自分を不幸だなんて思ったことはない。
ひとりの家、ひとりの食事。ひとりの朝もひとりの夜も、俺にとってはずっと『そういうもの』だった。
それが不幸だなんて思わないし、なにかを強く我慢しているとも思わない。
家ではひとりだったとしても、学校に行けば友だちもいるし。テレビとか動画とか見てれば楽しいし、べつにそれでいい。
ほどほどに楽しくて、ほどほどに面白く生きられればいい。
そんなふうに育ったから、父親が突然「再婚しようと思うんだが」と言ったときも反対する気にはならなかったし、その相手に自分と同い年の息子がいると聞いても驚かなかった。
いや、少しは驚いたけど。
同い年の兄弟かあ、ってさ。
でも、再婚同士なら当然そういうことがあってもおかしくないわけで。それが同い年の男だというのも単に確率の問題で。
そう、確率の問題だ。
なんだけれど。……これはさすがに聞いてません。
兄弟になるのが、一緒に住むのが、いままで話したこともないクラスメイトだなんて!
