終着駅の播州赤穂。
大阪行きの終電までの乗り継ぎ時間、深夜の無人となった古い待合室。
蛍光灯がチカチカと不気味に瞬く木造のベンチの陰で、私は少年のすべてを奪い去った。
「あ……シィカさん、シィカさん……っ!」
透の震える唇が、私の唇を貪る。
初めての女の感触に狂わされ、理性を失っていく少年の瞳。
私は蓮見に付けられた首筋の痛みを燃料にして、これまでに男たちから奪ってきたあらゆる技術と色香を、この少年の純白の精神に注ぎ込んだ。
ベンチに背中を預け、スカートを捲り上げる。
少年の不器用な指先が私の奥へと侵入するたび、私は耳元で狂おしいほどの甘い喘ぎ声を響かせた。
「上手……っ、透くん、すごいよ……っ」
「僕……僕、もうおかしくなりそうです……! シィカさん、好きです、本当に好きです……!」
愛の告白。
それは、少年にとって一生に一度の、神聖な初恋の言葉。
私はその言葉を舌先で受け止めながら、心の中で冷徹に舌を出した。
(せやで。狂いなはれ。一生、私の身体の味を思い出して、普通の女の子じゃ勃たんようになりなはれ)
固い木製ベンチの上で、二人の熱い汗が交じり合い、少年は私の胸の中で激しく果てた。
涙を流しながら、私の髪に顔を埋める透。
「僕、大阪までついていきます! 連絡先、教えてください……僕、シィカさんとずっと一緒に……」
列車が入線してくるベルが鳴り響いた。
私は透の頭を優しく撫でると、冷たい手つきで彼を押し退け、立ち上がった。
「ダメだよ、透くん」
完璧な微笑み。
「物語は、一番綺麗なところでページを閉じなきゃ」
「え……?」
「さようなら、私の可愛い読書感想文」
私は走り出し、滑り込んできた新快速のドアへと飛び込んだ。
プシュー、とドアが閉まる。
ガラス越しに、半狂乱になってホームを追いかけてくる透の姿が見えた。私の名を叫び、涙で顔をぐしゃぐしゃにして、閉ざされた扉を叩く少年。
列車が無情に加速し、少年の姿が夜の闇へと小さく消えていく。
私はシートに座り、最後の一滴まで自尊心を満たされた充足感に、深く、甘いため息をついた。
「……あー、すっきりした。知らんけど」
大阪行きの終電までの乗り継ぎ時間、深夜の無人となった古い待合室。
蛍光灯がチカチカと不気味に瞬く木造のベンチの陰で、私は少年のすべてを奪い去った。
「あ……シィカさん、シィカさん……っ!」
透の震える唇が、私の唇を貪る。
初めての女の感触に狂わされ、理性を失っていく少年の瞳。
私は蓮見に付けられた首筋の痛みを燃料にして、これまでに男たちから奪ってきたあらゆる技術と色香を、この少年の純白の精神に注ぎ込んだ。
ベンチに背中を預け、スカートを捲り上げる。
少年の不器用な指先が私の奥へと侵入するたび、私は耳元で狂おしいほどの甘い喘ぎ声を響かせた。
「上手……っ、透くん、すごいよ……っ」
「僕……僕、もうおかしくなりそうです……! シィカさん、好きです、本当に好きです……!」
愛の告白。
それは、少年にとって一生に一度の、神聖な初恋の言葉。
私はその言葉を舌先で受け止めながら、心の中で冷徹に舌を出した。
(せやで。狂いなはれ。一生、私の身体の味を思い出して、普通の女の子じゃ勃たんようになりなはれ)
固い木製ベンチの上で、二人の熱い汗が交じり合い、少年は私の胸の中で激しく果てた。
涙を流しながら、私の髪に顔を埋める透。
「僕、大阪までついていきます! 連絡先、教えてください……僕、シィカさんとずっと一緒に……」
列車が入線してくるベルが鳴り響いた。
私は透の頭を優しく撫でると、冷たい手つきで彼を押し退け、立ち上がった。
「ダメだよ、透くん」
完璧な微笑み。
「物語は、一番綺麗なところでページを閉じなきゃ」
「え……?」
「さようなら、私の可愛い読書感想文」
私は走り出し、滑り込んできた新快速のドアへと飛び込んだ。
プシュー、とドアが閉まる。
ガラス越しに、半狂乱になってホームを追いかけてくる透の姿が見えた。私の名を叫び、涙で顔をぐしゃぐしゃにして、閉ざされた扉を叩く少年。
列車が無情に加速し、少年の姿が夜の闇へと小さく消えていく。
私はシートに座り、最後の一滴まで自尊心を満たされた充足感に、深く、甘いため息をついた。
「……あー、すっきりした。知らんけど」


