俺が診察室のドアを閉めたと同時に中から歓喜の声があがった。
「無い! アザのあった形跡すら無くなっているわ! これで証明されたわよね。あなたも彼の治療を受けなさい! これは私からの命令よ!」
自らのアザが治った事実は娘に治療を受けさせるには十分な理由だった。
ナナリーも母のアザがなくなった事実は曲げようもなく『自分のコンプレックスだったアザが無くなるのならば』と思い始めていた。
「分かったわ。私、治療を受けます」
「そう! 良かった。絶対に後悔はしない結果になるわ!」
アーリーは娘の決定に喜び彼女を抱きしめた。
「ついでにあなたの男嫌いも治して貰いなさいよ」
「ママ、それは余計なお世話よ。私だって世の中の全ての男が嫌いって訳じゃあないわよ。私が嫌いなのは『胸ばかりをジロジロと見てくる気持ち悪い男』だけよ」
そう言いながら先程渡した診察着に着替えるナナリーを見たリリスは全てを理解した。
ダボッとしたハイネックの服を脱ぐとその低い身長からは想像出来ないほどバランスの悪すぎる大きな胸が現れたからだ。
「ナナリーさん。身長いくつですか?」
「身長? たしか百四十……。うーん。よく憶えてないけど百五十はないと思います」
「あと、失礼ですけどその大きなモノのサイズはいくつぐらいなんですか?」
リリスは女同士と言う事でズバズバと聞きにくい事も聞いていく。
「なに? そんなにこの胸が気になるの? まあ、いいけど……。たしか前はGだったと思うけど最近測ってないからよく知らないわ」
「G……」
私も結構ある方だと思っていたけど、私でもDなのにあの身長で十五歳でGなんて……。それは世の中の男共は皆見てしまうわよ!
心の中で全力でツッコミを入れまくるリリスだった。
◆
「治療の本人許可がとれましたのでさっさと治療をお願いしまーす」
アーリーが治療の結果を確認するために診察室から出ていた俺をリリスが不満そうな態度で迎えにきた。
「本当にちゃんと許可を取ったんだよな?」
俺はあれだけ渋っていたナナリーが許可をした事にまず驚き、彼女のアザを確認する為に先だけを手で隠した状態の巨大なふたつの山を前に卒倒しそうなほど驚いた。
「アザの確認は済みましたので診療着を着られて結構ですよ。治療は服の上からでも出来ますので……。あ、俺は後ろを向いてますのでその間にお願いします」
俺はそう言うとくるりと後ろを向いたが、そこにはリリスがこちらをジロリと片眉を上げながら睨んでいた。
余計な事はしないでよ。
何だかそう言われている気がして気がつくとコクコクと頷いていた。
「ちょっと提案があるんですけど」
後ろを向いていた俺にアーリーが相談をしてきた。
「はい。何でしょうか?」
俺は後ろを向いたまま返事をする。
「あなたの治癒魔法が素晴らしい事は私が実際に体験した事でよく分かりましたが、どういったタイミングで治癒がなされたか知りたいと思いました。そこで、娘のアザがどう消えるのかをこの目で見たいと思いますのでこの状態で治療をお願いしたいのです」
「この状態とは?」
「この状態はこの状態ですよ。服を着ないでアザが見える状態で治療をして欲しいと言ってるのです。ただ、娘もこの状態では少々恥ずかしいと思うので申し訳ないですがナオキ様には目隠しをして治療をして貰いたいと思いますが宜しいですか?」
いきなりとんでもない事を言うアーリーだったが提案を引っ込める素振りはない。
リリスを見るも首を左右に振るだけで止めようとはしなかった。いや、出来なかったのだろう。
「………ナナリーさん本人が納得されるのであればお受けします」
俺はそう答えるのが精一杯だった。
