・
・【13 バイト(3)】
・
「じゃあお客様ならお客様らしくご購入お願いします」
と俺は軽く頭を下げて言うと、オバサン店員が爆笑した。邪魔過ぎる。オジサンは顔を真っ赤にしながら、
「何なんだ! オマエはこのレジ打ちの何なんだ!」
と言いながら、小山莉愛のことを指差した。俺は淡々と、
「まずご購入よろしくお願いします」
オジサンはデカい声で、
「会話にならねぇ!」
と言って、そっちだろとも思ったけども、ここは多分これを言えば引き下がるだろうと思って、言うことにした。
「そうそう、このレジ打ちは俺の彼女です。彼女のことを守ろうとすることは当然でしょう」
オジサンはめっちゃデカい声で、
「何だよ! 専用チンコ有してるのかよ!」
という聞いたことない捨て台詞を吐いてその場を去っていった。オバサン店員は何かニヤニヤしながら、いなくなった。何なんだ。特にオバサン店員のほう。
俺は小山莉愛へ、
「彼女ということにしちゃってゴメン。でもそう言ったほうが逃げると思ったから」
小山莉愛は少し困惑しつつも微笑みながら、
「いや私も正直そういうことにしたほうが早く済むなぁ、とか思っていたから大丈夫だよ。というか有難うね、佐野」
まあその場はそれで収まったんだけども、問題は俺と小山莉愛がバックヤードに戻った時だった。
なんとさっきのパートのオバサン店員から、
「あんたたち付き合ってんのぉ? エロぉいぃわねぇ?」
付き合っているだけでエロいはずないし。というかそういうこと思っても、そうやって本人に直接伝えるか?
俺は即座に、
「付き合っているって言ったほうがオジサンがいなくなると思ったんで。嘘です。付き合っていないです。小山莉愛にはちゃんと別の想い人がいます」
と言うと、小山莉愛は少し恥ずかしそうに俺を小突いてきた。でもだって、小山莉愛は花田のことが好きなんだろ?
でもオバサン店員はさっきと同じトーンで、
「あぁーん、本当は付き合ってるくせぇにぃ。ねぇ。ねぇ。ねぇ」
息がクサいって言っちゃダメかな。さらにはいつの間にかバックヤードにいた大学生からは舌打ちもされてしまう。
いやだから、
「本当に付き合っていないんですって。そう言ったほうがいいって、大人だったら分かるでしょ。説明されなくても分かりますよね?」
ちょっと嫌味っぽくなってしまったが、本当にそうなんだから仕方ない。小山莉愛のほうも、
「そうです。付き合っていないです。私、佐野みたいなタイプ、人としては嫌いなので」
オバサン店員はニヤニヤしながら、
「嫌いなら同じバイトで働かないでしょぉぉお? 嫌も嫌よも好きのうちぃ?」
俺は反射で、
「キモい昭和の言葉言わないでください」
と言ってしまうと、大学生はブハッと笑った。オバサン店員はフンと、本当に鼻息を立てていって、そのままどこかへ行った。だからってあのオバサン店員は仕事のほうじゃなくて、何か裏方のほうへ爪先が向いていた。
まあその日のバイトを終えて、いつも通り小山莉愛と定食屋”はなだ亭”へ行くと、まあ小山莉愛がオバサン店員のことを愚痴りまくる愚痴りまくる。
確かになと思いながら、相槌を打っていると、隣から聞き覚えのある声がした。
「付き合ってるくせにねぇぇ? ほら一緒にカツ丼なんてぇ、このあとぉ、豚肉セックスじゃぁなぁいぃ?」
なんと、あのパートのオバサン店員が団体で”はなだ亭”に入って来ていたのだ。スーパーのパートのオバサン店員の団体の中には室内なのにサングラスを掛けているような変なヤツもいる。八人でこんな地元の定食屋みたいなところに来るか? いやそれはまあいいか。問題はそのオバサン店員がずっと無いことばかり喋っているのだ。
