*
先にシャワーを使わせてもらい、入江の部屋で待っていると、シャワーを浴び終えた入江が、上半身裸の姿で現れた。
「先輩、ドライヤー使います?」
「べ、別に……な、なくても……」
入江は濡れた髪をタオルで拭きながら、チェストの引き出しを開け、Tシャツを吟味し始めた。
自分が着ている服も入江の服。そんなに身長差はないはずなのに、なぜか少し大きく感じる。
それに、服からも部屋からも入江の匂いがして、何だか落ち着かない。
いや、違う。
俺が落ち着かないのは……こいつのせいだ!
男の俺でも見惚れてしまうほど、いい体をしている。
ほどよく盛り上がった胸筋や上腕二頭筋、くっきり割れた腹直筋と綺麗に引き締まってる外腹斜筋。
理想ともいえる筋肉のつき方をしていて、思わず見惚れていると……。
「先輩、よだれ」
「……っ! み、見てないし!」
「いや、絶対ガン見してたでしょ、今」
ぷぷっと笑われてしまった。
じーっと見ていたのがバレたようだ。
いや、わざと見せていたに違いない。何なんだ、こいつは。
なんで俺、こんなに見てるんだ……? 男の体なんて興味ないはずなのに……。
ん? いや、こいつだから……見てたのか?
無意識にイラストのモデルにいいと、脳が判断したんだろうか?
Tシャツを着た入江が、テーブルを挟んで向かい側に腰を下ろした。
そして、テーブルに頬杖をついて、俺を見る。
「あれから、どうなったんですか?」
「どうなったって……何が?」
「BL漫画」
「あ、いや、……あれは、描く気ないから断っただろ」
そう言えば、こいつに聞かれてたんだった。
まあ、あの場で即断したように、今後も描く気はないから、どうでもいい話だけど。
「もったいないなぁ。先輩、めちゃくちゃ絵うまいのに」
「俺の絵、よく見たことないだろ」
「いやありますよ。ってか、姉貴の部屋に行ったら、そこら中に飾ってありますし。……見ます?」
「……あ、いや、いい」
さすがに、本人の許可なく部屋に入るのも無神経だし、そもそも自分の絵が飾られてるのを見るって、ご褒美と取るか、拷問と取るか、紙一重じゃね?
「で、何で描かないんですか?」
「漫画って、表紙絵や挿絵を描くのとは違うから」
入江は面白半分で言ってるのかもしれないが、絵と言っても、絵画みたいなものから、漫画や表紙絵に至るまで様々だ。
「俺が絵のモデルになりましょうか?」
「は?」
「自慢じゃないけど、いい体してると思うけど」
流し目で訴えられる。つい先ほど、釘付けにされた、男でも惚れそうなモテ体。
たしかに、顔もイケメンだし、体型も完璧だけれど……。
「先輩が描くBL、もっと見てみたいんですよ。……俺がモデルなら、もっと色んなアングルで描けると思うし」
にんまりとした笑みを向けられ、こいつが何を考えているのか、いまいちわからない。
本当に、どこからくるんだ、その自信は!
「いや、丁重にお断りする」
「何でです? こんないいモデル、そう簡単に見つかりませんよ?」
「俺のことはどうでもいいんだよ。早いとこ、勉強するぞ」
そうだ、俺は勉強を教えに来ているんだ。こいつといると、どうも調子が狂う。
それに、受験生だし。そんな余計な時間、俺にはないのだから。
先にシャワーを使わせてもらい、入江の部屋で待っていると、シャワーを浴び終えた入江が、上半身裸の姿で現れた。
「先輩、ドライヤー使います?」
「べ、別に……な、なくても……」
入江は濡れた髪をタオルで拭きながら、チェストの引き出しを開け、Tシャツを吟味し始めた。
自分が着ている服も入江の服。そんなに身長差はないはずなのに、なぜか少し大きく感じる。
それに、服からも部屋からも入江の匂いがして、何だか落ち着かない。
いや、違う。
俺が落ち着かないのは……こいつのせいだ!
男の俺でも見惚れてしまうほど、いい体をしている。
ほどよく盛り上がった胸筋や上腕二頭筋、くっきり割れた腹直筋と綺麗に引き締まってる外腹斜筋。
理想ともいえる筋肉のつき方をしていて、思わず見惚れていると……。
「先輩、よだれ」
「……っ! み、見てないし!」
「いや、絶対ガン見してたでしょ、今」
ぷぷっと笑われてしまった。
じーっと見ていたのがバレたようだ。
いや、わざと見せていたに違いない。何なんだ、こいつは。
なんで俺、こんなに見てるんだ……? 男の体なんて興味ないはずなのに……。
ん? いや、こいつだから……見てたのか?
無意識にイラストのモデルにいいと、脳が判断したんだろうか?
Tシャツを着た入江が、テーブルを挟んで向かい側に腰を下ろした。
そして、テーブルに頬杖をついて、俺を見る。
「あれから、どうなったんですか?」
「どうなったって……何が?」
「BL漫画」
「あ、いや、……あれは、描く気ないから断っただろ」
そう言えば、こいつに聞かれてたんだった。
まあ、あの場で即断したように、今後も描く気はないから、どうでもいい話だけど。
「もったいないなぁ。先輩、めちゃくちゃ絵うまいのに」
「俺の絵、よく見たことないだろ」
「いやありますよ。ってか、姉貴の部屋に行ったら、そこら中に飾ってありますし。……見ます?」
「……あ、いや、いい」
さすがに、本人の許可なく部屋に入るのも無神経だし、そもそも自分の絵が飾られてるのを見るって、ご褒美と取るか、拷問と取るか、紙一重じゃね?
「で、何で描かないんですか?」
「漫画って、表紙絵や挿絵を描くのとは違うから」
入江は面白半分で言ってるのかもしれないが、絵と言っても、絵画みたいなものから、漫画や表紙絵に至るまで様々だ。
「俺が絵のモデルになりましょうか?」
「は?」
「自慢じゃないけど、いい体してると思うけど」
流し目で訴えられる。つい先ほど、釘付けにされた、男でも惚れそうなモテ体。
たしかに、顔もイケメンだし、体型も完璧だけれど……。
「先輩が描くBL、もっと見てみたいんですよ。……俺がモデルなら、もっと色んなアングルで描けると思うし」
にんまりとした笑みを向けられ、こいつが何を考えているのか、いまいちわからない。
本当に、どこからくるんだ、その自信は!
「いや、丁重にお断りする」
「何でです? こんないいモデル、そう簡単に見つかりませんよ?」
「俺のことはどうでもいいんだよ。早いとこ、勉強するぞ」
そうだ、俺は勉強を教えに来ているんだ。こいつといると、どうも調子が狂う。
それに、受験生だし。そんな余計な時間、俺にはないのだから。
