17年前の明日、僕は空の青さを知る。

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 3,2,1……はい、目を開けてみて。

 どう? アンドロイドとしての私の特殊能力で、賢人くんをお城の外に連れ出してみたの。
 ここがどこかわかる? 今、私たちがいるのは金閣寺のてっぺん。

 ここは夢の世界。誰にも邪魔されない、二人だけの場所。
 ここでなら私たちはなににだってなれるし、どこにだって行ける。お姫様にも王子様にも、アンドロイドにも……普通の恋人同士にもなれるの。

 さぁ、まずはここでなにをしようか?
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 すっごく久しぶりに口から小さな笑いが漏れる。こんなときに不謹慎にも、少しワクワクしてしまった。

 要するに今ここは、愛が創った二人だけの夢の世界。
 実際に会うことができなくても、このリレー小説の中でなら僕らは自由だ。だからここで秘密の逢瀬をしようと、彼女は誘っているのだ。

 現実の世界に拒まれてしまった以上、この誘いに乗らない手はない。なにをしようかだって? 金閣寺のてっぺんですることなんて、一つしかないだろう。
 僕は指先をケータイ画面の上で疾走させる。そして夕景を見ながら愛子に愛の言葉を囁き、目一杯イチャイチャした。

 これが僕たちの二回目のデート。ショッピングモールに行った日以来のデートだ。



 こうして僕と愛は空想の中でデートを重ねるようになった。どうにもならない日常から逃げるように。
 それが袋小路だと知っていても、僕らは飛び込まずにはいられなかった。