侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜



……それよりも、食事処の近くに屋敷……。
食事処の2階に私室になる予定の部屋があるのに……?

こんなに早く、こんな話が来るとはさすがに思ってなかったんだが……。早くても一年後……エミール兄さんが結婚する頃だと思ってた。

そもそも、俺、まだローゼン家から出る予定ないんだけど……?さっさと屋敷を出て、爵位を……って話に持っていかれる流れか?

えー……。
めんどくさい……。

よし。一旦考えるのを放棄しよう。

とりあえず、食事処で使う魔導具でも作り始めようかな。簡単そうなものから取り掛かりたいけど……あっ、ホットプレート……は、食事処では使わないか?
でも焼肉食べたいよな……。ホットプレートの魔導具化からやってみるか。

艶髪《グロウ》で使った素材ってなんだっけ……えーっと……。
プレート部分が魔導陶板で、持ち手には絶熱樹脂を使ったんだよな。これはホットプレートでも使えそうだ。
本体の外装をどうするか……。熱に強いのはもちろんだけど、外側は触れても火傷しないようにしたいし。

耐熱鋼か魔導鋼あたりが使えるかな。どっちの素材も手頃で使いやすいんだよなぁ。
まぁ、外装は属性を組み込む必要がないだろうから、魔力の通りをそんなに気にしなくていいだろうし……耐熱鋼にしよう。

そういえば、ホットプレートって外装とプレートの間は空いてた気がするけど……それでホットプレートの熱が外装に伝わりにくくなってたのかな?
それなら、空間と断熱層を作ったら、耐熱鋼に伝わる熱ももう少し下げられるかな?

……断熱層の素材が一番大事ってことか。
遮熱晶だったら、薄い板に加工しやすいな。でも焼肉をするためのホットプレートに遮熱晶を使うのは、ちょっともったいない……。

んー……。

あっ、軽石灰が使えそう。
これなら遮熱晶より安い。ただ、ちょっと加工しづらいんだよなぁ。この細かな空洞のせいで……。
魔力を纏わせる時は、ちょっと慎重に扱おう。

これで、素材は揃ったか。

まずは……外装からだな。
どのくらいのサイズで作るか……。
屋敷の食堂で使うなら、父さんと母さんで一台、俺とティアナで一台って感じがいいよな。
兄さんたちの分は……まぁ、いいか。いつ帰ってくるか分からないし。

幅三、四十センチもあれば十分かな?
……食堂のテーブル広いから、四十センチの方が焼きやすいか。それなら奥行きを三十センチにすれば十分だな。
デカすぎる気もするけど、急に兄さんたちが帰ってきたら、最悪一緒に使えるしな。

……耐熱鋼に魔力を纏わせ、形成していく。
ちょっと深めになりすぎたか?……もう少し浅く……よし。これくらいかな。
厚みが少し出てるけど、これくらいあった方が丈夫か。

次は軽石灰の加工だ。
細かな空洞にも満遍なく魔力を纏わせる。空洞を潰さないように気をつけながら、板状になるようにゆっくり形成していく。

軽石灰は空洞を維持しないと、せっかくの断熱性が弱くなる。

……はぁ。できた。

板一枚に対して、こんなに集中力を持っていかれるとなると……。しんどいな。

で、あと何枚必要なんだ……。
とりあえず集中してさっさと断熱層を終わらせよう。

…………。

……終わったー!もう嫌だ!当分は軽石灰は使わない!

はぁ……。これ、二台分の断熱層をまとめて作ってなかったら、やる気出なくてホットプレートの魔導具化は、一台であきらめてただろうな……。

……疲れたから一旦休憩するか。
どのお茶にしよう……。やっぱり作業中の休憩はいつものお茶がいいか。
……美味い。
あっ、焼き菓子がない。……まぁ、いいか。もう少しで食事の時間になりそうだし。

それにしても疲れたぁー……。
久しぶりにあんなに集中した気がする……。
そういえば、じぃちゃんは軽石灰とか、扱いづらい素材を嬉々として加工してたけど……やっぱりあの人は化け物だな。うん。