笹と川のせせらぎ

夏祭りを遊びつくしたせいか、それからしばらく彼女に会うことができなかった。
翌日にでも会いに行っていろいろな話をしたかったのだが、病院には入院していなかったのだ。
こんなとき、すぐにでも連絡を取れる手段があったらとても嬉しかった……
彼女と再び顔を合わせることができたのは1週間も後のことだった。

「ささ、久しぶり。身体、大丈夫?」
『ん。おは、よう』
『ちょっときつい…かも(エヘヘ)』

そう笑ってごまかしたが、彼女の顔色は明らかに悪そうだった。
ただでさえ真っ白な肌が余計に白く見え、腕にはチューブのようなものが刺さっていた。
ギュッと胸とシーツを握り、痛みに耐えているようだった。

「あの日、僕が連れまわしちゃったせいかな…?」
「ご、ごめんね?」
『君のせいじゃ…ないよ。これはボクの問題』
『あの日は夢のような時間だったよ?』
『すごく…すごく楽しかったんだから!(イタタッ)』

ついつい力説して力が入ってしまい、痛みを我慢していた。

「わわっ、ささ、大丈夫?あんまり無茶…しないで?」

そう言って背中をさする。
どこが痛いのかも分からないのでこの行為が果たして正解なのかは分からないが…

『ご、ごめんね。なんかお祭りの後からちょっと体調が悪くって…』
『ホントはあの後すぐにでもお話したかったんだけど…ごめん』
「ささは気にしないで!」
『本音は君と一緒にいろんな積もる話をしたかったのに…』
『この指輪のお礼だってまだちゃんと言えてなかったし!』

そう言って自慢げに彼女はあのときにプレゼントした指輪を天高く掲げてみせた。
すごく気に入ってくれたようで、私もうれしくなった。

「うん…今日はお話いっぱいできるからっ」
「だから…無理だけはしないでね?」

ギュッと彼女の手を握る。
少しでも落ち着いてくれれば…という気持ちで彼女の手を握ってあげた。
彼女の方もまんざらでもないのか、強く握り返してくれたが、どこか弱々しく感じられた。

もっと、気の利いた言葉をかけてあげたかった。
彼女のために素敵な言葉の一つや二つ、送ってあげたかった。
だけど、私にはそんな語彙力がなかった……