インターハイの予選は、各地で次々と消化されていった。
勝ち進む高校がある一方で、コートを去る高校もある。そこには、これまで積み重ねてきた練習の日々があり、最後の試合にすべてをぶつけた選手たちの姿があった。
流れた涙の数はいざ知れず、たくさんの高校生たちが、それぞれに培ってきたものをコートへ持ち込み、そして敗れていく。
そうして一つ、また一つと試合が終わっていった。
部活に青春を捧げた高校三年生たちの夏は、本格的な夏の訪れよりも早く終わりを迎えた。
夏休みの過ごし方は人それぞれだ。惰眠を貪る者もいれば、部活に顔を出す者もいる。受験に向けて、自らを追い込むように勉強へ打ち込む者もいた。
怜太は、そのどれとも少し違う夏休みを過ごしていた。毎日のように図書準備室へ通い、机に向かっている。
表向きは部活動ということになっているが、実際には一日中ディベートに取り組んでいるわけではない。本を読むだけで終わる日があったり、夏休みの課題を片付けるだけの日もある。部室であるはずの図書準備室は、さながら自習室のようだった。
開け放たれた窓から夏の風が吹き込み、カーテンがゆっくりと揺れている。強い日差しが差し込む窓際とは違い、図書準備室の中は風が抜けるぶん、いくらか過ごしやすかった。
怜太の隣では、くるみが机に向かっている。
「千穂先輩はお休みですか?」
「夏期講習に行ってるはず」
「へぇー進学するんですね」
「千家はああ見えて頭が良いからな」
「わ、わたしは最初から勉強ができるって思ってましたよ」
「意外って顔したの、見逃さなかったぞ」
くるみの表情が固まった。しまった、と顔に書いてあるようだった。
「大宮先輩は進路どうするんですか?」
「進路ねえ……」
怜太は椅子の背もたれに体を預け、天井を見上げた。
左足の補助具が外れたのは、一週間前のことだった。今のところ神経障害もなく、予後は良好だ。長いあいだ行動を制限していた左足も、ようやく自由に動かせるようになった。
だからこそ、選択肢は多かった。
これまでは進路調査のたびに、まだ決めていないと曖昧に答えてのらりくらりとかわしてきた。しかし、高校生活も残りわずかとなった今、いつまでも先送りにはできない。
「決まってないんですね」
怜太は素直にうなずいた。
「別に……いいんじゃないですか? 悩んだ結果が失敗でも、少子化の時代ですから引く手あまたですよ」
「それもそうだな。大企業目指してるわけじゃないし。ありがとなくるみ、ちょっと楽になった」
「ど、どういたしまして」
くるみは顔を赤くしながら答えた。
思いがけず肩の力が抜けた怜太は、そこで話題を切り替えた。
「文化祭、どうするか考えるか」
「いいんですか? 先に体育祭が控えてるのに」
くるみが窓の外へ視線を向ける。
中庭では、三年生たちが体育祭に向けて準備を進めていた。スマホを見ながらダンスの振り付けを確認する生徒がいる一方で、そのすぐそばでは衣装の制作に励む生徒たちの姿も見える。
「俺たちが行っても困らせるだけだろ。完成した衣装を着て、完成したダンスを踊る。これでいいんだよ」
くるみは窓の外をもう一度眺め、それから納得したようにうなずいた。
そんな二人のところへ、千家がやってきた。
「こんちは! うわあ、ここ風の通り道で涼しいね」
「あれ、夏期講習は?」
「明日からだよ。だから今日のうちに色々決めたかったの。よかったーくるみちゃんもいる」
くるみが会釈を返す。
千家はコンビニの袋を机の上に置き、中からアイスを取り出した。
「買ってきたから食べよ。味はキウイとパッションフルーツときなこ。もちろんおごりだよ」
「変化球ばっかりだな」
「人の敷いたレールの上を走っても面白くないでしょ」
「千穂先輩はバニラやチョコをそういう風に捉えているんですね」
