パタパタほんわか日常

 ――バサッ!!チクッ!!重っ!?痛っ!?
「むっ…。このわたしの眠りを妨げるとは…」
 荒れに荒れたベッドから飛び起きる。眠たい目を擦りながら部屋を見回すと溜まった積読本と窓にいたはずのサボテンが目の前に転がっていた。一瞬で脳が覚醒する。
「ああぁ!?わたしの可愛いタンクちゃんっ!?昨日植え替えたばっかだよねぇ!?なんてこと…」
ベッドも服も土だらけだ。しかしそんなものは些細なことである。サボテンが傷んでないか、それだけが心配だった。
「う、大丈夫そう…。良かったよ。次からは気をつけるからね…」
無駄に頑丈なウチの子。わたしの家にいる種類はタンクブロメリアという少し変わった子だ。厳密に言えばサボテンではなくパイナップル科に分類されるのだが、めんどくさいので他のサボテンと同じように育てている。そしてわたしはこのタンクブロメリアこそ、いちばん大好きな植物だ。毎朝毎晩キスしている。…なんですか?変態じゃないですよ?
 しっかりした植え付けはまた後でやるとして、とりあえず適当に鉢に土と共に入れる。その次は雪崩のごとく降ってきた大量の本たちの片付けだ。
「あああぁぁ、ごめんね、本ちゃん…。痛いよねぇ…あ、ベッドの上に落ちたから痛くない?良かった良かった。傷もないね、よし」
本と会話しているわけではない。独り言だ。こんな姿、誰にも見られたくない。
 しかし本棚に入りきらないほどの本。処分することも売ることも考えただけでゾッとするため、増える一方だ。小学生の頃からずっと集めて読んでいるため、この部屋は図書館と言っても過言ではない。
 落ちてきた本を丁寧に積み直し(きちんと角を揃えて)、服に着いた土も払い、ようやく落ち着いた。
「はぁ…。もう眠気なんて吹っ飛んじゃったよ。仕方ないから起きるか」
タンクブロメリアと本を1冊抱え、リビングへ向かうべく立ち上がった。