いつの間にか悠介くんは、アイスを食べ終えていました。私も最後の一口を食べ終えると、悠介くんはそれを待っていたかのように、「あのさ……」と口を開きました。
「ん?」
「そういえばなんだけどよ……」
「うん」
「お前って、俺たちが付き合ってること、周りに言ったのか……?」
「周り……?」
「なんかお前、急に周りと喋るようになってたろ……だから……」
女子たちのことでしょうか。
悠介くんは小さく首を傾げて、こちらを見ていました。そこに何かを責めるような雰囲気は、特にありませんでしたが……。
私にはわかります。これは、ちゃんとした話です! ちゃんと、言っておかなければなりません!
「いや、言ってないよ!」
私はちゃんと、否定しました。それから説明します。
「俺は知られても知られなくても、どっちでもいいんだけどさ、でも、悠介くんに確認取る前に勝手に言うのはどうなのかなって、思ったから……」
「そうなのか……!」
「だからみんなには『秘密』って言っといた!」
「秘密……?」
「そう。否定も肯定もせず……みたいな!」
「……それ、ほぼ言ってるようなもんじゃないか?」
「……」
ギッと、ブランコが軋む音がしました。
「……あ、そ、そうだったかな……?」
「秘密は、だいぶ言ってるようなもんじゃね……?」
「うそ……?」
「多分……」
……。
うそ!?
つまり私は、皆に隠しているつもりで、実は悠介くんとの交際宣言をして回っていた……!?
そんなの、もう、両手で顔を覆うしかできません。
「ああ〜〜〜っ、ごめん、悠介くん……」
「いや別にいいって……俺、みんなに付き合ってること知ってもらえる方が嬉しいし」
「そうなの……?」
「いやなんか、そのほうが……俺たちの間に、こう、割って入ってくる奴が出なそう、みたいな……」
「……!?」
「今俺恥ずかしいこと言ったか……!?」
「わ、わかんない……!」
私は少しだけ両手を外しましたが、すぐに耐えられなくなり、また両手の中に沈んでいきました。
悠介くん、そんなこと思ってたんだ……。
「律は……?」
「え……」
私は両手から少しだけ顔を離して、チラリと悠介くんを見ました。悠介くんはやけに真剣な顔をしていて……。
「その、律はよ……」
「うん……」
「俺たちのこと、言いたいか……?」
「えっと……」
私は両手を下ろして考えました。
どうだろう。
……。
「悠介くんが言いたいなら、俺も言いたい……かな……」
「なんだそれ……」
「多分俺……どっちかって言うと、かなり言いたいかも……」
「そうなのか」
「友達……って言っていいかはわかんないけど、最近よく喋る女子たちがいて……」
「……ああ」
「あの子たち、俺たちが付き合ってるって知ったら、喜んでくれると思うんだよね……まだちょっとしか喋ってないけど……」
「ああ……」
「それで、俺と悠介くんが付き合ってることが喜ばれるって、普通に良いことな気がする……」
「律……」
そこまで言って、私は照れてしまい、俯いてしまいました。
ギィと控えめにブランコが鳴る音がしました。悠介くんのブランコでした。
「お前、そう思ってくれてたんだな……」
悠介くんは、どこか嬉しそうな声で言いました。
「つってもあの女子たちは、もう知ってると思うけどな……」
「あっ、それはっ……うん、そうかも……」
私はこれまでの挙動の数々を思い出して、カッと顔が熱くなりました。自分が何をしてきたか、全くわかっていないほど、私は愚鈍ではないつもりでした。
「でも、秘密って言うのと、付き合ってますってちゃんと言うのじゃ、全然違うから……」
私は何か弁解するように言いました。それでも悠介くんは、
「そうだな」
と優しい声で言ってくれました。
「明日、言ってみようかな」
「明日は休みだぞ」
「あっ……」
今日、金曜日……。
「まあ、ゆっくりやってこうぜ」
「うん」
そう言うと悠介くんは、小さく笑いました。
あ、また笑顔だ……。
「ん?」
「そういえばなんだけどよ……」
「うん」
「お前って、俺たちが付き合ってること、周りに言ったのか……?」
「周り……?」
「なんかお前、急に周りと喋るようになってたろ……だから……」
女子たちのことでしょうか。
悠介くんは小さく首を傾げて、こちらを見ていました。そこに何かを責めるような雰囲気は、特にありませんでしたが……。
私にはわかります。これは、ちゃんとした話です! ちゃんと、言っておかなければなりません!
