イケメンを観察していたら好きになってしまいました

 頭が混乱していた。
「俺の勘違い…?」
 勝手に美咲の為にと杉浦に近づいて、勝手に恋をして、勝手にふってしまった。
 最低すぎる…。
 
 杉浦観察ノートをパラパラめくる。
 最初は外見のことばかり書いていた。
 次第に杉浦を知るたびに、彼の内面に触れ、内面を好きになった。
 最後のページ。
『坂本が好き』
 杉浦の字。

 まだ、間に合うだろうか。
 俺はあいつの1番近くにこれからもいていいのだろうか。



「長谷川、桜木!杉浦は?」
 杉浦を探した。
「さっき女子に呼ばれてたから告白じゃね?」 
「どっちいったかわかる?」
「右に出てったから校舎裏じゃね?」
「わかった!ありがとう」
 俺は走った。
 走る事は苦手だ。  
 すぐに息が上がる。腹が痛くなる。
 それでも、俺は走らなければならない。



「杉浦!」
 校舎裏、杉浦が1人。女の子はいない。
 告白は終わったのだろうか、また杉浦の心はすり減らされたのだろうか。
 俺はそのまま飛び込んだ。
 杉浦なら、受け止めてくれると思ったから。
「坂本?」
「杉浦、ごめん。辛い思いさせて、ごめん。俺、杉浦が好きだ。いっぱい傷つけてごめん。ごめん」
 きつくぎゅっと抱きしめた。
「お前をもう傷つけない。明日から女の子からの告白は俺が全部断ってやる。だから、ごめん。俺はお前の1番近くにいたい」
「坂本…。顔あげて」
 俺の頬を杉浦が優しく包む。
「……てか、何で坂本が俺への告白断る役やろうとするかなぁ。全く…」
「知れば知るほど、お前が好きだ。頑固なところも、たまにわがままなところも。嫌なところも全部大好きだ。お前に好きだと言われて嬉しかった。なのに。この前あんな風に言って悪かった。お前には俺しかいない。俺の他なんていないから。俺はこれからもお前の1番近くにいる」
「すご…。今までの告白で1番グッと来た…」
 杉浦は俺の額にチュッとキスをした。
「俺の事、知ろうとしてくれて嬉しかった。俺は坂本が好きだよ。代わりなんていない」
 そう言って今度は唇にそっとキスをした。
 
 


【おしまい】