「この二人、付き合っているのよぉ。高校生のセックスって感じぃ? 同じバイトで一緒に倉庫には入れないようにしなきゃねぇ。でもところ構わず入れちゃうかもねぇぇ。スーパー中がゴムクサくなっちゃうかもぉ。いやぁ~んぅ」
本当に気持ち悪い。こんなに美味しいカツ丼が不味くなるほどに。と思ったその時だった。対面で座る小山莉愛が驚愕した顔で目線をどこかに送っていたので、俺はそちらを振り向いた。すると、なんと花田がこちらの様子を伺うように立っていて、俺は即座にスマホを取り出して、花田にLIMEした。
花田はLIMEに慣れていないのか、まだブロックしていなかったようで、俺はメッセージを送ることが出来た。いやブロックされていてもメッセージは送れるんだっけ? どうだったかは覚えていない。でも言いたいことが今あるので送るしかない。
『本当に付き合っていないから』
『レジ打ちしていた小山莉愛がオジサンに絡まれていたから助けるために付き合っているって嘘ついた』
すぐさま小山莉愛のメッセージも飛んだ。
『そうそう 佐野の言う通り 嘘で付き合ったことにしたんだけども オバサンが信じてくれないの』
『私は今も本当に一郎のことが好きだよ』
まあ花田は仕事中なのでスマホを見れないだろうけども。花田は不快そうな面持ちでまた厨房へ消えていった。
これは本当に危険な状況なんじゃないか? 花田には俺と小山莉愛からのメッセージを信じてもらうしかない。
カツ丼はちょっと早食いした。小山莉愛も同じように早食いしていたみたいで急いで”はなだ亭”から出て行った。小山莉愛とは大した挨拶もせず。
家に戻って、午後九時頃、花田からLIMEのメッセージがきた時に、ブロックされていなかったんだとホッとした。花田からのメッセージは、
『本当は付き合っているんでしょ。そんなことだろうと思っていたよ。』
小山莉愛が矢継ぎ早に、
『違うって!私の言うことを信じてよ!』
花田がすぐに、
『うちで見せつけるようにデートしないでよ。不快だよ。』
これはもう直接弁明するしかないと思った。というわけで小山莉愛にも連絡して、第一金曜日の定休日に直接会いに行くことにした。
当日、午後八時半頃に小山莉愛と共に花田の家の玄関チャイムを鳴らすと、店主のオッサンが顔を出してくれて、快く家に入れてくれた。外堀から埋めていくじゃないけども、店主のオッサンからは多少なりの信頼を得ているらしい。全然怪しまれない。いや自分たちは自分たちのこと怪しくないと思っているわけだけども。
店主のオッサンに促されるまま居間で待っていると、花田が顔出し、ぽかんとした顔で、
「今更何っ?」
俺が喋ろうとすることを制した小山莉愛が、
「ちょっと部屋に行って話をさせてほしいの、と言っても、付き合っていないということを弁明したいだけだけども」
花田は一息ついてから、
「別に。付き合っているんでしょ。でもまあ話は聞くから、部屋に来ていいよ」
と言ったので、俺と小山莉愛は黙って花田の部屋へついていった。
前は俺と花田が対面で座布団に座って、小山莉愛がベッドに座ったけども、と思っていると、同じように小山莉愛は靴下を脱いでベッドに座った。何か意志強いな、とは思った。でも変に狭いところで俺と肩が触れそうな距離で隣同士に座ったら、それこそ付き合っているようにも見えるだろうから、これが最適解なんだろうな。
全員動きが止まったところで俺は喋り出した。
「LIMEで言った通り、俺と小山莉愛は付き合っていない。小山莉愛がオジサンに絡まれていて、簡単にいなすために付き合っていることにしたら、パートのオバサン店員が本気だと勘違いしただけだ」
小山莉愛も矢継ぎ早に、
