コンコンコン
「失礼します,2年1組 高橋 唯です
学年主任の佐藤先生はいますか」
私の声だけが響いて誰も答えてはくれなかった
(聞こえなかったのかな,)
と不安に思ったその時
「はいはい、ここに居ますよぉ」
(返事くらいしてくれても,)
と少しイラっとした
ゆっくり歩いてきた佐藤先生はおばあさんで
デリカシーのない人なのであまり人気はない
「で 何のようだい?」
「担任の小森先生にこの書類を渡して欲しいって
頼まれまして,」
と言いながら私は書類を手渡す
「?ああ 分かったありがとうねぇ」
「えっとじゃあ私は失礼しますね」
書類を目を細めて確認しているので私は帰ろうとする
(何事もなく帰れそうだ,良かった)
「ああ ちょっと待っておくれ
少し話さないかぃ?」
(げ,すぐ帰りたかったのにな上手く誤魔化して,)
「えっと私まだ頼まれていることがあるので」
いつも通り笑ったつもりだったけど急な事でちゃんと笑えているだろうか,と心境は不安でいっぱいだった
「あら,表情が硬いわねぇ苦笑いしてるわよ
どうかしたのかしら、いつもと違うわね」
と言われてしまった ドクンと心臓が大きく跳ねた,
ような気がした
「••••気のせいじゃないですか?
すみません 授業も始まるので(笑)」
と逃げるように教室へ帰った
それからはあまり覚えていない
ただ黒板に書かれた文字をノートに写し授業が終わったら黒板を消す,遥や他の子に話しかけられたような気もするが、何だったか、受け答えは出来ていたと思う あっという間に放課後になっていた
