しばらく待つと、私と悠介くん、二人同時にパンケーキがやってきました。
想像の三倍は大きいパンケーキでした。
「でか……」
「すごいね悠介くん……」
「なあこれ、崩すのもったいない……」
「そうだね」
「無常だな」
「そうだね……」
無常……。
……。
あっ、我々には文明があるではないですか。
「悠介くん、写真があるよ」
「……!」
そうして私たちは、それぞれのパンケーキにスマホを向けました。しかしこれが、なかなかに難しい。どうスマホを傾けても、お店やSNSで見るような綺麗な写真にはなりません。
「なんかむずいな」
悠介くんも同じことを思っているようです。
気づけば何分も格闘して、ホイップはじんわりと溶け始めており……。
「悠介くん、溶けてる!」
「うおっ、まじか」
私たちは急いで「いただきます」と言うと、パンケーキを切って口に放り込みました。
「……!」
急いで放り込んだ割には、異様に美味しい。
生地はふわふわで、ホイップは甘くて、チョコソースはやっぱり、私の大好きなチョコレートの味がして……。
「悠介くん、これ、美味しいよ」
普通に言ったつもりでしたが、自分でもわかるくらいに、私の声はいつもより一段、高くなっていました。悠介くんは小さく目を見開くと、どこかほっとしたような顔で、「よかった」と笑いました。それからごく自然な動きで、「こっちもうまいぞ」と、オレンジとホイップの乗ったパンケーキの欠片を私の口元に寄せてきました。私はそれを口に入れました。
「あ、美味し……」
美味しい。
……。
……でも今、何をやった?
……!!
今のは、かなりではないですか!?
まずい。急に、心臓が速く速くドキドキしてきました。私の顔が赤くなったのを見てか、悠介くんも、「あ、悪い、つい……」とドギマギし始めてしまいました。
「いや、いいよ、全然……」
「いいのか……!?」
「いい……」
「そうか……」
そのまま私たちは、互いに俯いてしまいました。ひたすらパンケーキを口に入れて、気づけば無言のまま完食していました。
「……」
「……」
なんでパンケーキ屋で、こんなに無言になるのですか!
「……うまかった」
「あっ、うん」
「そういや俺、チョコのやつもらってない」
「あっ……」
あー……、これは相当まずいやつです。どう謝罪しても足りない気がします。
が。
「まあいいけど」
悠介くんはそう言って笑いました。
「いいの……?」
「お前、うまかったんだろ?」
「まあ……」
「じゃあいい」
そう言って悠介くんは、レモンの味のする水に口をつけました。
想像の三倍は大きいパンケーキでした。
「でか……」
「すごいね悠介くん……」
「なあこれ、崩すのもったいない……」
「そうだね」
「無常だな」
「そうだね……」
無常……。
……。
あっ、我々には文明があるではないですか。
「悠介くん、写真があるよ」
「……!」
そうして私たちは、それぞれのパンケーキにスマホを向けました。しかしこれが、なかなかに難しい。どうスマホを傾けても、お店やSNSで見るような綺麗な写真にはなりません。
「なんかむずいな」
悠介くんも同じことを思っているようです。
気づけば何分も格闘して、ホイップはじんわりと溶け始めており……。
「悠介くん、溶けてる!」
「うおっ、まじか」
私たちは急いで「いただきます」と言うと、パンケーキを切って口に放り込みました。
「……!」
急いで放り込んだ割には、異様に美味しい。
生地はふわふわで、ホイップは甘くて、チョコソースはやっぱり、私の大好きなチョコレートの味がして……。
「悠介くん、これ、美味しいよ」
普通に言ったつもりでしたが、自分でもわかるくらいに、私の声はいつもより一段、高くなっていました。悠介くんは小さく目を見開くと、どこかほっとしたような顔で、「よかった」と笑いました。それからごく自然な動きで、「こっちもうまいぞ」と、オレンジとホイップの乗ったパンケーキの欠片を私の口元に寄せてきました。私はそれを口に入れました。
「あ、美味し……」
美味しい。
……。
……でも今、何をやった?
……!!
今のは、かなりではないですか!?
まずい。急に、心臓が速く速くドキドキしてきました。私の顔が赤くなったのを見てか、悠介くんも、「あ、悪い、つい……」とドギマギし始めてしまいました。
「いや、いいよ、全然……」
「いいのか……!?」
「いい……」
「そうか……」
そのまま私たちは、互いに俯いてしまいました。ひたすらパンケーキを口に入れて、気づけば無言のまま完食していました。
「……」
「……」
なんでパンケーキ屋で、こんなに無言になるのですか!
「……うまかった」
「あっ、うん」
「そういや俺、チョコのやつもらってない」
「あっ……」
あー……、これは相当まずいやつです。どう謝罪しても足りない気がします。
が。
「まあいいけど」
悠介くんはそう言って笑いました。
「いいの……?」
「お前、うまかったんだろ?」
「まあ……」
「じゃあいい」
そう言って悠介くんは、レモンの味のする水に口をつけました。