「本当にそういうこと! 私! 佐野のこと好きになるはずないじゃん! あんな命令してくる人間だよっ? 改心したって絶対無理だよ! 性根は絶対変わっていないよ!」
めっちゃディスられているけども、話の腰を折ることは良くないので、軽く頷くことにした。
すると花田が、
「でも実際一緒にバイトしているんでしょ? 付き合っているからでしょう」
俺は即座に、
「付き合っていたら同じバイトしないって! バイトって仕事じゃん! 仕事中にコイツがヘマしたら俺叱りそうじゃんっ? 好き合っている同士なのに叱るとかしたくないじゃん? 出来るだけ機嫌取りたいじゃん? だから同じバイトしてるのって付き合っていない証明だよ! 毎日”はなだ亭”で食事するために、お金が欲しくて、あと一緒に夕方行けるから同じだけ!」
花田は溜息交じりに、
「だからもう来なくていいですよ、いちいち食べに来なくて。カツ丼って工程の割にそんな高くないですし。こっちのコスパが悪いんですよね」
俺はそんなぁ、と思ってしまい、尻込みしてしまった。
そのタイミングで小山莉愛が喋り出した。
「カツ丼作るの好きなくせに! 常に美味しいカツ丼を探求してるくせに! 他の料理もさ!」
花田は少し嫌そうな顔をしながら、
「もうそういう話も忘れてほしいです。関係無いんですから」
俺はぐっと力を込めて、
「関係無くない! というか花田こそ高校と関係あるだろ! 栄養学を学べるように大学行きたいんだろっ? じゃあ高校行かないとダメだろ! 一緒に高校行こうぜ!」
すると花田は小山莉愛のほうをチラリと見てから、
「付き合っているから、僕の個人情報を佐野くんに全部、何でも言うんだね」
その時だった。
小山莉愛が、
「違う!」
と声を荒らげたと思ったら、ボロボロ涙を流し始めた。
・【13 バイト(3)】
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「じゃあお客様ならお客様らしくご購入お願いします」
と俺は軽く頭を下げて言うと、オバサン店員が爆笑した。邪魔過ぎる。オジサンは顔を真っ赤にしながら、
「何なんだ! オマエはこのレジ打ちの何なんだ!」
と言いながら、小山莉愛のことを指差した。俺は淡々と、
「まずご購入よろしくお願いします」
オジサンはデカい声で、
「会話にならねぇ!」
と言って、そっちだろとも思ったけども、ここは多分これを言えば引き下がるだろうと思って、言うことにした。
「そうそう、このレジ打ちは俺の彼女です。彼女のことを守ろうとすることは当然でしょう」
オジサンはめっちゃデカい声で、
「何だよ! 専用チンコ有してるのかよ!」
という聞いたことない捨て台詞を吐いてその場を去っていった。オバサン店員は何かニヤニヤしながら、いなくなった。何なんだ。特にオバサン店員のほう。
俺は小山莉愛へ、
「彼女ということにしちゃってゴメン。でもそう言ったほうが逃げると思ったから」
小山莉愛は少し困惑しつつも微笑みながら、
「いや私も正直そういうことにしたほうが早く済むなぁ、とか思っていたから大丈夫だよ。というか有難うね、佐野」
まあその場はそれで収まったんだけども、問題は俺と小山莉愛がバックヤードに戻った時だった。
なんとさっきのパートのオバサン店員から、
「あんたたち付き合ってんのぉ? エロぉいぃわねぇ?」
付き合っているだけでエロいはずないし。というかそういうこと思っても、そうやって本人に直接伝えるか?
俺は即座に、
「付き合っているって言ったほうがオジサンがいなくなると思ったんで。嘘です。付き合っていないです。小山莉愛にはちゃんと別の想い人がいます」
と言うと、小山莉愛は少し恥ずかしそうに俺を小突いてきた。でもだって、小山莉愛は花田のことが好きなんだろ?
