街外れの小さな花屋は、俺の居場所であり、心を休められる家だった。
来店してくるお客さんは、いつも決まった人か、お年寄りばかり。でも、経済的に厳しいわけでもなく、俺としてはこのほうが、気が楽というものだ。母は、人と関わりたくて花屋を始めたらしいけど、「最近は若者が来ないわね~」とカウンターに突っ伏している。
一応手伝いをしている俺は、愛想笑いしながらも掃除を続ける。手伝いとして入っているから、この学校のバイト禁止というルールは守っているつもりだ。それなのに。
「こんなところで何してんの?」
多分175㎝はあるであろう長身で俺を見下ろすのは、同じクラスで常に人に囲われている、引く手あまたな高嶺くんだ。
しゃがんで花に水をやっていた俺の目線から見ると、逆光の効果もあってか、高嶺君の笑顔が悪魔のように見えた。
「…い、や、これは、バイトとかでは…なく…」
動揺すればさらに怪しまれるのに、クラスで声をかけられただけで固まる俺だから、口がうまく回らない。言い訳をしているようにしか聞こえないと自分でわっかるくらい、挙動不審だから、もうあきらめて下を向き、降伏を表現した。
「クラスでよく見るんだよねぇ…お前、花見だろ?」
「へ、な、なんで名前知ってるの…」
「俺そんな記憶力悪い印象あんの?」
きらきらエフェクトがついてもいいくらいに、清々しく小さく笑えるは、少しいいな、と思った。自分が笑えば、ぎこちなく引きつりすぎては人が逃げていく。自分の顔が嫌いだから、マスクや眼鏡で顔を隠していたのに、まさか顔を覚えられていたとは思わなかった。
「まぁ、いいや。じゃあ、お前がバイトしてること黙っててやるから、俺と友達になってよ。良い?花見涼」
何を言われるのかと身構えていたのに、求められたのは「友達になろう」なので、目を丸くして立ち上がった。やっぱり少し背が高いので、見上げるように高嶺を見る。時間がなかったのか、俺が口を開きかけたときに、逃げるように出口まで早足で行き、ドアを半分開けたところで、くるっとこちらを振り向いては、二カッと笑って「またあした!」と手を振って出て行った。
来店してくるお客さんは、いつも決まった人か、お年寄りばかり。でも、経済的に厳しいわけでもなく、俺としてはこのほうが、気が楽というものだ。母は、人と関わりたくて花屋を始めたらしいけど、「最近は若者が来ないわね~」とカウンターに突っ伏している。
一応手伝いをしている俺は、愛想笑いしながらも掃除を続ける。手伝いとして入っているから、この学校のバイト禁止というルールは守っているつもりだ。それなのに。
「こんなところで何してんの?」
多分175㎝はあるであろう長身で俺を見下ろすのは、同じクラスで常に人に囲われている、引く手あまたな高嶺くんだ。
しゃがんで花に水をやっていた俺の目線から見ると、逆光の効果もあってか、高嶺君の笑顔が悪魔のように見えた。
「…い、や、これは、バイトとかでは…なく…」
動揺すればさらに怪しまれるのに、クラスで声をかけられただけで固まる俺だから、口がうまく回らない。言い訳をしているようにしか聞こえないと自分でわっかるくらい、挙動不審だから、もうあきらめて下を向き、降伏を表現した。
「クラスでよく見るんだよねぇ…お前、花見だろ?」
「へ、な、なんで名前知ってるの…」
「俺そんな記憶力悪い印象あんの?」
きらきらエフェクトがついてもいいくらいに、清々しく小さく笑えるは、少しいいな、と思った。自分が笑えば、ぎこちなく引きつりすぎては人が逃げていく。自分の顔が嫌いだから、マスクや眼鏡で顔を隠していたのに、まさか顔を覚えられていたとは思わなかった。
「まぁ、いいや。じゃあ、お前がバイトしてること黙っててやるから、俺と友達になってよ。良い?花見涼」
何を言われるのかと身構えていたのに、求められたのは「友達になろう」なので、目を丸くして立ち上がった。やっぱり少し背が高いので、見上げるように高嶺を見る。時間がなかったのか、俺が口を開きかけたときに、逃げるように出口まで早足で行き、ドアを半分開けたところで、くるっとこちらを振り向いては、二カッと笑って「またあした!」と手を振って出て行った。
