寝不足のままふらふらした足取りで廊下を歩いていると、知らない声が聞こえてきた。
「あなたが新入りのつむぎちゃんね」
「そうですが……」
「私はさやかよ。ここに住んでるの」
「初めまして。つむぎです」
長身の着物姿の女の人はにこやかに挨拶をしてくれた。後ろに隠れていた男の子は、彼女に促されひょこっと顔を出した。目を怪我しているようで片目には眼帯をつけていた。大きな目で見つめられるとなんだか逸らせない。
「つむぎです。よろしくね」
視線を合わせるようにしゃがむと、顔を隠してしまった。馴れ馴れしかっただろうか。
子供の扱いはよく分からない。フレンドリーに行こうと思ったが、やはり最初は敬語が良かったと後悔した。
「この子、恥ずかしがり屋なの。熊吉、挨拶の練習したでしょ」
「熊吉です……。つむぎちゃんと仲良くなりたいです」
さやかの後ろから顔を出したのは熊吉ではなく熊の人形だった。片手を振るような仕草をするのがあまりにも可愛らしくて、つい手を振り返してしまった。
彼女たちはこの屋敷の住人だそう。ならば、他にも住んでいる人はいるのだろうか。口を開きかけたが、言葉に出来ない。こんなことを聞いてもいいのだろうか。自分で調べればどうにかなるだろう。そう思うと声に出来なかった。
ちらりとさやかを見ると、柔らかく微笑んだ。その様子に諦めようと閉じた口を開く。
「あの、さやかさん」
「なぁに?」
「ここにはまだ、何人かいるんですか?」
「ええ、あと三人いるわ」
ここ数日は伯爵と二人静かな時間を過ごしていた。時折騒がしい烏がやってくるのだが。てっきり他には誰もいないものだと思っていたが、ここへ来たには私だけではないようだ。安心したけれど、少しだけ残念な気がした。別に嫌な感じだったわけではない。問題は私にあるのだ。
「あなたが新入りのつむぎちゃんね」
「そうですが……」
「私はさやかよ。ここに住んでるの」
「初めまして。つむぎです」
長身の着物姿の女の人はにこやかに挨拶をしてくれた。後ろに隠れていた男の子は、彼女に促されひょこっと顔を出した。目を怪我しているようで片目には眼帯をつけていた。大きな目で見つめられるとなんだか逸らせない。
「つむぎです。よろしくね」
視線を合わせるようにしゃがむと、顔を隠してしまった。馴れ馴れしかっただろうか。
子供の扱いはよく分からない。フレンドリーに行こうと思ったが、やはり最初は敬語が良かったと後悔した。
「この子、恥ずかしがり屋なの。熊吉、挨拶の練習したでしょ」
「熊吉です……。つむぎちゃんと仲良くなりたいです」
さやかの後ろから顔を出したのは熊吉ではなく熊の人形だった。片手を振るような仕草をするのがあまりにも可愛らしくて、つい手を振り返してしまった。
彼女たちはこの屋敷の住人だそう。ならば、他にも住んでいる人はいるのだろうか。口を開きかけたが、言葉に出来ない。こんなことを聞いてもいいのだろうか。自分で調べればどうにかなるだろう。そう思うと声に出来なかった。
ちらりとさやかを見ると、柔らかく微笑んだ。その様子に諦めようと閉じた口を開く。
「あの、さやかさん」
「なぁに?」
「ここにはまだ、何人かいるんですか?」
「ええ、あと三人いるわ」
ここ数日は伯爵と二人静かな時間を過ごしていた。時折騒がしい烏がやってくるのだが。てっきり他には誰もいないものだと思っていたが、ここへ来たには私だけではないようだ。安心したけれど、少しだけ残念な気がした。別に嫌な感じだったわけではない。問題は私にあるのだ。
