侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜



「私とフィリップもそうだが、そろそろフィンも婚約者探しを始めないとな」

「いや、俺、結婚する気ないんだけど」

「そんなことも言ってられないだろう。一人暮らしするとなれば、保留になっていた爵位の話が再浮上するだろうし」

「……そういえば、そんなことアレク叔父さんが言ってたな。その話、エミール兄さんも知ってたんだ?俺、最近アレク叔父さんに聞いて知ったばっかりなんだけど」

「なぜ本人が知らなかったかの方が私は不思議だが?」

「アレク叔父さん曰く、俺がまだ子供だったからじゃないかって言ってた」

「なるほど。フィンの前世のこともあるから、私の結婚相手は慎重に選ぶようにと父上から言われていた」

「えぇー……俺は大丈夫だから、いいと思った人と結婚してよ」

「まぁ、家同士の繋がりだからな」

こんな事で足枷にはなりたくないんだけどなぁ……。

「いっその事、俺が前世の記憶がある事を公表するとか?そうすれば、もう少し広く婚約者探し出来るんじゃない?」

「だが、そうなれば今のように自由にできなくなる可能性が高くなるぞ?」

「それは嫌だね」

「だろ?だから、フィンが気にすることじゃない」

「……もしかして、すでに気になってる人がいるんじゃない?」

「…………」

「やっぱり!俺のことがあっても、スムーズに婚姻関係を結べる家ってこと?……誰だろ?」

……全然見当がつかない。

「まぁ、まだ相手にも伝えていないし、どうなるか分からないがな」

「そうなんだ」

彼女の一人や二人、出来ないのかと思ってたけど、まさか想ってる人がいたとは。意外すぎる。

「……ん?想ってる人がいるのに演習に参加するの?」

「だから言っただろ、伝えてないと」

「え、そんな悠長にしてていいの?その間にも、その人に別の婚姻話が絶対出てると思うけど」

「いくつか話はあったらしいが、全て断っているみたいだ。想ってる人がいる……と」

「え、エミール兄さん、伝える前から失恋してるじゃん……」

「…………」

いや、想ってる相手がエミール兄さんの可能性もあったりするのか……?

「まぁ、とりあえず伝えないことには分からないね。頑張って」

……それにしても食べすぎたな。
話しながら食べてると、いつもより食べる量が増えてる気がする。夜会前にダイエットしてたけど、すでに元通りだもんなぁ。

……筋トレでも始めるか?あっ。そういえば体重計が出来そうだなって思ったけど、作ってみてもいいかもな。


そんなことを考えながら食事を終え、部屋へ戻った。

部屋に戻り、ソファに腰を下ろした。

洗濯機でも重さを測れるようにしたいから、やっぱり体重計を先に作ってみるのはいい案だよな。作るなら……まずはどうやって重さを測るかだけど。
前世の体重計は、乗れば勝手に数字が表示されてたし。
……あれ、どういう仕組みだったっけ?
体重を測るための仕組みなんて、考えたこともなかったな。
魔導具化するなら、魔力を使って体積を測る……とか? いや、体積を測ったところで重さと関係ないな……。
そもそも、重さを数値として表示する必要もあるし。

……数字を表示する仕組みか。

「うーん……」

数字を表示するなら、文字盤みたいなものを作って……いや、体重によって動く仕組みが必要か。
それなら針を動かす?
……いや、そもそも針を動かすためには、測った重さを何かしらの動きに変換しないといけない。
うーん。思っていたより面倒だな。
前世では乗っただけで表示されてたから簡単そうに思えたけど、作る側になると全然違う。
……魔導具なんだから、もっと簡単にできる方法があるはずなんだけどな。

……数字表示自体をやめるとか?
大まかな目安だけにすれば、作るのは簡単そうだけど。
五段階くらいに分けて表示するのはどうだろう。……いや、微妙だな。人によって身長や筋肉量も違うから……あっ、でも洗濯物なら、入れた物の重さが分かればいいだけだから……五段階表示も悪くないな。

ひとまず、重さに応じて針を動かす……魔導回路を……いや、無属性を組み込むだけでいいのか?
無属性の起動・停止を利用して、針の動きも制御出来そうな気がするけど……。

ダメだな。考えがまとまらない。
今日はもう風呂に入ってささっと寝よう……。