鍵盤ハーモニカという大物を家に持ち帰り、ランドセルから彼女の荷物だけをするりと取り出すと、
自分の手提げ袋に滑り込ませ、足早にマイ自転車で彼女の元へ向かう。
もう慣れたもので道のりをいちいち確認しなくても自然とたどり着くことができるようになっていたので、
大幅な時間短縮が実現した。
早速彼女の病室に入ると動物園のふれあいコーナーにいる小動物のように、
満面の笑みを浮かべて、すり寄ってくる。
私は動物園に来園した観客か何かだろうか?
そんな風に思いつつ、嫌な気はしない。
『もうすぐ夏休みだね!』
『お休みになったらいっぱい顔合わせられる…かな?』
「そうだね。用事とかないかぎりはお見舞いに来るね!」
「君が嫌じゃなければ…だけど」
『嫌じゃない!退屈だから、いっぱい来て!!』
そんな会話をしながら、それとなくベッドに誘導する。
「そういえば…」
と、今日持ち帰った沙羅の教科書やらノートやらをまるっと手渡す。
すると、そのノートを見るや、目にも留まらぬ速さで彼女はサッと奪い取る。
『……見た?』
「な、何も見てないよ。落書きでもしてあるの?」
『気にしないで』
「えっ。で、でも」
『忘れなさい!』
『何も見なかった!』
相当見られたくないことや物でも書いてあったのだろうか?
彼女の焦り方は尋常ではなかった。
幸い、ノートの中身は覗き見してないのできっと多分大丈夫だろう。
手紙のことは…伏せておこうと心に誓った。
自分の手提げ袋に滑り込ませ、足早にマイ自転車で彼女の元へ向かう。
もう慣れたもので道のりをいちいち確認しなくても自然とたどり着くことができるようになっていたので、
大幅な時間短縮が実現した。
早速彼女の病室に入ると動物園のふれあいコーナーにいる小動物のように、
満面の笑みを浮かべて、すり寄ってくる。
私は動物園に来園した観客か何かだろうか?
そんな風に思いつつ、嫌な気はしない。
『もうすぐ夏休みだね!』
『お休みになったらいっぱい顔合わせられる…かな?』
「そうだね。用事とかないかぎりはお見舞いに来るね!」
「君が嫌じゃなければ…だけど」
『嫌じゃない!退屈だから、いっぱい来て!!』
そんな会話をしながら、それとなくベッドに誘導する。
「そういえば…」
と、今日持ち帰った沙羅の教科書やらノートやらをまるっと手渡す。
すると、そのノートを見るや、目にも留まらぬ速さで彼女はサッと奪い取る。
『……見た?』
「な、何も見てないよ。落書きでもしてあるの?」
『気にしないで』
「えっ。で、でも」
『忘れなさい!』
『何も見なかった!』
相当見られたくないことや物でも書いてあったのだろうか?
彼女の焦り方は尋常ではなかった。
幸い、ノートの中身は覗き見してないのできっと多分大丈夫だろう。
手紙のことは…伏せておこうと心に誓った。

