見えない方程式



愛音にひどいことを言った自覚はある。

でも、謝る気は一切ない。

そんな気持ちを抱えたまま、心音は早起きをした。

食欲がなかったので冷蔵庫の中にあったヨーグルトだけ食べ、手早く学校の準備をする。

愛音の部屋から目覚まし時計が鳴ったと同時に、心音は家から出た。

スマホを確認しなくとも、まだ校門は空いていない時間と分かる。

だからわざと、遠回りを繰り返して学校を目指す。

いつもより少し早い時間に校門をくぐる。

少し前から主張してくる腹痛も、今の心音にとっては鬱陶しい痛みでしかなかった。