笹と川のせせらぎ

ほとんど毎日、彼女のお見舞いに行っていたけれど、いったいそんなに何をしていたかって?
不思議に思う人もいるだろう。
ボードゲームや携帯ゲーム、本を読んだり、ちょっとだけ散歩なんてこともしていたが、
やはりメインはその日の学校の日常を話すことだった。

「今日はね、体育があったんだ。ずっとなわとび飛んでた!」
「あれ、結構疲れるよね」

『飛んでるだけじゃん!あ、でもずっと回してる手はだるくなるかもね(笑)』

基本的には授業のことがメインだった。
今日はこんな授業があったよ~とかあの授業は先生が教え方下手で~とか
私にとっては他愛ない話だったけれど、彼女はそれらを聞くのをとても楽しみにしていた。
長らく学校に行けていないというのもあるのだろう。
そういう話を聞くと、自分も学校に行った気分になれる…のかもしれない。

彼女が喜んで聞いてくれるので私もついつい話が弾むし、今日あったことを一所懸命思い出す。

「もうすぐね、プールが始まるんだ!」
「プールだけは自信あるからねっ」
「楽しみだ~」

『君の泳ぎ、見てみたかったな~』
『ボクより上手かったら褒めてあげる!』

「ささに勝てるのってそれくらいかもだから僕も頑張る!」

運動神経抜群な彼女に死角はない。
もちろんプールも得意なのだ。

しかし、私もプールは教室に通っているので負けられない。
自分の出来るスポーツなんてプールと剣道くらいなので、せめて得意分野だけは負けられない。

『あ~あ。一緒にプール遊びしたかったなぁ』

彼女の一言が、胸に刺さった。