でもオバサン店員はさっきと同じトーンで、
「あぁーん、本当は付き合ってるくせぇにぃ。ねぇ。ねぇ。ねぇ」
息がクサいって言っちゃダメかな。さらにはいつの間にかバックヤードにいた大学生からは舌打ちもされてしまう。
いやだから、
「本当に付き合っていないんですって。そう言ったほうがいいって、大人だったら分かるでしょ。説明されなくても分かりますよね?」
ちょっと嫌味っぽくなってしまったが、本当にそうなんだから仕方ない。小山莉愛のほうも、
「そうです。付き合っていないです。私、佐野みたいなタイプ、人としては嫌いなので」
オバサン店員はニヤニヤしながら、
「嫌いなら同じバイトで働かないでしょぉぉお? 嫌も嫌よも好きのうちぃ?」
俺は反射で、
「キモい昭和の言葉言わないでください」
と言ってしまうと、大学生はブハッと笑った。オバサン店員はフンと、本当に鼻息を立てていって、そのままどこかへ行った。だからってあのオバサン店員は仕事のほうじゃなくて、何か裏方のほうへ爪先が向いていた。
まあその日のバイトを終えて、いつも通り小山莉愛と定食屋”はなだ亭”へ行くと、まあ小山莉愛がオバサン店員のことを愚痴りまくる愚痴りまくる。
確かになと思いながら、相槌を打っていると、隣から聞き覚えのある声がした。
「付き合ってるくせにねぇぇ? ほら一緒にカツ丼なんてぇ、このあとぉ、豚肉セックスじゃぁなぁいぃ?」
なんと、あのパートのオバサン店員が団体で”はなだ亭”に入って来ていたのだ。スーパーのパートのオバサン店員の団体の中には室内なのにサングラスを掛けているような変なヤツもいる。八人でこんな地元の定食屋みたいなところに来るか? いやそれはまあいいか。問題はそのオバサン店員がずっと無いことばかり喋っているのだ。
「この二人、付き合っているのよぉ。高校生のセックスって感じぃ? 同じバイトで一緒に倉庫には入れないようにしなきゃねぇ。でもところ構わず入れちゃうかもねぇぇ。スーパー中がゴムクサくなっちゃうかもぉ。いやぁ~んぅ」
本当に気持ち悪い。こんなに美味しいカツ丼が不味くなるほどに。と思ったその時だった。対面で座る小山莉愛が驚愕した顔で目線をどこかに送っていたので、俺はそちらを振り向いた。すると、なんと花田がこちらの様子を伺うように立っていて、俺は即座にスマホを取り出して、花田にLIMEした。
花田はLIMEに慣れていないのか、まだブロックしていなかったようで、俺はメッセージを送ることが出来た。いやブロックされていてもメッセージは送れるんだっけ? どうだったかは覚えていない。でも言いたいことが今あるので送るしかない。
『本当に付き合っていないから』
『レジ打ちしていた小山莉愛がオジサンに絡まれていたから助けるために付き合っているって嘘ついた』
すぐさま小山莉愛のメッセージも飛んだ。
『そうそう 佐野の言う通り 嘘で付き合ったことにしたんだけども オバサンが信じてくれないの』
『私は今も本当に一郎のことが好きだよ』
まあ花田は仕事中なのでスマホを見れないだろうけども。花田は不快そうな面持ちでまた厨房へ消えていった。
これは本当に危険な状況なんじゃないか? 花田には俺と小山莉愛からのメッセージを信じてもらうしかない。
カツ丼はちょっと早食いした。小山莉愛も同じように早食いしていたみたいで急いで”はなだ亭”から出て行った。小山莉愛とは大した挨拶もせず。
家に戻って、午後九時頃、花田からLIMEのメッセージがきた時に、ブロックされていなかったんだとホッとした。花田からのメッセージは、
『本当は付き合っているんでしょ。そんなことだろうと思っていたよ。』
