笹と川のせせらぎ

彼女の会話の引き出しはすごいと思う。
感心するばかりだ。
こちらが話す隙がないくらい、マシンガントークなのだ。
どこからそんなに話のネタをもってくるのか不思議なくらいものすごかった。
どのくらいすごいって、一人でしゃべらせていても永遠と朝から晩まで独り言を言い続けるレベルだ。
元々、あまり話をするのが得意じゃない私にとって彼女は絶好の「話し相手」だったのかもしれない。
だって反論がかえってこないから。
無駄に会話が中断されないから。
もちろん、そう思っていたのは私だけで、彼女が実際どう思っていたかはわからない。
「会話が成立しないなー」
とか
「私だけ話しててつまらない!」
とか思われていたかもしれない。
でも毎日来てくれていたのだから、そんなことは思っていないんじゃないかなってなんとなくそんな気がした。


『お絵描きできるの?すごーい』

そんなことを言われたのを覚えている。
彼女は何事にも興味津々でどんなことでも目を輝かせていた。
そんなにいろんなことに興味を示していたら疲れないかな?とも思う。
でもきっと彼女はそんなこと気にしないんだろうなと自然とそう思う。
純粋に興味を示してくれるのでこちらもそれがうれしかった。

『今度は何の絵を描いているのー?』

本来、しつこすぎるとめんどくさいな~とか思うのかもしれないが、
彼女のその言葉からは煩わしさなんてひとかけらも感じず、
単純に嬉しかった。

だから自然と、
『これはね、ゴリラだよ』
と受け答えられていた。

彼女との会話はマシンガントークだったけど、
風のようになめらかでなんだか心地よかったのだ。