたっ!!」

 お母さんがすごい形相でボクに近寄る。

「こんな濡れて、今までどこにいたのっ」
「……」
「もう、私を失望させないでよ、お願いだから」

 お母さんは今にも泣き崩れそうだった。

「……うん」

 ボクは顔を伏せて、低い声で頷いた。
 こんなのただのお母さんの保心に過ぎないのだ。心配なんて最初からされてないのだ。
 お母さんが過保護になったのも……いや、もう過保護でもないか。

 ーーお母さんはもう、僕なんて必要ないんだ。”ボク”を見てないから。



 しばらくうなだれていたお母さんは買い物に出かけていった。
 ぼーっとしている頭のまま階段を登り、自分の部屋へ向かう。

「はぁー……」

 ボクを助けてくれて、心配もしてくれた悠せんぱいに酷いことをして、悠せんぱいに嫌われたかもしれない。
 


 本当にボクは、弱くて最低で——。







 ピンポーンッ。



 ふいに家のインターホンが鳴った。
 お母さんかな、と肩を震わせながらインターホンを覗くと、悠せんぱいが写っていた。
 
「いっちー。話したいことがあるんだけど——」