ホワイトボードには、『文化祭ディベート論題』と書かれている。その下にはこれまでに出された案が箇条書きで並んでいた。
最後の一口を咀嚼しながら、千家は空になったアイスの容器が置いた。
「これがいい! っていう案がある人ー」
「今年のディベート甲子園の論題はどうですか? あれなら事前に練習もしたので」
くるみの提案を受け、千家はホワイトボードに『日本は富裕税を導入すべきである。是か非か』と書いた。
「相手はどうするんだ? 他校のディベート部に声かけるのは色々とハードルがありそうだけど」
怜太の言う通りで、文化祭で他校の生徒を呼んで対戦してもらうとなれば、準備の段階からいくつもの問題が出てくる。三人で実現できる形を考えなければならない。
「私の考えなんだけど」
千家はそう言って切り出した。
「文化祭はその名の通り、お祭りだからね。もっと肩の力を抜いてもいいと思うんだ。例えば、最初にやった焼肉とお寿司みたいな。楽しそうが入部に繋がれば万々歳でしょ」
千家が意識しているのは、文化祭当日の盛り上がりだけではなかった。
二人が卒業した後も続いていくディベート部のことを考えれば、新しい部員を迎えることは大きな課題になる。
特に、他者と打ち解けるまでに時間がかかるくるみが、自分から積極的に勧誘するのは簡単ではない。
だからこそ文化祭そのものをディベート部の魅力を知ってもらう機会にして、少しでも部員獲得につなげようとしていた。
「二回やるのはどうだ? 一つ目は楽しい論題で、二つ目はちょっと硬めにすれば」
「おおーギャップ萌えってやつだね」
「萌えの要素はないけど、言いたいことはそんな感じだ」
「いっそのこと参加型にするのはどう? 楽しい論題の方なら事前に調べものをしなくても形になるんじゃない!?」
「いいなそれ。俺も焼肉と寿司のディベートで魅力に気づいた身だから、一定の効果はあると思う」
意見が出るたび、ホワイトボードの余白が少しずつ埋まっていく。思いついた案を消しては書き直し、別の案と組み合わせていくうちに、議論はいつの間にか本格的なものになっていた。
一時間に及ぶ議論の末、最初の論題は『おにぎりののりは、パリパリかしっとりか』に決定した。
「紆余曲折あったけどいいんじゃない? 全員が想像できるテーマだし。これを限界まで詰めよう。真剣であればあるほど面白くなるからね」
怜太とくるみも同意する。
身近で誰もがイメージできる題材だからこそ、議論の組み立て方次第で、ただの好みの話を本格的なディベートへと変貌させることができる。
足を運んでくれた観客に、その面白さに気付いてもらうことが目標だ。
「もう一個提案なんだけど。お客さんとディベートしてもらう役は、くるみちゃんにお願いしたいの」
穏やかだったくるみの表情が凍り付いた。
「え、えぇ!? ど、どうしてですか……?」
「くるみちゃんは人見知りだよね」
くるみは激しくうなずく。
「私たちが卒業したら、新しい部員とやっていかなきゃいけない。だからこそ、この試練を乗り越えてほしいの」
嫌がらせでも、無理に苦手なことを押しつけようとしているわけでもない。千家が考えたのは、卒業後のことまで含めた、くるみのための提案だった。
怜太は、そこまで先を見ている千家の視野の広さに感心する。
「で、でも……」
「大丈夫。最初に俺と部室で会ったときを思い出せ。二人きりだったのにちゃんと喋れてただろ」
実際のところ、「ちゃんと」というには少したどたどしかった。それでも怜太は、あえて表現を盛った。
くるみはしばらく迷うように視線を落としていたが、やがて顔を上げた。
「やります……上手くできないかもしれないけど、頑張ってみます」
「偉いぞくるみちゃん!」
千家が拍手を送る。
