笹と川のせせらぎ

秘密の場所というのはいいものだ。
誰にも知られていないと思うだけで心が躍る。
きっと彼女もそう感じているに違いない。

『この場所は二人だけの秘密の場所、だよ!』

そう言って満面の笑みを向けてくる。
正直、反則だ。
心の底から喜んでいる様が顔全体に表現されているのだから、その威力は絶大だ。
大ダメージといっても過言ではない。

『君は嬉しくない?』

「うれしくないわけがないっ」

『これから楽しみだね!』
『ワクワクする!』

「君のはしゃぎっぷりにドキドキしちゃうよ」

いつも楽しそうにしてはいるけれど、今日のそれは比較にならないほど嬉しそうだった。
そんな姿を見ているとこっちまで嬉しくなってしまう。
本音を言うと最初はあまり乗り気ではなかった。
秘密基地なんて作っても。。。と思ったこともあった。
けれど、彼女と一緒に準備をしていく内に楽しくなってしまったのだ。
秘密基地を作るためとはいえ、毎日彼女と行動を共にすることができたというのが、なによりも嬉しかった。

『今度ここでマンガ読んだりしよっか!』

彼女の妄想は膨らむばかりだ。
あれもしたい、これもしたい、と次から次へとアイディアが飛び出てくる。
彼女の頭の中の引き出しは四次元ポケットなのだろうか?
嫌な気はしなかった。

「なんでも付き合うよ」

彼女の笑顔がずっと見られるのなら、私はなんだってしたいって、そう思った。