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「双子コーデ、よき」
合流した僕と日下部を見た橘の第一声はそれだった。なるほど、傍目にはそういうふうに映ってしまうのか。なるほど……。
ちなみに橘は二次元でしか見たことがないようなミニスカートの浴衣という出で立ちで、その美貌も相まって異様に目立つ。しかしもっと目立つ存在がここに。
「皆ちゃんと風流をわきまえているな」
浴衣を着たゴリラがよしよしと頷く。なぜ黒にした? この場合、似合っていると言ったら悪口になるのだろうか? とりあえず「先輩も風流ですね」と無難に応える。
そして。
「どうですか? 愛知先輩」
水色に白い花びらが映える浴衣姿の阿良々木愛。いつものボブカットをハーフアップ?にして、後ろをバレッタで留めている。白いうなじがあらわになっていて、なんというかこう、「風流だね」。
袴田先輩とは別の意味で風流。とても便利な言葉だ、風流。しかし阿良々木愛は若干不満そうに頬を膨らませる。
「めっちゃ似合ってるじゃん。可愛いよ、愛」
「そうだら? ありがとミッくん」
……どうやら第一ラウンドは完敗のようだ。あまりにスマートな褒め方に男としての格の違いを感じ、気後れしてしまう。
そのまま一行は移動を開始し、勝負も第二ラウンドへと移行する。自然と前を袴田先輩と橘が並んで歩き、後ろを阿良々木愛と日下部、僕が着いて行く流れになる。
「三列は邪魔になるな。愛、もっとこっちにくっつい「確かにそうだね。じゃあ私が後ろを歩くから二人でお話でもしりんよ。せっかくの双子コーデなんだし」
「「……」」
第二ラウンドは引き分け。というより、両者敗北といったところだろうか。
後ろからカシャカシャと写真を撮る音がする。前からは橘のガンギマリの目が時折こちらを振り向く。
せめて黒の甚平にしておけば……いや、それはそれで悪手か。
人の流れに身を任せて歩いていると、ちょうど自宅の前を通りがかった。「あっ」条件反射で声が漏れる。
「なんだよ」
「あ、いや、そこ僕ん家なんだ。黒い屋根の」
「ハァ!? じゃあわざわざ暑い外で見なくても、お前ん家から見れたじゃん! ちなみにお前の部屋は?」
「二階」
「絶対見れたじゃん」
「いやぁ、どうだろ。はは」
適当に笑ってやり過ごす。やっぱり伏せておけばよかった。だいたい僕はよくても、母が友だちの連れ込みを許してくれるイメージが湧かない。
時折ピリピリした沈黙を挟みつつ駄弁っているうちに、いつのまにやら目的地である図書館の駐車場にいた。
交通規制が始まる一七時より前に着き、おまけにちょうど五人座れるぐらいの空き場所を発見してシートを敷くことにも成功し、ホッと一息つく。
「出店で適当に飲み物と食べ物買ってこよう。二人がここで荷物番、三人が買い出し係で」
落ち着いたのも束の間、袴田先輩の発言が第三ラウンド突入を告げる。担当はグーとパーのやつ(名称不明)で決めることになった。
阿良々木愛と二人で荷物番なら最高、三人で買い出しでも上等だ。とにかく、阿良々木愛と日下部が二人きりになる状況だけは絶対阻止したい。
またそれは日下部も同じ考えのようで、手を交差して組んでからクルッて捻って中を覗くやつ(名称不明)をしている。
そしていよいよ勝負のときがやってきた。
「じゃあいくぞー。グッとっパー」
「双子コーデ、よき」
合流した僕と日下部を見た橘の第一声はそれだった。なるほど、傍目にはそういうふうに映ってしまうのか。なるほど……。
ちなみに橘は二次元でしか見たことがないようなミニスカートの浴衣という出で立ちで、その美貌も相まって異様に目立つ。しかしもっと目立つ存在がここに。
「皆ちゃんと風流をわきまえているな」
浴衣を着たゴリラがよしよしと頷く。なぜ黒にした? この場合、似合っていると言ったら悪口になるのだろうか? とりあえず「先輩も風流ですね」と無難に応える。
そして。
「どうですか? 愛知先輩」
水色に白い花びらが映える浴衣姿の阿良々木愛。いつものボブカットをハーフアップ?にして、後ろをバレッタで留めている。白いうなじがあらわになっていて、なんというかこう、「風流だね」。
袴田先輩とは別の意味で風流。とても便利な言葉だ、風流。しかし阿良々木愛は若干不満そうに頬を膨らませる。
「めっちゃ似合ってるじゃん。可愛いよ、愛」
「そうだら? ありがとミッくん」
……どうやら第一ラウンドは完敗のようだ。あまりにスマートな褒め方に男としての格の違いを感じ、気後れしてしまう。
そのまま一行は移動を開始し、勝負も第二ラウンドへと移行する。自然と前を袴田先輩と橘が並んで歩き、後ろを阿良々木愛と日下部、僕が着いて行く流れになる。
「三列は邪魔になるな。愛、もっとこっちにくっつい「確かにそうだね。じゃあ私が後ろを歩くから二人でお話でもしりんよ。せっかくの双子コーデなんだし」
「「……」」
第二ラウンドは引き分け。というより、両者敗北といったところだろうか。
後ろからカシャカシャと写真を撮る音がする。前からは橘のガンギマリの目が時折こちらを振り向く。
せめて黒の甚平にしておけば……いや、それはそれで悪手か。
人の流れに身を任せて歩いていると、ちょうど自宅の前を通りがかった。「あっ」条件反射で声が漏れる。
「なんだよ」
「あ、いや、そこ僕ん家なんだ。黒い屋根の」
「ハァ!? じゃあわざわざ暑い外で見なくても、お前ん家から見れたじゃん! ちなみにお前の部屋は?」
「二階」
「絶対見れたじゃん」
「いやぁ、どうだろ。はは」
適当に笑ってやり過ごす。やっぱり伏せておけばよかった。だいたい僕はよくても、母が友だちの連れ込みを許してくれるイメージが湧かない。
時折ピリピリした沈黙を挟みつつ駄弁っているうちに、いつのまにやら目的地である図書館の駐車場にいた。
交通規制が始まる一七時より前に着き、おまけにちょうど五人座れるぐらいの空き場所を発見してシートを敷くことにも成功し、ホッと一息つく。
「出店で適当に飲み物と食べ物買ってこよう。二人がここで荷物番、三人が買い出し係で」
落ち着いたのも束の間、袴田先輩の発言が第三ラウンド突入を告げる。担当はグーとパーのやつ(名称不明)で決めることになった。
阿良々木愛と二人で荷物番なら最高、三人で買い出しでも上等だ。とにかく、阿良々木愛と日下部が二人きりになる状況だけは絶対阻止したい。
またそれは日下部も同じ考えのようで、手を交差して組んでからクルッて捻って中を覗くやつ(名称不明)をしている。
そしていよいよ勝負のときがやってきた。
「じゃあいくぞー。グッとっパー」
