侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜



「そういえば、今度大規模なお茶会が開かれるらしいけど、フィンも参加するだろ?俺も行ってこいって言われたから行くんだけど……まだ全然興味ないんだよなぁ……」

「……お茶会?初耳だけど」

「えっ? 王太子殿下の婚約者が決まったとかで、次はウィルの番だろ?だからお茶会をして、候補者を決めるって話だけど……知らないのか?」

「……王太子殿下の婚約者が決まったのも、今初めて知った。……それで何で俺もお茶会に参加しないといけないんだ?ウィルフリード殿下だけでいいんじゃないの?」

「まぁ言いたいことは分かるが……結婚や出産を同じくらいに合わせる目的だろうな」

……あぁ。
王族と同世代の子供を周りにも揃えて、俺たちみたいな関係を作っておきたいってことか。

「そもそも俺、結婚する気ないんだけど。だったら不参加だな」

「いやぁ、それは無理だろ。主催者が王妃様だぞ」

「……その日は熱が出るから、参加は難しそうだ」

「子供みたいな言い訳だな」

ガレスに笑われた。

「まぁ、俺も行くんだしフィンも来いよ。どうせ令嬢たちの目的はウィルなんだから、俺たちは美味い物でも食べてようぜ」

「……美味い物があるなら、行ってもいいか」

今日のような豪華な料理ではなく、軽食が中心になるだろうが、王妃様主催のお茶会なら、美味しいものが出てくるだろう。
それにしても、お茶会の話を聞いていなかったのは、母さんの仕業だろうな。 事前に言えば俺が行かないと言うのを見越して、逃げられないぎりぎりになってから伝えるつもりだったんだろう。

……母さんなら、やりかねない。

「そのお茶会っていつやるんだ?」

「三週間後だったと思う。この後ほとんどの貴族が避暑に行くだろ?それが終わって、みんなが帰ってきたタイミングで開かれるみたいだ」

「なるほど」

「フィンも避暑地に行くんだろう?俺は行くか迷ってるけど」

「何で迷ってるんだ?俺は清涼機《ブリーズ》があるから、わざわざ避暑地に行く予定はないけど」

「……フィンらしいな。 俺の場合は、避暑に行ったところで、領地経営の勉強漬けにされるだけだからな。それを尻目に両親は楽しむんだ。どんな拷問だよ……」

「あぁ……それは……頑張れ」

「他人事だと思って!」

「……じゃあ、王都に残って、俺の屋敷にでも来るか? ……いや、やっぱり今のは無しだ」

「なんだそれ?! 一瞬『良い奴だ!』って思っちまったじゃねぇか!」

「……まぁ、一日くらいなら……」

「少ねぇな!」

え、一日くらいがちょうどいいかと思ったんだけど……。じゃあ、二日か?

「あ、二人ともここにいたのか」

少し踊り疲れた様子のウィルフリード殿下がやって来た。

「あぁ、休憩がてら食事をな。この肉美味いぞ。ウィルもどうだ?」

「そうだな。私も少しもらおうか。 ……おぉ。美味いな。ホワイトブルか? 久しぶりに食べた」

王子でもホワイトブルはたまにしか食べないのか。

「あ、ウィル聞いてくれよ。フィンが避暑の期間、屋敷に来るかって誘ってくれたんだ」

「え?!フィンが?!」

「……誘ってくれたんだが、一日くらいならだとよ」

「なんだそれは。避暑の期間ならば最低でも一週間くらいだと思うぞ」

「だよな!」

……一週間も、もてなすのは気苦労が……。
一人の時間を各々楽しめるなら、別にいいけど……。

「フィンのことだ。魔導具作りに没頭したいんだろう。 なら、私も避暑の期間はフィンの屋敷にお邪魔しようかな」

「……え?」

「フィンが作業部屋にこもってる間は、私とガレスでのんびりすればいいだろ?」

「それいいな! だが、忙しいんだろ?ゆっくり出来るのか?」

「あぁ。数日は私も休暇を取る予定だったんだ」

「なら、決まりだな!」

……俺の意見は無しなんだな。