「へ?」
「今、告白してくれたよね?」
めちゃくちゃ格好いい顔が、少し笑って僕を見つめて来る。
「は、ああ、あああああ」
パニックになると人は言葉がでてこないものだ。どうしたらいいか分からなくて、手を上げ下げする。
「これからよろしく」
「よろしくおねがいします」
思わずそう返しちゃったけど、これはどういう状況? 僕が固まって動けない間に、先輩が一歩こっちに歩を進めてきた。
「ひゃあっ」
僕はなんかどうしたらいいか分からなくなって、反射的に距離をとろうと、クッキーの入った紙袋ごと腕を前に突き出した。
「それ、なに?」
先輩が視線を向けてたのは、僕が手にしてた紙袋だ。
「こ、こ、これですかあ? クッキーです。あ、あの……、良かったらどうぞ」
(とりあえずクッキーを渡して、穏便に……、先輩の勘違いですよって言うしか……)
先輩は僕から袋を受け取るとさっそく開いて、中を覗き込む。それから長い指でクッキーを取り出した。先輩が手に持ったらクッキーがちょっと小ぶりに見えてる。
「あ、あの、先輩、アレルギーは? ございますでしょうか?」
「ないよ」
先輩は少し微笑んでから、形の良い歯で大きめのクッキーを一口齧った。残りもさくさくさくって、続けて口の中へ消えていく。
「甘い……、かぼちゃの味がする」
大塚君なら味の感想もそこそこに、とにかく質より量って感じに食べつくすんだけど、先
輩は幸せそうに眼を細めながら、一枚を味わうように食べてくれた。
「凄く美味しいね。優しい味がする」
控え目に漏らした感想に、僕はきゅーんっと感動していた。
「これ、パンプキンクッキーです! キビ糖の優しい甘さが決め手です。文化祭で売る、試食用で……」
「そうなんだ。すごく好みの味だよ」
また一枚、さくさくさく。静かに味わってくれてる。
(こんなに気にいってくれるなんて嬉しいな)
ほっこりしてしまいかけたけど、状況はおかしなまんまだ。
(これ、多分揶揄われているんだろうな……、さっきの告白は勿論スルーだきっと。早く部室戻ろ……)
「では、僕はこれで……。失礼します……」
先輩の横を通り抜けようとしたのに、ぐっと腕を掴まれた。
「ちょっと待って。スマホ出して」
「はああい?」
「連絡先教えてくれないと色々不便だろ。俺たち付き合ったんだから」
「え、えええ?」
(付き合った設定、生きてたみたい! どうしよう、本当にどうしよう)
この人ってどういう人なんだろ。僕は改めて先輩を観察してみた。
ちょっと猫系の大きな釣り目と高くて通った鼻筋、肌は白めで、髪も色素が薄目、顔立ちがはっきりしてて、何となく僕は大好きなユキヒョウを連想してしまった。
(こんな顔面のいい、圧倒的一軍先輩に僕如きが『先輩、あれ勘違いですよ』なんて言えるはずない。とりあえず部室に撤退しないと)
「あの、あの、僕。部室戻らないと行けなくて……」
腕は掴まれたまんまで、引っ張ってもびくともしない。先輩は力が鬼強い。
「わかった。じゃあ、俺がそっち行く」
(ついてきちゃったあああああ)
「今、告白してくれたよね?」
めちゃくちゃ格好いい顔が、少し笑って僕を見つめて来る。
「は、ああ、あああああ」
パニックになると人は言葉がでてこないものだ。どうしたらいいか分からなくて、手を上げ下げする。
「これからよろしく」
「よろしくおねがいします」
思わずそう返しちゃったけど、これはどういう状況? 僕が固まって動けない間に、先輩が一歩こっちに歩を進めてきた。
「ひゃあっ」
僕はなんかどうしたらいいか分からなくなって、反射的に距離をとろうと、クッキーの入った紙袋ごと腕を前に突き出した。
「それ、なに?」
先輩が視線を向けてたのは、僕が手にしてた紙袋だ。
「こ、こ、これですかあ? クッキーです。あ、あの……、良かったらどうぞ」
(とりあえずクッキーを渡して、穏便に……、先輩の勘違いですよって言うしか……)
先輩は僕から袋を受け取るとさっそく開いて、中を覗き込む。それから長い指でクッキーを取り出した。先輩が手に持ったらクッキーがちょっと小ぶりに見えてる。
「あ、あの、先輩、アレルギーは? ございますでしょうか?」
「ないよ」
先輩は少し微笑んでから、形の良い歯で大きめのクッキーを一口齧った。残りもさくさくさくって、続けて口の中へ消えていく。
「甘い……、かぼちゃの味がする」
大塚君なら味の感想もそこそこに、とにかく質より量って感じに食べつくすんだけど、先
輩は幸せそうに眼を細めながら、一枚を味わうように食べてくれた。
「凄く美味しいね。優しい味がする」
控え目に漏らした感想に、僕はきゅーんっと感動していた。
「これ、パンプキンクッキーです! キビ糖の優しい甘さが決め手です。文化祭で売る、試食用で……」
「そうなんだ。すごく好みの味だよ」
また一枚、さくさくさく。静かに味わってくれてる。
(こんなに気にいってくれるなんて嬉しいな)
ほっこりしてしまいかけたけど、状況はおかしなまんまだ。
(これ、多分揶揄われているんだろうな……、さっきの告白は勿論スルーだきっと。早く部室戻ろ……)
「では、僕はこれで……。失礼します……」
先輩の横を通り抜けようとしたのに、ぐっと腕を掴まれた。
「ちょっと待って。スマホ出して」
「はああい?」
「連絡先教えてくれないと色々不便だろ。俺たち付き合ったんだから」
「え、えええ?」
(付き合った設定、生きてたみたい! どうしよう、本当にどうしよう)
この人ってどういう人なんだろ。僕は改めて先輩を観察してみた。
ちょっと猫系の大きな釣り目と高くて通った鼻筋、肌は白めで、髪も色素が薄目、顔立ちがはっきりしてて、何となく僕は大好きなユキヒョウを連想してしまった。
(こんな顔面のいい、圧倒的一軍先輩に僕如きが『先輩、あれ勘違いですよ』なんて言えるはずない。とりあえず部室に撤退しないと)
「あの、あの、僕。部室戻らないと行けなくて……」
腕は掴まれたまんまで、引っ張ってもびくともしない。先輩は力が鬼強い。
「わかった。じゃあ、俺がそっち行く」
(ついてきちゃったあああああ)