「進行は私がやるから。ちゃんとサポートもするから安心して」
その言葉にくるみの表情からわずかに強張りが抜けた。
一つ目の論題は決定した。
客席の心を掴んだ後に披露する、二つ目の論題決めに取りかかる。
「二つ目なんだけどさ。私と怜太君のタイマンをやろうと思うの」
「俺と千家で……?」
「くるみちゃんも参加すると負担が増えるでしょ。かっちりした論題に、一般の人を参加させるのも難しい。ってなると、必然的にそうなるんだよね」
それまで穏やかだった空気が変わり、ディベート甲子園さながらの緊張感が漂う。
「やろうよ。怜太君」
千家は挑発するような笑みを浮かべた。
怜太も、ふっと笑う。
「部長が負けてもいいのか? 面目丸潰れだぞ」
二人の視線がぶつかった。
インターハイ予選を見終えてから、怜太の中にあった熱は、少しずつ落ち着きを取り戻していた。けれど今、千家の言葉が、その奥に残っていた火種を刺激した。
燃え尽きかけていた怜太の闘志に、再び火が付いた。
「論題は何でもいいぞ。正面から受けて立ってやる」
「すごい自信だねえ、そういうの嫌いじゃないよ」
二人はいくつか論題を出し合った。
ただ笑いを取ることだけを目的にするのではなく、文化祭という場にふさわしい内容で、かといって話が重くなりすぎないもの。いくつかそれらしい候補は出たが、これだという一本にはなかなか絞り込めなかった。
「意外と難しいね」
千家は熱くなった頭を冷ますように窓辺へ立った。開け放たれた窓から吹き込む風が、火照った頬を撫でていく。
「ディベート以外にクラスの出店もあるしな。千家は夏期講習だし、夏休みが開けたら体育祭って考えると、案外調べる時間もないんだよな」
「む、無理に決めようとしないでいいんじゃないですか? いい案が出たらその都度連絡することにしましょう」
「うん、そうしよっか」
結局、その日はそれ以上候補を絞り込まず、そこで解散することになった。
勝ち進む高校がある一方で、コートを去る高校もある。そこには、これまで積み重ねてきた練習の日々があり、最後の試合にすべてをぶつけた選手たちの姿があった。
流れた涙の数はいざ知れず、たくさんの高校生たちが、それぞれに培ってきたものをコートへ持ち込み、そして敗れていく。
そうして一つ、また一つと試合が終わっていった。
部活に青春を捧げた高校三年生たちの夏は、本格的な夏の訪れよりも早く終わりを迎えた。
夏休みの過ごし方は人それぞれだ。惰眠を貪る者もいれば、部活に顔を出す者もいる。受験に向けて、自らを追い込むように勉強へ打ち込む者もいた。
怜太は、そのどれとも少し違う夏休みを過ごしていた。毎日のように図書準備室へ通い、机に向かっている。
表向きは部活動ということになっているが、実際には一日中ディベートに取り組んでいるわけではない。本を読むだけで終わる日があったり、夏休みの課題を片付けるだけの日もある。部室であるはずの図書準備室は、さながら自習室のようだった。
開け放たれた窓から夏の風が吹き込み、カーテンがゆっくりと揺れている。強い日差しが差し込む窓際とは違い、図書準備室の中は風が抜けるぶん、いくらか過ごしやすかった。
怜太の隣では、くるみが机に向かっている。
「千穂先輩はお休みですか?」
「夏期講習に行ってるはず」
「へぇー進学するんですね」
「千家はああ見えて頭が良いからな」
「わ、わたしは最初から勉強ができるって思ってましたよ」
「意外って顔したの、見逃さなかったぞ」
くるみの表情が固まった。しまった、と顔に書いてあるようだった。
「大宮先輩は進路どうするんですか?」
「進路ねえ……」
怜太は椅子の背もたれに体を預け、天井を見上げた。
左足の補助具が外れたのは、一週間前のことだった。今のところ神経障害もなく、予後は良好だ。長いあいだ行動を制限していた左足も、ようやく自由に動かせるようになった。
