※※※
先輩が色々調べて沢山の候補をスマホに送って来てくれて、それで連れてきてくれたお店は、ホテルのレストランの和風ビュッフェだった。
僕が和食が好きって言ったから和食と和のスィーツで、若者向けのスィーツバイキングと違って照明も落ち着いていて、利用してる人の年齢層も高いからすごく静かだ。
先輩は今日も格好いい。姿勢が正しくて大人っぽい服装。カジュアルなジャケットも羽織ってて、服装と雰囲気だけ見たら大学生みたいに見える。
まあ、僕の格好はといえば……、ポロシャツにパンツ。普通です、普通。多分中学生には見えてないと、思います。
「澪って皿の盛り付けも綺麗によそうんだな」
「せっかく作ってもらった料理だもん。綺麗に美味しく食べたいから」
そういう先輩もすごく綺麗に盛り付けてる。こういう価値観が合うのは、なんか嬉しい。
「「いただきます」」
まずは食べることに夢中になっちゃうけど、先輩も静かに食事してる。喋らないといけない雰囲気とかじゃないから、凄く気持ちが楽だ。
たまに「これ美味しかったです」「次、それ僕も貰ってきます」とか言って喋るけど、先輩とは沈黙が苦にならない。そしたら先輩がぽつりと言った。
「澪といると、楽」
「そうですか! 僕も先輩といると楽です!」
即座に行ったら、先輩がちょっと苦笑した。
「……これ女子に言ったら多分、タイミングによっては地雷かも」
「え、そうなんですか?」
「楽ってことは気を使わなくていいってことで、もっと特別扱いして欲しいって思われることもあるから」
先輩が綺麗な眉毛をちょっと下げ気味にした。
「そっかー。僕は嬉しけどなあ。自分のペースで行動しても呼吸が楽な相手が一番な気がします。無理する関係は長く続きません」
「そうか……」
照明がちょっと暗くて、真昼間なはずなのに夜の気配がちょっとする。先輩の目は暗くてちょっと陰が落ちてて神秘的に見える。
(僕はこの人の静けさ好きだな)
じっと見つめてたら目が合った。
「じゃあ、俺にとって澪がそうなのかも」
イケメン、心臓に悪いよ。ドキドキする。
先輩と付き合ってるのはたまたまの誤解なのに、こんなの好かれてるのかなって勘違いしちゃいそうだ。
(訂正……。楽だけど、楽じゃない。こんなにドキドキするのはおかしいよ。そうだ、先輩に……、あれ勘違いなんですよって、言わないと)
そう思うのに、言い出せない。楽しい空気がふわって散ってなくなっちゃったらやだ。
なくしたくないな。下を向いたら、続けて、大塚君に無視されたまま先週が終わったのを思い出してしまった。
「澪」
「……」
ちょっと黙ってたら、先輩が僕の名前を呼んだ。顔を向けたら箸を置いて、こっちを見てる。
「どうした? いきなりデートなんてして、困ってる?」
先輩が色々調べて沢山の候補をスマホに送って来てくれて、それで連れてきてくれたお店は、ホテルのレストランの和風ビュッフェだった。
僕が和食が好きって言ったから和食と和のスィーツで、若者向けのスィーツバイキングと違って照明も落ち着いていて、利用してる人の年齢層も高いからすごく静かだ。
先輩は今日も格好いい。姿勢が正しくて大人っぽい服装。カジュアルなジャケットも羽織ってて、服装と雰囲気だけ見たら大学生みたいに見える。
まあ、僕の格好はといえば……、ポロシャツにパンツ。普通です、普通。多分中学生には見えてないと、思います。
「澪って皿の盛り付けも綺麗によそうんだな」
「せっかく作ってもらった料理だもん。綺麗に美味しく食べたいから」
そういう先輩もすごく綺麗に盛り付けてる。こういう価値観が合うのは、なんか嬉しい。
「「いただきます」」
まずは食べることに夢中になっちゃうけど、先輩も静かに食事してる。喋らないといけない雰囲気とかじゃないから、凄く気持ちが楽だ。
たまに「これ美味しかったです」「次、それ僕も貰ってきます」とか言って喋るけど、先輩とは沈黙が苦にならない。そしたら先輩がぽつりと言った。
「澪といると、楽」
「そうですか! 僕も先輩といると楽です!」
即座に行ったら、先輩がちょっと苦笑した。
「……これ女子に言ったら多分、タイミングによっては地雷かも」
「え、そうなんですか?」
「楽ってことは気を使わなくていいってことで、もっと特別扱いして欲しいって思われることもあるから」
先輩が綺麗な眉毛をちょっと下げ気味にした。
「そっかー。僕は嬉しけどなあ。自分のペースで行動しても呼吸が楽な相手が一番な気がします。無理する関係は長く続きません」
「そうか……」
照明がちょっと暗くて、真昼間なはずなのに夜の気配がちょっとする。先輩の目は暗くてちょっと陰が落ちてて神秘的に見える。
(僕はこの人の静けさ好きだな)
じっと見つめてたら目が合った。
「じゃあ、俺にとって澪がそうなのかも」
イケメン、心臓に悪いよ。ドキドキする。
先輩と付き合ってるのはたまたまの誤解なのに、こんなの好かれてるのかなって勘違いしちゃいそうだ。
(訂正……。楽だけど、楽じゃない。こんなにドキドキするのはおかしいよ。そうだ、先輩に……、あれ勘違いなんですよって、言わないと)
そう思うのに、言い出せない。楽しい空気がふわって散ってなくなっちゃったらやだ。
なくしたくないな。下を向いたら、続けて、大塚君に無視されたまま先週が終わったのを思い出してしまった。
「澪」
「……」
ちょっと黙ってたら、先輩が僕の名前を呼んだ。顔を向けたら箸を置いて、こっちを見てる。
「どうした? いきなりデートなんてして、困ってる?」