◆
「それでは、リリスさん。彼に目隠しをお願いしますね。そして、目隠しをしたらこちらを向いて貰って彼の手を娘の治療に適した箇所に誘導してあげてくださいね」
アーリーは有無を言わせずにテキパキとその場にいる者に指示を飛ばす。
「はい! ほらナオキ、このタオルで目隠しするから痛かったら言いなさいよ」
リリスはそう言うと近くにあったタオルで俺の目を塞いだ。
「では、治療を始めます。リリス、俺の右手を彼女の心臓の付近に誘導してくれ、出来るだけゆっくり頼むよ。身体に触れたら魔力溜まりの位置は大体分かるからずれていたら自分で動かすよ」
俺は暗闇の中、リリスにそう指示をして右手を彼女に預ける。
リリスの柔らかい手が俺の手を包み込みそっと空中をさまよう。
さわっ。
「ひゃん!」
俺の指がナナリーのお腹の辺りに触れたらしく、彼女がピクッと反応した。
「この辺りで手のひらを身体に当てても良いですか?」
俺が念の為にナナリーに確認する。
「はい。大丈夫です」
彼女の返事を聞いた俺は彼女の身体に手のひらをつけて魔力溜まりの位置を確認する。
「まだ、かなり上の方ですね。すみませんが手を動かしますね」
俺は手のひらに神経を集中させて正確な位置を割り出しながら手を移動させた。
ぽよん。
何か相当に柔らかくて弾力のあるものが手に当たる。
「すみません。位置的にもう少し上になりますので続けさせていただきます」
ふにょん。
彼女のサイズが大きすぎるために魔力溜まりの位置が山の頂に重なる付近になったらしくナナリーが悲鳴をあげそうになる。
「ナナリー治療中よ! 動かないで!」
それをアーリーが無理矢理に制止する。
ナナリーは涙目になるが俺には見えない上、治療に集中していたためにその手を動かすのを止めない。
「ここです!」
俺はそう宣言して治癒魔法を発動した。
「完全治癒」
魔法発動後、俺は目の見えない暗闇の中で彼女の治療が上手くいくように祈りながら魔力注入を開始したのだった。
「無い! アザのあった形跡すら無くなっているわ! これで証明されたわよね。あなたも彼の治療を受けなさい! これは私からの命令よ!」
自らのアザが治った事実は娘に治療を受けさせるには十分な理由だった。
ナナリーも母のアザがなくなった事実は曲げようもなく『自分のコンプレックスだったアザが無くなるのならば』と思い始めていた。
「分かったわ。私、治療を受けます」
「そう! 良かった。絶対に後悔はしない結果になるわ!」
アーリーは娘の決定に喜び彼女を抱きしめた。
「ついでにあなたの男嫌いも治して貰いなさいよ」
「ママ、それは余計なお世話よ。私だって世の中の全ての男が嫌いって訳じゃあないわよ。私が嫌いなのは『胸ばかりをジロジロと見てくる気持ち悪い男』だけよ」
そう言いながら先程渡した診察着に着替えるナナリーを見たリリスは全てを理解した。
ダボッとしたハイネックの服を脱ぐとその低い身長からは想像出来ないほどバランスの悪すぎる大きな胸が現れたからだ。
「ナナリーさん。身長いくつですか?」
「身長? たしか百四十……。うーん。よく憶えてないけど百五十はないと思います」
「あと、失礼ですけどその大きなモノのサイズはいくつぐらいなんですか?」
リリスは女同士と言う事でズバズバと聞きにくい事も聞いていく。
「なに? そんなにこの胸が気になるの? まあ、いいけど……。たしか前はGだったと思うけど最近測ってないからよく知らないわ」
「G……」
私も結構ある方だと思っていたけど、私でもDなのにあの身長で十五歳でGなんて……。それは世の中の男共は皆見てしまうわよ!