「いや、言ってないよ!」
私はちゃんと、否定しました。それから説明します。
「俺は知られても知られなくても、どっちでもいいんだけどさ、でも、悠介くんに確認取る前に勝手に言うのはどうなのかなって、思ったから……」
「そうなのか……!」
「だからみんなには『秘密』って言っといた!」
「秘密……?」
「そう。否定も肯定もせず……みたいな!」
「……それ、ほぼ言ってるようなもんじゃないか?」
「……」
ギッと、ブランコが軋む音がしました。
「……あ、そ、そうだったかな……?」
「秘密は、だいぶ言ってるようなもんじゃね……?」
「うそ……?」
「多分……」
……。
うそ!?
つまり私は、皆に隠しているつもりで、実は悠介くんとの交際宣言をして回っていた……!?
そんなの、もう、両手で顔を覆うしかできません。
「ああ〜〜〜っ、ごめん、悠介くん……」
「いや別にいいって……俺、みんなに付き合ってること知ってもらえる方が嬉しいし」
「そうなの……?」
「いやなんか、そのほうが……俺たちの間に、こう、割って入ってくる奴が出なそう、みたいな……」
「……!?」
「今俺恥ずかしいこと言ったか……!?」
「わ、わかんない……!」
私は少しだけ両手を外しましたが、すぐに耐えられなくなり、また両手の中に沈んでいきました。
悠介くん、そんなこと思ってたんだ……。
「律は……?」
「え……」
私は両手から少しだけ顔を離して、チラリと悠介くんを見ました。悠介くんはやけに真剣な顔をしていて……。
「その、律はよ……」
「うん……」
「俺たちのこと、言いたいか……?」
「えっと……」
私は両手を下ろして考えました。
どうだろう。
……。
「悠介くんが言いたいなら、俺も言いたい……かな……」
「なんだそれ……」
「多分俺……どっちかって言うと、かなり言いたいかも……」
「そうなのか」
「友達……って言っていいかはわかんないけど、最近よく喋る女子たちがいて……」
「……ああ」
「あの子たち、俺たちが付き合ってるって知ったら、喜んでくれると思うんだよね……まだちょっとしか喋ってないけど……」
「ああ……」
「それで、俺と悠介くんが付き合ってることが喜ばれるって、普通に良いことな気がする……」
「律……」
そこまで言って、私は照れてしまい、俯いてしまいました。
ギィと控えめにブランコが鳴る音がしました。悠介くんのブランコでした。
「お前、そう思ってくれてたんだな……」
悠介くんは、どこか嬉しそうな声で言いました。
「つってもあの女子たちは、もう知ってると思うけどな……」
「あっ、それはっ……うん、そうかも……」
私はこれまでの挙動の数々を思い出して、カッと顔が熱くなりました。自分が何をしてきたか、全くわかっていないほど、私は愚鈍ではないつもりでした。
「でも、秘密って言うのと、付き合ってますってちゃんと言うのじゃ、全然違うから……」
私は何か弁解するように言いました。それでも悠介くんは、
「そうだな」
と優しい声で言ってくれました。
「明日、言ってみようかな」
「明日は休みだぞ」
「あっ……」
今日、金曜日……。
「まあ、ゆっくりやってこうぜ」
「うん」
そう言うと悠介くんは、小さく笑いました。
あ、また笑顔だ……。