だからこそ、選択肢は多かった。
これまでは進路調査のたびに、まだ決めていないと曖昧に答えてのらりくらりとかわしてきた。しかし、高校生活も残りわずかとなった今、いつまでも先送りにはできない。
「決まってないんですね」
怜太は素直にうなずいた。
「別に……いいんじゃないですか? 悩んだ結果が失敗でも、少子化の時代ですから引く手あまたですよ」
「それもそうだな。大企業目指してるわけじゃないし。ありがとなくるみ、ちょっと楽になった」
「ど、どういたしまして」
くるみは顔を赤くしながら答えた。
思いがけず肩の力が抜けた怜太は、そこで話題を切り替えた。
「文化祭、どうするか考えるか」
「いいんですか? 先に体育祭が控えてるのに」
くるみが窓の外へ視線を向ける。
中庭では、三年生たちが体育祭に向けて準備を進めていた。スマホを見ながらダンスの振り付けを確認する生徒がいる一方で、そのすぐそばでは衣装の制作に励む生徒たちの姿も見える。
「俺たちが行っても困らせるだけだろ。完成した衣装を着て、完成したダンスを踊る。これでいいんだよ」
くるみは窓の外をもう一度眺め、それから納得したようにうなずいた。
そんな二人のところへ、千家がやってきた。
「こんちは! うわあ、ここ風の通り道で涼しいね」
「あれ、夏期講習は?」
「明日からだよ。だから今日のうちに色々決めたかったの。よかったーくるみちゃんもいる」
くるみが会釈を返す。
千家はコンビニの袋を机の上に置き、中からアイスを取り出した。
「買ってきたから食べよ。味はキウイとパッションフルーツときなこ。もちろんおごりだよ」
「変化球ばっかりだな」
「人の敷いたレールの上を走っても面白くないでしょ」
「千穂先輩はバニラやチョコをそういう風に捉えているんですね」
ホワイトボードには、『文化祭ディベート論題』と書かれている。その下にはこれまでに出された案が箇条書きで並んでいた。
最後の一口を咀嚼しながら、千家は空になったアイスの容器が置いた。
「これがいい! っていう案がある人ー」
「今年のディベート甲子園の論題はどうですか? あれなら事前に練習もしたので」
くるみの提案を受け、千家はホワイトボードに『日本は富裕税を導入すべきである。是か非か』と書いた。
「相手はどうするんだ? 他校のディベート部に声かけるのは色々とハードルがありそうだけど」
怜太の言う通りで、文化祭で他校の生徒を呼んで対戦してもらうとなれば、準備の段階からいくつもの問題が出てくる。三人で実現できる形を考えなければならない。
「私の考えなんだけど」
千家はそう言って切り出した。
「文化祭はその名の通り、お祭りだからね。もっと肩の力を抜いてもいいと思うんだ。例えば、最初にやった焼肉とお寿司みたいな。楽しそうが入部に繋がれば万々歳でしょ」
千家が意識しているのは、文化祭当日の盛り上がりだけではなかった。
二人が卒業した後も続いていくディベート部のことを考えれば、新しい部員を迎えることは大きな課題になる。
特に、他者と打ち解けるまでに時間がかかるくるみが、自分から積極的に勧誘するのは簡単ではない。
だからこそ文化祭そのものをディベート部の魅力を知ってもらう機会にして、少しでも部員獲得につなげようとしていた。
「二回やるのはどうだ? 一つ目は楽しい論題で、二つ目はちょっと硬めにすれば」
「おおーギャップ萌えってやつだね」
「萌えの要素はないけど、言いたいことはそんな感じだ」
「いっそのこと参加型にするのはどう? 楽しい論題の方なら事前に調べものをしなくても形になるんじゃない!?」
「いいなそれ。俺も焼肉と寿司のディベートで魅力に気づいた身だから、一定の効果はあると思う」
