春風の声


「うぃーす。オカン元気だった?」
「オカン引きこもってたっしょ。真っ白すぎてすぐわかるわ」
「みんなはめちゃくちゃ焼けたね...」

久しぶりに見るクラスメイトたち。運動部だらけのグループなので、夏の間にみんな真っ黒になっていた。

「あれ?でもバスケ部とバレー部...」
「あのね、球で遊んでるだけじゃなくて、外を走らされるのよ」
「俺は海で焼いた。黒いほうがかっこいいじゃん」

「そういえば俺、祭りでオカンと藤崎見かけたよ。オカーン!って叫んだけど、人混みすぎてガン無視されたわ」
「えっ、ごめん全く気づかなかった」
「オカン小さすぎて埋もれてたけど、藤崎がデカいからすぐわかった」
「え〜一緒に祭り行くとかめっちゃ仲良しじゃん。なんか嫉妬〜」

一瞬ドキッとしたが、どさくさに紛れて手を繋いでいたことはバレていないようだとホッとする。
浮かれて何も考えていなかったが、春誠との関係はどう扱えばいいんだろうか。

夏休みが明けたことで、リアルな問題が浮かび上がる。今まで通り友達のフリをして過ごすのか、隠さずに堂々とするのか...

俺はどうだろう。ふと想像して、もし周りにバレたとしても意外と平気かもしれないと考える。
だけど、今は浮かれているからそう思うのか、本心でそう思っているのか、まだ自分でもよくわからない。

春誠はどう思っているんだろうか。