「お待ちください!」
張り詰めた空気を切り裂くような鋭い声が、主殿に響き渡った。数百の視線が一斉にその女官へと集まる。
顔には緊張の色が浮かんでいた。無理もない。これほどの人を前にして声をあげるなど、並大抵の度胸ではできまい。ましてや相手は妃である。
それでも女官は退かなかった。歯を食いしばり、目を爛々(らんらん)と炎の赤に揺らめかせながら、広場中央の妃を睨みつけている。
やがて意を決したようにこちらへ向き直ると、慇懃に一礼。
「発言をお許し願います」
この女官はなにを言うつもりか。かの妃の目論見を崩すか。それとも。
皇帝は黙って女官――麗麗を見た。
おもしろい。
この者が、我が『焱国』にとって光となるか、闇となるか。見定めてやろうではないか。
皇帝は目元にわずかな笑みを刻み、重々しく口を開いた。
「許す」
張り詰めた空気を切り裂くような鋭い声が、主殿に響き渡った。数百の視線が一斉にその女官へと集まる。
顔には緊張の色が浮かんでいた。無理もない。これほどの人を前にして声をあげるなど、並大抵の度胸ではできまい。ましてや相手は妃である。
それでも女官は退かなかった。歯を食いしばり、目を爛々(らんらん)と炎の赤に揺らめかせながら、広場中央の妃を睨みつけている。
やがて意を決したようにこちらへ向き直ると、慇懃に一礼。
「発言をお許し願います」
この女官はなにを言うつもりか。かの妃の目論見を崩すか。それとも。
皇帝は黙って女官――麗麗を見た。
おもしろい。
この者が、我が『焱国』にとって光となるか、闇となるか。見定めてやろうではないか。
皇帝は目元にわずかな笑みを刻み、重々しく口を開いた。
「許す」



