オットーに聞かれて、矢紗史は志珠香との出会いを回想しました。
志珠香はお客さんの娘で、よく魚屋に来ていたんだ。凄く可愛くて、ぼくはいつもどうやって話しかけようかと考えていた。ところが、志珠香は、いつも何も話さない。それを見ていて、このぼくでさえ、守ってあげなくては、と思ってしまった。それで、付き合ってみたいなぁと思ってたんだけど、なかなか近づけなかった。
そうしたら、店主はお見通しで、志珠香のお母さんと話してくれたんだ。すると、やっぱり、娘が人と話したがらないのには訳がある。それでも構わないなら、会わせてみても良いという返事だったらしい。それで、ある日、店主が、店の奥の座敷に志珠香とお母さんを通して、ぼくを呼んだんだよ。まぁ、行ってみれば、即席のお見合いみたいなものかなぁ。
当然、その席でも志珠香は一言も話さなかった。それで、なんだか変だけど、ぼくと志珠香のお母さんのお見合いみたいになってしまった。時々、店主がお茶を持ってきたり、割り込んで、ぼくのことを褒めてみたりもしたけどね。
それで、お互いの事をなんだかんだと話していたら、志珠香のお母さんが、こんな事を言った。「ねぇ、志珠香、矢紗史さんは真面目でいい人みたいだし、今度うちに夕食にでも来てもらわない?」ぼくはびっくりした。志珠香もびっくりしている様子だった。どういうことになるかと思っていたら、志珠香がお母さんの耳元で何やら囁いたんだ。すると、お母さんが、「志珠香もうちに来て欲しいと言ってますよ」と言ったんだ。
ぼくは、またびっくりしたけど、嬉しかった。それで、次の日曜日の夕食時に、志珠香の家にお邪魔したんだ。この時も、志珠香は一言も話さなかった。こんどは、ぼくが、志珠香の両親に面接をされているような感じだった。気さくなお母さんとは違って、お父さんは少し気難しいように思えた。そして、あまりしゃべらないタイプだった。
そして、夕食後に、デザートが出て、その時にお母さんが言ったんだ。「ねぇ、志珠香、矢紗史さんは信頼できる人のようだし、今度、デートに誘ってもらったら? お父さん、いいわよね?」そしたら、お父さんは結構びっくりしていたようだけど、どうやら、お母さんには反対できない様子だった。「あ~、うん。」とだけ言った。
そして、肝心の志珠香はと言うと、真っ赤な顔をして恥ずかしがっている。ぼくはまずいかなと思った。そしたら、志珠香がお母さんの耳元で何やら囁いた。お母さんは、事も無げに、「志珠香は誘って欲しいって言ってますよ」と言った。ぼくが志珠香の方を見ると顔をさらに赤くして、うつむいてしまった。
それで、ぼく達はデートをするようになったんだ。初めの頃、志珠香は、デートの最中も全く話をしなかった。ぼくが何かを聞くと良い・悪いと首を振って返事をしていた。それでも、ぼくの誘いにはいつも応じてくれた。そして、仕舞には、志珠香がお母さんにしていたように、ぼくの耳元で囁くようになったんだ。それで......、志珠香の最初に囁いた言葉が何か分かる? 「結婚したい」だったんだよ。
これを聞いていた志珠香は、真っ赤な顔をして、うつむいてしまいました。
どうやら、矢紗史夫婦はニューヨークのハネムーンを楽しんでくれたようで、香津世も安心しました。そして、半年ほどして、矢紗史から小包が届きました。手紙とうなぎパイが入っていました。それは、香津世が食べたいのだがニューヨークでは手に入らないと言ったからでした。
手紙には、こんな事が書いてありました。香っちゃんにオットー、ニューヨークではどうもありがとう。あの時はほんとに、楽しかった。この小包、海外に送るのが億劫で、だいぶ遅くなってしまった。ごめん。それから、志珠香は妊娠中なんだ。どうやら、ハネムーンベビーらしい。香っちゃん、いい名前のアイデアがあったら教えてね。女の子だって。
