「いえいえ、今日はよろしくお願いします。わ〜、素敵なお部屋ですね!」
これはお世辞ではない。和モダンのインテリアで統一された室内は、初めて訪れたのにどこかホッとする空間だった。
アンティークと思わしき飴色の家具が、古民家の風情に合っている。そこにモダンな照明を合わせてくるなんて、センスあるなぁ。さすがは人気イラストレーター!
「ありがとうございます。ちょっと散らかってて、お恥ずかしいですが……」
江角さんが苦笑する。
散らかってる? どこが?
物が多くて雑然としてるって意味なんだろうけど、掃除と片付けはちゃんとされてるから、別に散らかってはいないような。
「いえいえ、そんなことないですよぉ!」
本日二度目のお世辞っぽい本音が出た。仕事は何とか完璧にこなすけど、家事が苦手な私の部屋なんて、こことは比べ物にならないくらいヤバいわよ……。
そんなことを密かに考えながら、奥の客間へ通される。すると、コーヒーの芳しい香りがふわりと漂った。テーブルの上には、お皿に載ったクッキーまである。
「今、コーヒーを淹れたんですよ。クッキーも焼き立てです。どうぞ、食べながら打ち合わせしましょう」
「すごい! ありがとうございます」
うう、私が背伸びしたって出来ない、丁寧な暮らし! 江角さんのお宅に来てからずっと、コンプレックスを刺激されまくりだ。せめて、仕事はちゃんとやるわよ!
心の中で気合いを入れ直した私は、美味しいコーヒーとクッキーを頂きながら、江角さんとのコラボアイテムの打ち合わせをした。
「こちらが、ポーチとハンドタオルの見本です」
江角さんの要望に合わせて、商品の見本をいくつか用意してきた。
「あっ、このポーチ、形がコロンとしてて可愛いなぁ。素材は変えられるんですか?」
「勿論です。素材のサンプルもお持ちしました」
大きくて重たいバッグから、素材のサンプルと色見本も取り出す。
「イラストの雰囲気に合う素材は、これかな……?」
「こちらもプリントが載りやすいので、オススメですよ」
それから二時間、白熱した打ち合わせが続いた。何年もこの仕事をしているけれど、一から物を作り出す過程はすごくワクワクする。
「では、今回決めた内容でサンプルを作りますね。完成したら、また細部を詰めましょう」
これはお世辞ではない。和モダンのインテリアで統一された室内は、初めて訪れたのにどこかホッとする空間だった。
アンティークと思わしき飴色の家具が、古民家の風情に合っている。そこにモダンな照明を合わせてくるなんて、センスあるなぁ。さすがは人気イラストレーター!
「ありがとうございます。ちょっと散らかってて、お恥ずかしいですが……」
江角さんが苦笑する。
散らかってる? どこが?
物が多くて雑然としてるって意味なんだろうけど、掃除と片付けはちゃんとされてるから、別に散らかってはいないような。
「いえいえ、そんなことないですよぉ!」
本日二度目のお世辞っぽい本音が出た。仕事は何とか完璧にこなすけど、家事が苦手な私の部屋なんて、こことは比べ物にならないくらいヤバいわよ……。
そんなことを密かに考えながら、奥の客間へ通される。すると、コーヒーの芳しい香りがふわりと漂った。テーブルの上には、お皿に載ったクッキーまである。
「今、コーヒーを淹れたんですよ。クッキーも焼き立てです。どうぞ、食べながら打ち合わせしましょう」
「すごい! ありがとうございます」
うう、私が背伸びしたって出来ない、丁寧な暮らし! 江角さんのお宅に来てからずっと、コンプレックスを刺激されまくりだ。せめて、仕事はちゃんとやるわよ!
心の中で気合いを入れ直した私は、美味しいコーヒーとクッキーを頂きながら、江角さんとのコラボアイテムの打ち合わせをした。
「こちらが、ポーチとハンドタオルの見本です」
江角さんの要望に合わせて、商品の見本をいくつか用意してきた。
「あっ、このポーチ、形がコロンとしてて可愛いなぁ。素材は変えられるんですか?」
「勿論です。素材のサンプルもお持ちしました」
大きくて重たいバッグから、素材のサンプルと色見本も取り出す。
「イラストの雰囲気に合う素材は、これかな……?」
「こちらもプリントが載りやすいので、オススメですよ」
それから二時間、白熱した打ち合わせが続いた。何年もこの仕事をしているけれど、一から物を作り出す過程はすごくワクワクする。
「では、今回決めた内容でサンプルを作りますね。完成したら、また細部を詰めましょう」



