レイトブルーマー

 季節は巡り、冬が訪れた。

 朝の町は雪に覆われていた。
 屋根も電柱も、降り積もった雪をかぶっている。
 人の姿はない。
 車の音も聞こえない。
 ただ、雪を踏みしめる小さな音だけが、静かな町に響いていた。

 白く染まった道に、一人分の足跡が続いていた。
 新しく降った雪を踏み固めるように、一歩ずつ高校へ向かっている。

 校門を抜けてもその跡は途切れない。
 駐車場の脇を通り、部室棟へ伸び、バスケ部の部室前で途切れていた。

 しばらくすると、体育館の明かりが一つ、また一つと灯った。
 暗かった窓が白い朝の中に浮かび上がる。

 やがて、体育館の中からバスケットボールが床を叩く音が聞こえてきた。
 一定のリズムで外まで響いてくる。
 しばらくして、ドリブルが止まった。
 短い間を置いて、ネットが揺れる音がした。
 再びボールが床を叩き始める。

 外では、雪が降り続いている。
 空は少しずつ明るくなっていた。