志珠香はお客さんの娘で、よく魚屋に来ていたんだ。凄く可愛くて、ぼくはいつもどうやって話しかけようかと考えていた。ところが、志珠香は、いつも何も話さない。それを見ていて、このぼくでさえ、守ってあげなくては、と思ってしまった。それで、付き合ってみたいなぁと思ってたんだけど、なかなか近づけなかった。
そうしたら、店主はお見通しで、志珠香のお母さんと話してくれたんだ。すると、やっぱり、娘が人と話したがらないのには訳がある。それでも構わないなら、会わせてみても良いという返事だったらしい。それで、ある日、店主が、店の奥の座敷に志珠香とお母さんを通して、ぼくを呼んだんだよ。まぁ、行ってみれば、即席のお見合いみたいなものかなぁ。
当然、その席でも志珠香は一言も話さなかった。それで、なんだか変だけど、ぼくと志珠香のお母さんのお見合いみたいになってしまった。時々、店主がお茶を持ってきたり、割り込んで、ぼくのことを褒めてみたりもしたけどね。
それで、お互いの事をなんだかんだと話していたら、志珠香のお母さんが、こんな事を言った。「ねぇ、志珠香、矢紗史さんは真面目でいい人みたいだし、今度うちに夕食にでも来てもらわない?」ぼくはびっくりした。志珠香もびっくりしている様子だった。どういうことになるかと思っていたら、志珠香がお母さんの耳元で何やら囁いたんだ。すると、お母さんが、「志珠香もうちに来て欲しいと言ってますよ」と言ったんだ。
ぼくは、またびっくりしたけど、嬉しかった。それで、次の日曜日の夕食時に、志珠香の家にお邪魔したんだ。この時も、志珠香は一言も話さなかった。こんどは、ぼくが、志珠香の両親に面接をされているような感じだった。気さくなお母さんとは違って、お父さんは少し気難しいように思えた。そして、あまりしゃべらないタイプだった。
そして、夕食後に、デザートが出て、その時にお母さんが言ったんだ。「ねぇ、志珠香、矢紗史さんは信頼できる人のようだし、今度、デートに誘ってもらったら? お父さん、いいわよね?」そしたら、お父さんは結構びっくりしていたようだけど、どうやら、お母さんには反対できない様子だった。「あ~、うん。」とだけ言った。
そして、肝心の志珠香はと言うと、真っ赤な顔をして恥ずかしがっている。ぼくはまずいかなと思った。そしたら、志珠香がお母さんの耳元で何やら囁いた。お母さんは、事も無げに、「志珠香は誘って欲しいって言ってますよ」と言った。ぼくが志珠香の方を見ると顔をさらに赤くして、うつむいてしまった。
それで、ぼく達はデートをするようになったんだ。初めの頃、志珠香は、デートの最中も全く話をしなかった。ぼくが何かを聞くと良い・悪いと首を振って返事をしていた。それでも、ぼくの誘いにはいつも応じてくれた。そして、仕舞には、志珠香がお母さんにしていたように、ぼくの耳元で囁くようになったんだ。それで......、志珠香の最初に囁いた言葉が何か分かる? 「結婚したい」だったんだよ。
これを聞いていた志珠香は、真っ赤な顔をして、うつむいてしまいました。
どうやら、矢紗史夫婦はニューヨークのハネムーンを楽しんでくれたようで、香津世も安心しました。そして、半年ほどして、矢紗史から小包が届きました。手紙とうなぎパイが入っていました。それは、香津世が食べたいのだがニューヨークでは手に入らないと言ったからでした。
手紙には、こんな事が書いてありました。香っちゃんにオットー、ニューヨークではどうもありがとう。あの時はほんとに、楽しかった。この小包、海外に送るのが億劫で、だいぶ遅くなってしまった。ごめん。それから、志珠香は妊娠中なんだ。どうやら、ハネムーンベビーらしい。香っちゃん、いい名前のアイデアがあったら教えてね。女の子だって。