心の中で全力でツッコミを入れまくるリリスだった。
◆
「治療の本人許可がとれましたのでさっさと治療をお願いしまーす」
アーリーが治療の結果を確認するために診察室から出ていた俺をリリスが不満そうな態度で迎えにきた。
「本当にちゃんと許可を取ったんだよな?」
俺はあれだけ渋っていたナナリーが許可をした事にまず驚き、彼女のアザを確認する為に先だけを手で隠した状態の巨大なふたつの山を前に卒倒しそうなほど驚いた。
「アザの確認は済みましたので診療着を着られて結構ですよ。治療は服の上からでも出来ますので……。あ、俺は後ろを向いてますのでその間にお願いします」
俺はそう言うとくるりと後ろを向いたが、そこにはリリスがこちらをジロリと片眉を上げながら睨んでいた。
余計な事はしないでよ。
何だかそう言われている気がして気がつくとコクコクと頷いていた。
「ちょっと提案があるんですけど」
後ろを向いていた俺にアーリーが相談をしてきた。
「はい。何でしょうか?」
俺は後ろを向いたまま返事をする。
「あなたの治癒魔法が素晴らしい事は私が実際に体験した事でよく分かりましたが、どういったタイミングで治癒がなされたか知りたいと思いました。そこで、娘のアザがどう消えるのかをこの目で見たいと思いますのでこの状態で治療をお願いしたいのです」
「この状態とは?」
「この状態はこの状態ですよ。服を着ないでアザが見える状態で治療をして欲しいと言ってるのです。ただ、娘もこの状態では少々恥ずかしいと思うので申し訳ないですがナオキ様には目隠しをして治療をして貰いたいと思いますが宜しいですか?」
いきなりとんでもない事を言うアーリーだったが提案を引っ込める素振りはない。
リリスを見るも首を左右に振るだけで止めようとはしなかった。いや、出来なかったのだろう。
「………ナナリーさん本人が納得されるのであればお受けします」
俺はそう答えるのが精一杯だった。
◆
「それでは、リリスさん。彼に目隠しをお願いしますね。そして、目隠しをしたらこちらを向いて貰って彼の手を娘の治療に適した箇所に誘導してあげてくださいね」
アーリーは有無を言わせずにテキパキとその場にいる者に指示を飛ばす。
「はい! ほらナオキ、このタオルで目隠しするから痛かったら言いなさいよ」
リリスはそう言うと近くにあったタオルで俺の目を塞いだ。
「では、治療を始めます。リリス、俺の右手を彼女の心臓の付近に誘導してくれ、出来るだけゆっくり頼むよ。身体に触れたら魔力溜まりの位置は大体分かるからずれていたら自分で動かすよ」
俺は暗闇の中、リリスにそう指示をして右手を彼女に預ける。
リリスの柔らかい手が俺の手を包み込みそっと空中をさまよう。
さわっ。
「ひゃん!」
俺の指がナナリーのお腹の辺りに触れたらしく、彼女がピクッと反応した。
「この辺りで手のひらを身体に当てても良いですか?」
俺が念の為にナナリーに確認する。
「はい。大丈夫です」
彼女の返事を聞いた俺は彼女の身体に手のひらをつけて魔力溜まりの位置を確認する。
「まだ、かなり上の方ですね。すみませんが手を動かしますね」
俺は手のひらに神経を集中させて正確な位置を割り出しながら手を移動させた。
ぽよん。
何か相当に柔らかくて弾力のあるものが手に当たる。
「すみません。位置的にもう少し上になりますので続けさせていただきます」
ふにょん。
彼女のサイズが大きすぎるために魔力溜まりの位置が山の頂に重なる付近になったらしくナナリーが悲鳴をあげそうになる。
「ナナリー治療中よ! 動かないで!」
それをアーリーが無理矢理に制止する。
ナナリーは涙目になるが俺には見えない上、治療に集中していたためにその手を動かすのを止めない。
「ここです!」
俺はそう宣言して治癒魔法を発動した。
「完全治癒」
魔法発動後、俺は目の見えない暗闇の中で彼女の治療が上手くいくように祈りながら魔力注入を開始したのだった。



