自分だけ、笑えない

俺ー有原純は、生きていた。
ご飯を食べて、
学校に行って、
勉強して、
寝て。

でも、高校2年の夏に、全てが変わった気がした。
彼女が出来た。
可愛くて、
愛おしくて、
何よりも大切にした。
彼女の意見なら、なんでも聞くことに、した。

夏祭りの日。
俺は彼女とデートをすることにした。わざわざ、彼女が花火が綺麗だからと言って、遠出することにした。
予定の10分前に待っている俺に、5分後に来た彼女が、手を振って走ってきた。
ああ、その時の彼女の浴衣のかわいさと言ったら!
そのかわいさでお米十杯いけるよ!
彼女がついた瞬間に手を握ってきた。
俺は嬉しかった。彼女の方から握ってくれるなんて!
そして、会場とは別方向に俺を引っ張って行った。
『あ、待って?逆だけど??』
と言っても、彼女はまるで何も気にしなかった。
すると、白い建物の前についた。
そのまま彼女はズンズン俺を中に入れていく。
(これっていわゆるあーゆーことするとこじゃ、)
『ねえ帰ろうよ。』
と俺が言っても、彼女は手続きを終わらせ、
部屋に俺のことを押し込んだ。
扉を閉じると、彼女はいった。

『やる?』

びっくりした。彼女がそんなに積極的だとは夢にもおもわなかったのだ。
やっちゃダメだ。本能が俺に囁く。行っちゃダメだ、そっちには。
だが、こんな、かわいい彼女の前で、欲望には勝てなかった。
気づいたら、ベッドの上で汗ばみながら、行為を終わらせた後だった。

家に帰ってすぐに、やったことを後悔した。
手のに残る彼女の体の感触。
ああ、罪な女だな。

一週間後、母さんがご飯中に一言。
『あなたさあ。』
『どうしたの母さん。』
と聞くと、
九州で生まれた母さんは、
『何しとっとね?女の子の体を蝕んだらあかん!なんでしたと?あんたは一家の顔汚しったい!』

一瞬、何を言ってるのか全くわからなかった。
そして、察した。ああ、あのことか。
でもなんで母さんに??
その疑問は、次の瞬間に粉砕された。

『彼女に手出したらあかんやろ!彼女ちゃん、ないとったで?有原くんに、体を触られて、ひどいことされたって。デートって言ったのに、ホテルに押し込まれたって!なんでんなことしたとね?、この阿呆!、、こ、、の、あほ、、』

母さんが泣いてしまった。
そして、俺も目が潤んだ。

『母さん、違うんだよ。逆なんだよ、彼女が俺を押し込んできたんだよ。誘ってきたんだよ。欲望に勝てなかったんだ。ごめんな、母さん。』

でも、信じてくれなかった。
誰も信じてくれなかった。
クラスでは当たり前のように浮いた。
彼女には振られた。
もう、自暴自棄になりそうだった。
壊れそうだった。