侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜



……眩しい。

……カーテン閉めずに寝てた。

……。

起きようかな……。もう少ししたら、みんなも起きてくるだろうし。


昨日は結局あの後、二回、大富豪をして寝室へ戻った。
多少、頭を使ってたからなのか、すぐに寝れたのは良かったけど、夢の中まで大富豪をしてた。

……だからか、余計に疲れた気がする。……多分気のせいだけど。


……今日は遠乗りか。

あ。

俺だけ馬車で行くのもありだな。

そうなると、清涼《ブリーズ》がいるな。……馬車で使うなら、少し威力を落としたいんだよなぁ。

……今からは――


コンコン

「フィン様。皆様がお見えになりました」

「……どうぞ」


「おはよう、フィン!」

「おはよう。 眠そうだね」

「おはよう。ちゃんと起きていたか」

……。

「おはよう。 さっそく試そうか」

俺たちは部屋の奥にある洗面台の前へ移動した。

「こっちはこの前試したやつだけど、基本的には洗浄機能を追加しただけだから、今日は、こっちの髭剃り型魔導具を試そうと思ってる」

「なんか、すごい形だな」

分かる。
俺も前世で初めて見た時、なんかすごいなって思った。

……魔導具に再現するの大変だったし。

「こっちの新しい方が、比較的、肌に負担がかかりにくいと思うんだよね。 だから、肌が弱めな人や女性や子供が使うなら、こっちがおすすめだね」

「なるほど」

「じゃあ、俺から試す」

……。

……うん。

使い心地はいいな。
ヘッド部分の可動域も問題なさそうだし。

……ただ、ちょっと音が気になるか。
いや、まぁ、これくらいなら前世の時よりましか。

……よし。
こんなもんだろう。

「剃り残しもなくいい感じかな。 あとは、このスイッチを押すと――」

「おぉ! 綺麗になった!」

「……やっぱり洗浄機能がある方が良さそうだね」

「なるほど。髭剃り型魔導具とは便利なものなのだな」

「よし、次は俺が使う! ……!なんか面白いなこれ。初めての感覚というか……おぉ! 意外と使いやすい!」

ガレスが試し終え、洗浄機能を起動させ、次は――

「次は私――」

「私が先に試そう。ウィルは最後だ」

「……分かった」

……。

「……! 不思議な感覚だな。引っかかるようなこともないから、痛くない。 それに意外と持ちやすいんだな」

「持ち手も少し太く変えたんだ。男性向けには、そのサイズで、女性や子供向けには少し細めにした」

「そういったことも考えられているのか……なるほど」

マティアスが剃り終え、洗浄機能を起動させてから、ウィルに渡した。

「おぉ……前回のより、私はこっちの方が好きだね。 これ、刃……?の部分がそれぞれ動くのか……」

「うん。その方が、顔に沿いやすいと思って」

「そうだね。輪郭辺りが、前回のものより剃りやすい気がする。……よし。 フィン、これは早めに販売して欲しい魔導具だよ」

「俺もそう思う!」

「そうだな。これなら朝の忙しい時に侍従に頼まなくて済むのもいい」

とりあえず大丈夫そうかな。

「……あ。重さとかどう? 持ち手部分を少し太くしたのと、ヘッド部分もちょっと大きくなっちゃったんだよね」

本当はもう少しコンパクトにできたら良かったんだけど、これ以上部品を細かくするのは難しかったし……。

「確かに前回のより、少し重くなったような気もするけど、そんなに気にならないかな。 それに多少重さがあった方が、安定するんじゃない?」

「……まぁ。 三つの刃を回転させるために、ちょっとね」

今後、もっとコンパクトにしていく場合、商品化するなら職人が大変だろうなぁ。

あ。

小物を扱う職人なら――


「そろそろ、食堂行こうぜ。お腹すいたし、遠乗りに行く準備もしたいし」

「そうだね。 フィン、髭剃り型魔導具の試しはここまででいいかい?」

「あぁ。 俺もお腹すいたし、朝食にしよう」


食堂へ向かうと、すでに朝食が用意されていた。

遠乗りに行くからか、いつもより少し量が多い気がする。

「今日はいっぱい動くんだし、ちゃんと食べておかないとな!」

「そうだね」

「運動する時に鶏肉を摂るといいと聞いたことがあるが、だから、鶏肉を出してくれたのだろうか?」

「多分そういったことも考えてくれてると思う。……あ。 俺、馬車で行こうと思ってるんだけど――」

「却下だ!」