笹と川のせせらぎ

それから私はなるべく毎日彼女のお見舞いをしに行くようになった。
「なるべく」というのは天候に左右されるからだ。
自転車で通い詰めているので雨や雪などが降った際はいけないのだ。
気持ちはすぐにでも飛んでいきたいのだが、さすがに親にも止められるのでいけなかった。

当時は「携帯」や「スマホ」みたいな便利アイテムはなかった。
仮にあったとしても小学生でそんなものを買い与えてくれる親もあまりいないだろう。
なのでお見舞いにいかないと、彼女との交流は一切できなかった。
それはとても悲しいことなので、どうしてもな用事や荒天じゃないかぎりは、お見舞いに行っていた。

「じゃじゃーーん」
「今日はトランプをもってきましたー!」

『わーい!』
『あそぼ!あそぼ!』
『何してあそぼっか!』

以前のように外で遊ぶことはできなくなってしまったが、
秘密基地の中で遊んでいたようなことはできるじゃないか!ということで、
今日はボードゲームやトランプなど、室内でできるゲームをいろいろと持ってきた。

元々、彼女は外で元気に!なタイプだったので、
ボードゲームなどはあまりやったことがなく、
彼女にとってはどれも新鮮だったようだ。

『ねぇねぇ トランプっていろんな遊びがあるんだね。』
『面白いね!』
『君、すごく強いね!』
『ってボクが弱いだけかー(笑)』

そんな一人ノリツッコミも板についている。

途中で話を割って入ろうにもその隙を与えてくれない。
いつぞやの彼女が戻ってきてくれた!
そう思うだけで心が温かくなった。