香津世は浜地の相談にどう対応しようか迷いました。わたしは、中卒の元すし職人で、技術者でも何でもない。それなのに、どうして、わたしなんかに相談してくるのだろう? とも思いました。すると、浜地は、ニューヨークで、気軽に日本語で相談できる人で、業者を統括できるような人があまりいないと言うのです。兎に角、前回の香津世の助けが相当に役に立ったそうなのです。香津世は、それだったら手伝おうかという気になってきました。そして、素人だし、今まで世話になっているので、前もって、今回も報酬は要らないと言いました。
そして、その手伝いをしている間に、ある日系銀行のシステム担当者から連絡がありました。浜地から聞いたらしく、やはり、ネットワーク構築のコンサルティングをして欲しいと言うのです。このシステム担当は日本から来て間もなく、最初の仕事をしたときに、ユニオンの問題があって、失敗したらしいのです。現地のユニオン関係に詳しい人で、日本語で対応してくれると助かると言うのです。
このユニオンの問題というのは、米国の労働組合が仕事を確保するのための慣習に関するものです。相当に小さな仕事でも、オフィスビルを管轄するユニオンに所属する業者を使わなければならないと言うものです。もし、これに反すると、いたずらをされたり、最悪訴訟問題になりかねないと言われています。
香津世にとっては、ユニオンの業者と仕事をすることは当たり前の事で、これ自体は大した問題とは思っていませんでした。それに、オットーの務める電気工事会社の工事部門は皆ユニオンに所属しています。このような、現地事情としては極基本的なことが駐在員のシステム担当者には煩わしいようなのです。
このような機会を香津世が見逃すわけがありません。そして、思い起こせば、香津世は、すしシェフ時代の経験から、ニューヨークの日系企業の駐在員や出向社員をいやというほど知っているのです。その中の、システム担当者何人かにあたってみると、確実に仕事があります。それで、オットーに相談して、すぐに日本語対応コンピュータ・ネットワーク関連コンサルティングの会社を設立しました。賃貸料の低い小さなオフィスを借り、テクニシャン一人と事務員一人を雇って、ビジネスを始めました。
会社名は『サ・バ・システムズ』としました。英文名称は、フランス語の「Ça va?」(調子はどう?)を含んだ「Ça Va Systems」です。これは、常に顧客の様子を伺う姿勢を重要視することを意図しました。また、語呂合わせとして、ネットワークのサーバーとすしネタの鯖にも掛けました。そして、香津世がいつも会社のことを「鯖スシ」と言ってしまうので、関係者の間では、これが通称になりました。
仕事は順調に増え、その時のスタッフだけではとても賄えないので、現地の新聞や日本のジャパンタイムズに求人広告を出して、女性複数を含む、日本語の出来るコンサルタントとテクニシャンを雇いました。香津世が日本の寿司店で働いていた時のように、オーナーが女性というのは、女性社員にとって安心できる要素の一つであります。それで、女性の応募者が出て来たようです。数年の間に、社員数は20人を越え、オフィスも、もっと大きな所に移転しました。
そして、その手伝いをしている間に、ある日系銀行のシステム担当者から連絡がありました。浜地から聞いたらしく、やはり、ネットワーク構築のコンサルティングをして欲しいと言うのです。このシステム担当は日本から来て間もなく、最初の仕事をしたときに、ユニオンの問題があって、失敗したらしいのです。現地のユニオン関係に詳しい人で、日本語で対応してくれると助かると言うのです。
このユニオンの問題というのは、米国の労働組合が仕事を確保するのための慣習に関するものです。相当に小さな仕事でも、オフィスビルを管轄するユニオンに所属する業者を使わなければならないと言うものです。もし、これに反すると、いたずらをされたり、最悪訴訟問題になりかねないと言われています。
香津世にとっては、ユニオンの業者と仕事をすることは当たり前の事で、これ自体は大した問題とは思っていませんでした。それに、オットーの務める電気工事会社の工事部門は皆ユニオンに所属しています。このような、現地事情としては極基本的なことが駐在員のシステム担当者には煩わしいようなのです。
このような機会を香津世が見逃すわけがありません。そして、思い起こせば、香津世は、すしシェフ時代の経験から、ニューヨークの日系企業の駐在員や出向社員をいやというほど知っているのです。その中の、システム担当者何人かにあたってみると、確実に仕事があります。それで、オットーに相談して、すぐに日本語対応コンピュータ・ネットワーク関連コンサルティングの会社を設立しました。賃貸料の低い小さなオフィスを借り、テクニシャン一人と事務員一人を雇って、ビジネスを始めました。
会社名は『サ・バ・システムズ』としました。英文名称は、フランス語の「Ça va?」(調子はどう?)を含んだ「Ça Va Systems」です。これは、常に顧客の様子を伺う姿勢を重要視することを意図しました。また、語呂合わせとして、ネットワークのサーバーとすしネタの鯖にも掛けました。そして、香津世がいつも会社のことを「鯖スシ」と言ってしまうので、関係者の間では、これが通称になりました。
仕事は順調に増え、その時のスタッフだけではとても賄えないので、現地の新聞や日本のジャパンタイムズに求人広告を出して、女性複数を含む、日本語の出来るコンサルタントとテクニシャンを雇いました。香津世が日本の寿司店で働いていた時のように、オーナーが女性というのは、女性社員にとって安心できる要素の一つであります。それで、女性の応募者が出て来たようです。数年の間に、社員数は20人を越え、オフィスも、もっと大きな所に移転しました。

