侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜



夕食の時間になり、食堂へ移動した。

「あっ、母さん。騎士団と魔導師団の合同演習に、ティアナの保護者として俺が行くことになってたんだけど、友人たちと一緒に行きたいから、俺いらないみたい。だから別行動でもいいかな?」

「いいわけないでしょ」

「いや、別行動っていうか、行きと帰りは一緒で、向こうに着いたら目の届く範囲にいるってこと!」

「目ではなく手の届く範囲にいなさい」

「それだと恋路の邪魔を――」

「フィン兄様!余計なことは言わなくていいのよ!」

「ティアナ。友人というのは嘘で、気になる方と一緒に行きたいということ?」

「違います!セレスティア様やアリシア様、他にもクラスの友人と一緒に行こうって話が出てるだけです。……男性の友人も一緒ですが、私は気になる方とかいませんから!」

「ティアナに恋愛はまだ早い!!」

「お父様、違いますから!私じゃなくて――」

「フィン!絶対ティアナから離れないように!」

「いや、父さん。俺も向こうでガレスたちと合流する予定なんだけど……」

「彼らにも、ティアナと一緒にいてもらえるのなら安心だ!」

「…………」

「彼らはティアナとも幼なじみのようなものだしな!」

……父さんはガレスたちのさっぱした性格が気に入ってるみたいで、昔からみんなのことが好きだよなぁ……。
それにしてもティアナに対して過保護すぎないか?……まぁ一人娘だし、末っ子だからしょうがないのかもしれないけど。

……というか、手の届く範囲はさすがに俺も気まずいんだけど。

「お父様、本当に違うんですからね!」

「分かっている。だが、何かあってからでは遅いからな」

「だから、何もありませんってば……」

「父さん、ティアナも友人たちと一緒に行きたいだけなんだから、そこまで心配しなくてもいいんじゃない?」

「フィン、お前は甘い。ティアナはイレーネに似て、こんなに可愛くて、いい子なんだぞ?周りが放っておくわけがないだろう?それなのにフィンは――」

いや、なんで俺まで怒られてるんだ?途中、惚気も入ってたし……。

「そもそも、フィンがしっかり見ていれば問題ないだろう?」

「……というか、手の届く範囲はさすがに俺も気まずいんだけど。俺もティアナも友人が一緒なんだよ?」

「だが――」

「あなた、そろそろ落ち着いて?」

「……そうだな。フィン、当日はなるべく近くにいなさい。ティアナ、周りに気をつけるんだぞ?」

「……はい」

「分かってるわ」

「はぁ……騎士団長でなければ、私がティアナのそばで守ってあげられたのに」

……何言ってんだ、父さん。あっ、めちゃくちゃ酒飲んでる……。酔っ払いの戯言か……。


賑やかな夕食だったなぁ……。

夕食を終え、作業部屋に戻ってきた。
さっき配合して飲んだお茶も美味しかったけど、次は配合を変えて飲んでみようかな。
もう少し香ばしさがあっても美味しいと思ったんだよなぁ。

…………。

……うん、美味い!こっちもいいな!
今まで配合とか考えたことなかったけど、他の茶葉でも試してみるの楽しそうだな。
酸味のあるお茶とか苦味が強いお茶があるけど、他の茶葉と配合したら、飲みやすくなったりするんだろうか?

そういえば前世でも紅茶のブレンドってあった気がする。……なんだっけ?いろんな産地とか種類の茶葉を混ぜて、香りやコクとか味のバランスを……みたいな感じだったような?

紅茶だけじゃなくて緑茶とかほうじ茶のブレンドもあったはず。ほうじ茶好きだったけど、緑茶のブレンド飲んだことなかったな。この世界にほうじ茶とか緑茶ってないんだろうか?
あったらブレンドを試してみたいなぁ。

あっ、ハーブとかのブレンドもあったな。これに関しては苦手意識があったからほとんど飲んだことなかったけど……今なら飲めそうな気がする!

んー……また今度あの店に茶葉を見に行ってみようかなぁ。見た感じ、品揃えも良さそうだったし。

あっ、食事処で出すお茶のことも考えたいな!
食堂《オールド・ハース》みたいに、店のオリジナルをつくるのも良さそうだし。