意見が出るたび、ホワイトボードの余白が少しずつ埋まっていく。思いついた案を消しては書き直し、別の案と組み合わせていくうちに、議論はいつの間にか本格的なものになっていた。
一時間に及ぶ議論の末、最初の論題は『おにぎりののりは、パリパリかしっとりか』に決定した。
「紆余曲折あったけどいいんじゃない? 全員が想像できるテーマだし。これを限界まで詰めよう。真剣であればあるほど面白くなるからね」
怜太とくるみも同意する。
身近で誰もがイメージできる題材だからこそ、議論の組み立て方次第で、ただの好みの話を本格的なディベートへと変貌させることができる。
足を運んでくれた観客に、その面白さに気付いてもらうことが目標だ。
「もう一個提案なんだけど。お客さんとディベートしてもらう役は、くるみちゃんにお願いしたいの」
穏やかだったくるみの表情が凍り付いた。
「え、えぇ!? ど、どうしてですか……?」
「くるみちゃんは人見知りだよね」
くるみは激しくうなずく。
「私たちが卒業したら、新しい部員とやっていかなきゃいけない。だからこそ、この試練を乗り越えてほしいの」
嫌がらせでも、無理に苦手なことを押しつけようとしているわけでもない。千家が考えたのは、卒業後のことまで含めた、くるみのための提案だった。
怜太は、そこまで先を見ている千家の視野の広さに感心する。
「で、でも……」
「大丈夫。最初に俺と部室で会ったときを思い出せ。二人きりだったのにちゃんと喋れてただろ」
実際のところ、「ちゃんと」というには少したどたどしかった。それでも怜太は、あえて表現を盛った。
くるみはしばらく迷うように視線を落としていたが、やがて顔を上げた。
「やります……上手くできないかもしれないけど、頑張ってみます」
「偉いぞくるみちゃん!」
千家が拍手を送る。
「進行は私がやるから。ちゃんとサポートもするから安心して」
その言葉にくるみの表情からわずかに強張りが抜けた。
一つ目の論題は決定した。
客席の心を掴んだ後に披露する、二つ目の論題決めに取りかかる。
「二つ目なんだけどさ。私と怜太君のタイマンをやろうと思うの」
「俺と千家で……?」
「くるみちゃんも参加すると負担が増えるでしょ。かっちりした論題に、一般の人を参加させるのも難しい。ってなると、必然的にそうなるんだよね」
それまで穏やかだった空気が変わり、ディベート甲子園さながらの緊張感が漂う。
「やろうよ。怜太君」
千家は挑発するような笑みを浮かべた。
怜太も、ふっと笑う。
「部長が負けてもいいのか? 面目丸潰れだぞ」
二人の視線がぶつかった。
インターハイ予選を見終えてから、怜太の中にあった熱は、少しずつ落ち着きを取り戻していた。けれど今、千家の言葉が、その奥に残っていた火種を刺激した。
燃え尽きかけていた怜太の闘志に、再び火が付いた。
「論題は何でもいいぞ。正面から受けて立ってやる」
「すごい自信だねえ、そういうの嫌いじゃないよ」
二人はいくつか論題を出し合った。
ただ笑いを取ることだけを目的にするのではなく、文化祭という場にふさわしい内容で、かといって話が重くなりすぎないもの。いくつかそれらしい候補は出たが、これだという一本にはなかなか絞り込めなかった。
「意外と難しいね」
千家は熱くなった頭を冷ますように窓辺へ立った。開け放たれた窓から吹き込む風が、火照った頬を撫でていく。
「ディベート以外にクラスの出店もあるしな。千家は夏期講習だし、夏休みが開けたら体育祭って考えると、案外調べる時間もないんだよな」
「む、無理に決めようとしないでいいんじゃないですか? いい案が出たらその都度連絡することにしましょう」
「うん、そうしよっか」
結局、その日はそれ以上候補を絞り込まず、そこで解散することになった。