小山莉愛が矢継ぎ早に、
『違うって!私の言うことを信じてよ!』
花田がすぐに、
『うちで見せつけるようにデートしないでよ。不快だよ。』
これはもう直接弁明するしかないと思った。というわけで小山莉愛にも連絡して、第一金曜日の定休日に直接会いに行くことにした。
当日、午後八時半頃に小山莉愛と共に花田の家の玄関チャイムを鳴らすと、店主のオッサンが顔を出してくれて、快く家に入れてくれた。外堀から埋めていくじゃないけども、店主のオッサンからは多少なりの信頼を得ているらしい。全然怪しまれない。いや自分たちは自分たちのこと怪しくないと思っているわけだけども。
店主のオッサンに促されるまま居間で待っていると、花田が顔出し、ぽかんとした顔で、
「今更何っ?」
俺が喋ろうとすることを制した小山莉愛が、
「ちょっと部屋に行って話をさせてほしいの、と言っても、付き合っていないということを弁明したいだけだけども」
花田は一息ついてから、
「別に。付き合っているんでしょ。でもまあ話は聞くから、部屋に来ていいよ」
と言ったので、俺と小山莉愛は黙って花田の部屋へついていった。
前は俺と花田が対面で座布団に座って、小山莉愛がベッドに座ったけども、と思っていると、同じように小山莉愛は靴下を脱いでベッドに座った。何か意志強いな、とは思った。でも変に狭いところで俺と肩が触れそうな距離で隣同士に座ったら、それこそ付き合っているようにも見えるだろうから、これが最適解なんだろうな。
全員動きが止まったところで俺は喋り出した。
「LIMEで言った通り、俺と小山莉愛は付き合っていない。小山莉愛がオジサンに絡まれていて、簡単にいなすために付き合っていることにしたら、パートのオバサン店員が本気だと勘違いしただけだ」
小山莉愛も矢継ぎ早に、
「本当にそういうこと! 私! 佐野のこと好きになるはずないじゃん! あんな命令してくる人間だよっ? 改心したって絶対無理だよ! 性根は絶対変わっていないよ!」
めっちゃディスられているけども、話の腰を折ることは良くないので、軽く頷くことにした。
すると花田が、
「でも実際一緒にバイトしているんでしょ? 付き合っているからでしょう」
俺は即座に、
「付き合っていたら同じバイトしないって! バイトって仕事じゃん! 仕事中にコイツがヘマしたら俺叱りそうじゃんっ? 好き合っている同士なのに叱るとかしたくないじゃん? 出来るだけ機嫌取りたいじゃん? だから同じバイトしてるのって付き合っていない証明だよ! 毎日”はなだ亭”で食事するために、お金が欲しくて、あと一緒に夕方行けるから同じだけ!」
花田は溜息交じりに、
「だからもう来なくていいですよ、いちいち食べに来なくて。カツ丼って工程の割にそんな高くないですし。こっちのコスパが悪いんですよね」
俺はそんなぁ、と思ってしまい、尻込みしてしまった。
そのタイミングで小山莉愛が喋り出した。
「カツ丼作るの好きなくせに! 常に美味しいカツ丼を探求してるくせに! 他の料理もさ!」
花田は少し嫌そうな顔をしながら、
「もうそういう話も忘れてほしいです。関係無いんですから」
俺はぐっと力を込めて、
「関係無くない! というか花田こそ高校と関係あるだろ! 栄養学を学べるように大学行きたいんだろっ? じゃあ高校行かないとダメだろ! 一緒に高校行こうぜ!」
すると花田は小山莉愛のほうをチラリと見てから、
「付き合っているから、僕の個人情報を佐野くんに全部、何でも言うんだね」
その時だった。
小山莉愛が、
「違う!」
と声を荒らげたと思ったら、ボロボロ涙を流し始めた。



