学園一の女に一目惚れされて

 あの日以来、中城様派と中城様と望美様派からの攻撃は落ち着き平穏を取り戻していた。

「おはよー、心愛」

「おはよー、結芽」

「良かったね、望美様が結芽を庇ってくれたんだね」

「そうみたい」

「お礼言わなきゃだね」

「うん、そうだね……」

「で、実際あれから心境に変化とかあったの?」

「変化、かぁ……」

 そう言われてみれば、私の中の望美の印象が完璧であることに変わりはないのだが、ほんの少しだけ頼もしいとも思っていた。

「安心感とかはあるんじゃないの?」

「まぁ、あるけど……」

「ほら、やっぱり!今はまだ気付いてないだけでいつかは好きになるよ、きっと」

「そうなのかなぁ……?」

「そうだよ!あ、望美様だ」

 その時、前方に望美と知らない人が望美に声をかけているのが見えた。

 その時、何とも言えないモヤモヤとした気持ちになった。

 なんなんだろう、これ……

「好きです!付き合ってください!」

 その時、大きな声の告白が聞こえてきた。

「告白されてるじゃん、望美様」

 心愛の声にも反応が出来ないくらいに私はその告白に乱されていた。

「結芽ー?」

「え?何?」

「もー、どうしちゃったの?早く行くよ」

「待ってよー!」








 教室に着いてからも、私は望美が告白されていたシーンが頭にこびりついて離れなかった。

「南雲、教科書読んで」

 授業にも集中出来てなかったのかバレて先生に当てられる。

「はい」

 教科書を音読させられた後は、集中しようとするがやっぱりあのシーンが頭から離れなかった。








 お昼、私は心愛を誘ってお弁当をたべていた。

「大丈夫?望美様と居なくても良いの?」

「今、望美様の所に行くと私が耐えられない」

「どうしたの?」

「今朝、望美様が告白されてたじゃない?」

「うん」

「あれを見てからなんかモヤモヤするんだよね」

「それ、嫉妬じゃない?」

「嫉妬?まさかー」

「でも、望美様に好きって言われてたのに他の人にも同じ対応するの?っていう不安?」

「そういうものなのかなー……」

「そういうもんなの!」








 あれから、数日が経った。

 望美のことを何となく避けてしまうようになっていた。

「望美様、目に見えて落ち込んでるよ?結芽を守り抜いてくれた人を泣かせて良いの?」

「……良くない」

「でしょ?」

「でも、やっぱり……あのシーンが頭から離れないんだよね」

「んで、そのシーンをひたすら思い出して結芽はどう思ってるの?」

「望美様が離れていくみたいで寂しい……」

「それを分かってるなら、望美様のことが好きなんだよ。ずっと望美様と一緒に居たいって思ってるってことだよ」

「そうなのかな……でも、心愛に言われるとそんな気がする」

「でしょ?ほら、早く望美様に話しかけて喜ばせてあげなよ」

「うん」